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ギャランドゥ
ギャランドゥ

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イケメン美女がヤンデレ六道冥子のお嫁さんになる話

「はあ...」


ガヤガヤと騒がしい街中。多くの人が行き交う道を歩きながら、1人ため息をつく人物がいた。


「ねぇ...!?あの人カッコよくない!?」


「えぇー?...うわ、ホントじゃん!」


「ヤバ!声かけに行かない!?」


髪を染め、スカートを短くしたギャルの集団。彼女たちはすれ違った相手の容姿を見て騒ぎ出し、逆ナンをしようと盛り上がり始める。


「ん?...あぁ、ごめんね君たち。ボクもうすぐ仕事なんだ」


ギャルたちの噂の種になっていた人物は、彼女達の声に気づき、足を止め振り返る。そして苦笑しながら近づき、ギャルたちに謝った。


「「「っ!?❤」」」


ギャルたちはその姿に思わず息を飲む。少し低い、しかし女性と分かる鼓膜を心地よく震わせる声。耳にかかるかという程度で切りそろえられた黒髪は艶があり、絹のようにサラサラとした触り心地なのだろうとひと目でわかる。そして何よりその顔立ちは、男性と女性それぞれの性別をいい所だけ掛け合わせたような、中性的で美しい容姿だった。


「は、はひ...❤」


「ごめんなさぁい...❤」


「お邪魔しましたぁ...❤」


ギャルたちはその女性の言葉に首肯し、謝罪の言葉を呟く。思春期であり、大人たちの言うことに反抗しがちな彼女たちも、女性なら1度は夢見るような、素敵な王子様そのもの、いや、むしろそれすらも超えるような美貌を持った目の前の女性には素直になってしまうようだ。


「ありがとう、他の人とぶつかると危ないから、気をつけて歩いてね」


女性はギャルたちの言葉を聞いて笑みを浮かべると、さりげなく気遣いの一言をかけるという優しさも見せながらその場から立ち去る。


ポーッ...❤


3人のギャルは、その背中に熱い視線を送っていた。


「やばぁ...❤」


「ウチ、マジ恋しちゃったかも❤」


「あんなすごい人見たら、うちのクラスの男子とか猿にしか見えないんですけどぉ❤」


ギャルたちはこの一瞬で心を捕まれ、恋に落ちてしまったようだ。


「はぁ...」


また新たなファンを作ってしまった女性、小鳥遊 早紀子(タカナシ サキコ)は、しかし再び歩き始めながら、その端正な顔に陰を作り、また大きなため息をつくのだった。











(ほんと...協会も無茶ぶりが過ぎるよ...)


早紀子は肩を落としながら歩いていく。彼女の脳裏に浮かぶのは、先ほど上司から告げられた命令。同僚であり、また同期でもある女性を監査せよという業務内容が早紀子を憂鬱な気持ちにさせるのだった。彼女の職業は、GS協会の職員。G(ゴースト)S(スイーパー)達を束ねる、国家試験合格が必要な高給取りな職業だ。しかし、ゴーストという超常的存在を相手にすると言っても組織に入る以上は"上と下"がある。ノーと言えば一瞬で食を失いかねない立場にいる早紀子は、渋々指定された場所に到着した。


(さて..."あの子"はもう到着してるのかな...)


早紀子は辺りを見渡し、目的の人物の姿がないか探す。


「早紀子ちゃん〜」


その時、顔を左右に動かしていた早紀子の名前を呼ぶ声が聞こえる。それは間延びした女性の声で、少しすると人混みをかき分け1人の女性が現れた。


「久しぶりぃ〜❤私、また早紀子ちゃんと会えてすっごく嬉しいぃ〜❤」


その女性は肩の大きく開いたピンクのドレスを着ており、胸元にはワンポイントの赤いリボンがついている。早紀子の名前を呼んだ時のようにゆったりと、やたらに間延びする話し方をする女性だ。しかしその容姿は早紀子同様整っており、肩にかかるギリギリの長さで切られたよく手入れされた髪と言い、大事に育てられてきたお嬢様といった印象を受ける。


「や、やあ...六道さん...」


早紀子は引き攣りそうになる頬を必死に抑え、何とか笑みを浮かべた。こちらへ嬉しそうに微笑む女性は六道 冥子(ロクドウ メイコ)。早紀子と同じくGS協会に所属するゴーストスイーパーだ。冥子は気づいていないが、早紀子はこの冥子のことを苦手としている。早紀子は先程のギャルたちのやりとりからもわかる通り、人付き合いがかなり、特に女性に関しては非常にと言っていいほどに上手いのだが、そんな早紀子を持ってしても、冥子を相手にするのは骨が折れるのだ。


(悪い子じゃないんだけどなぁ...)


早紀子は心の中で呟く。そう、冥子は悪い人間ではないのだ。少し天然ではあるが、純粋なその性格は多くの人に好まれるだろう。更に、ゴーストスイーパーとしても12体の式神を操るという非凡な能力を所持している。しかし、彼女にはそんな美点を補って余りあるほどの厄介な特性があった。それは、冥子の仲間内から"プッツン"と呼ばれる暴走があることだ。自分の血を見る、そのような些細なことで冥子は能力を暴走させてしまう。12体の式神が無差別に暴れ回るそれは、GS協会の国家試験中にも起こってしまい大変大きな混乱が生じた。更にその年その暴走の難を逃れ、運良く首席合格した美神令子も、仕事先で一緒になった際被害を受けたという。


「あぁ〜〜❤早紀子ちゃん〜❤」


そしてもうひとつ、冥子には早紀子だけに発生する問題があった。それは、彼女が早紀子に依存しているということだった。


(それもこれも"彼女たち"のせいだよ...)


早紀子は同じく同期である、紫ボディコンを着た女王気質の女性と、その彼女にことある事に突っかかる褐色肌メイクの女性を思い浮かべた。美神令子と小笠原エミだ。彼女たちは同期であるが故に、暴走しがちな冥子の舵取りを任せられることを恐れ、早紀子にその役目をさりげなく押し付けようとしていた。その結果、早紀子が冥子のことを好ましく思っていると2人して冥子に吹き込み、元々女子高育ちで恋に免疫のなかった冥子はそれを信じてしまったのだ。


『私もぉ〜❤早紀子ちゃんなら怖くないし安心だわぁ〜❤』


当時早紀子が冥子に言われた言葉だ。同じ女性でありながら、男性よりも遥かにカッコイイ早紀子。冥子も他の女性たちの例に漏れず、その容姿に魅了されていた。そんな折、早紀子が自分のことを好きだと令子やエミが言ったのだから、そのこと自体で冥子を責めることは酷だろう。しかし、令子とエミも予想していなかった。まさかのほほんとした冥子にヤンデレ気質があったとは。


「もうぅ〜❤冥子って呼んでっていつも言ってるじゃないぃ〜❤」


プクゥ...


冥子が頬を膨らませながら早紀子に抗議する。少し子供っぽい仕草だが、容姿の整った冥子がすればそれも可愛らしい。しかし、いつ何がきっかけで暴走が起こるか分からない早紀子にとっては慌ててしまう事態だった。


「あ、あぁ...ごめんね、冥子ちゃん。ボクもそう呼ぶのは気恥ずかしくて...」


早紀子は何とか冥子の機嫌を取ろうとそう言い返す。しかし、それは傍から見ても早紀子が冥子に気があると捉えられてもおかしくない表現だった。


「うふふ〜❤嬉しい〜❤」


案の定機嫌が良くなった冥子。それを見て、ようやく早紀子は自分の発言のまずさに気がつくがもう遅い。まさか今更訂正するわけにもいかず、また話がややこしくなったと早紀子は僅かに顔を歪めた。


「その...それでね?冥子ちゃん。今日ボクが来た要件についてなんだけど...」


早紀子がおずおずと、自分が冥子の元に来た理由を述べようとする。冥子はそれを聞いて悲しそうな顔をした。冥子は確かに夢見がちで子供っぽい部分があるが、決して頭が悪いというわけではないのだ。むしろキレると言ってもいい。


「...わかってるわぁ〜。私があんまりお仕事上手くできていないから、様子を見に来たのよね〜」


冥子は最近の自分の仕事ぶりを振り返りながら、早紀子に尋ねる。正確に言えば、見に来たというよりゴーストスイーパーの免許剥奪の話さえ出てきており、その判断を決める監査として来たというのが事実なのだが。


「うん、そうなんだ。だから、いつも通りの冥子ちゃんの仕事について行かせてもらって、冥子ちゃんの様子を見学するね。」


早紀子は冥子の言葉を訂正はせず、彼女の仕事についていくことを告げる。


「任せて〜❤早紀子ちゃんがいるんだもの〜❤私頑張っちゃうからぁ〜❤」


ギュッ...と拳を握りしめ、そう宣言する冥子。その微笑ましさに、思わず早紀子も苦笑をこぼすのだった。












「これでぇ〜❤5件目〜♪❤」


(すごい...)


冥子の仕事に同行した早紀子。そこで冥子は特に暴走することも無く、式神たちを上手く使いこなして簡単そうに仕事を完了していた。


(六道さんは簡単にこなしているけど、どれもこれも並の使い手じゃ手を焼くようなレベルばかり...やっぱりこの子、能力はズバ抜けてる...)


早紀子は冥子の強さを改めて再認識する。今一緒にいて見る限りでは、問題の暴走をしそうな様子もない。恐らく自分がいるからだと早紀子も理解していたが、GS協会としても、同期としても非情な判断を下さなくて済みそうだと胸を撫で下ろす。GS協会としても、長年続く六道家との間に亀裂をつくるような真似は極力したくないのだ。もっとも、そんなGS協会の重い腰をあげてしまう程度には冥子はやらかしていたわけだが。


「今日の仕事は〜❤これで終わりねぇ〜❤」


冥子はルンルンとスキップを始めそうな勢いで、楽しげに早紀子へ言う。


「そうなの?というか、かなり1日でこなす件数が多いんだね。やっぱり冥子ちゃんは優秀なんだなぁ」


早紀子は率直な感想を漏らす。この監査は3日間の予定のため、早紀子は一旦協会がとっているホテルに帰り、明日また冥子と合流する手筈になっている。


「それじゃあ冥子ちゃん。ボクはホテルに向かうから、また明日よろしくお願いね」


「え〜?早紀子ちゃんは、私のお家に泊まるんだよぉ〜❤」


冥子と別れホテルで体を休めようとした早紀子。しかし、冥子の口からとんでもない事実が明かされた。どういうことかと尋ねると、冥子が早紀子に泊まって欲しいとGS協会にお願いし、GS協会はそれを了承してホテルをとらなかったというのだ。


「なっ...!?」


早紀子は思わず絶句してしまう。彼女は絶対に六道家の門はくぐりたくなかった。なぜなら、過去に(半ば無理やりに)冥子とペアを組まされた一時期の頃、冥子が普段見せぬ強引さとアクティブさを持って話を爆速で進め、あわや早紀子と冥子が婚約するという話まで出たのだ。まさかいきなり同僚と、何より同性の女性と結婚させられかけた早紀子は、急いで逃げ出し本部に泣きついた。その結果、昨日まで冥子と会うことなく過ごすことが出来たのだ。


「いや...それは...」


早紀子は何とか断る手段がないかと考える。しかし、協会側がホテルの部屋を用意してくれていない以上は、野宿するしかなくなる。さすがに早紀子もそれは避けたかった。


「大丈夫〜❤みんな早紀子ちゃんが来るってわかって、歓迎の準備をしてくれてるからぁ〜❤」


冥子が無邪気に笑みを浮かべながら言う。その言葉を聞いた早紀子は、もう避けられないのだと肩を落とす。さすがに準備してくれている六道家にそこまで失礼なまでは出来ない。幸いなことに、早紀子が見る限り冥子は以前会った時と比べ、大人になり精神も安定したようだ。これならば、以前のようにすぐ婚約、結婚と騒ぎ立てることも無いだろう。


「......なら、お世話になるよ。迷惑かけてごめんね?」


「全然そんなことないよぉ〜❤ほら、行きましょう〜❤」


そうして早紀子は、冥子に引きづられるようにして六道邸に連れていかれるのであった。












(...あれ?)


夕食をご馳走になり、入浴も済ませて用意してもらった白いパジャマに着替えた早紀子は、想像していたようなトラブルが何も起こらなかったことに拍子抜けしていた。至れり尽くせりの歓待ぶりで、むしろ疑ってしまった分罪悪感すら湧いてしまったほどだ。


(これは、警戒しすぎたかな...)


食後のお茶まで美味しくいただいてしまった早紀子は、過去のことに囚われすぎていたかもしれないと案内された寝室の布団の上で反省する。そしてこの仕事も何とか完遂できそうだと安堵の息を吐いた。


クラ...


だからだろうか。安心した途端、早紀子の体は抗いようのないほどの強い睡魔に襲われる。


(そんなに...疲れ...てたの...かな...)


まるでパソコンをシャットダウンしたかのように、意識が急速に遠ざかっていく早紀子。彼女は少し疑問を感じながらも、布団に倒れ込むようにして眠りにつくのだった。












「......ふふ〜❤...紀子ちゃん......れい〜❤」


(...ん...?)


休眠していた早紀子の脳が、ボンヤリと覚醒してくる。体は重だるく、頭も二日酔いの時のようにズキズキと痛む。まだ正常に作動していない早紀子の体と脳だったが、早紀子の本能が何かがおかしいと騒ぎ出す。


ガチャリ...


「えっ...!?」


とりあえず体を起こそうとした時、早紀子の耳に金属が擦れ合うような音が聞こえてくる。気づけば両腕は頭の上で組むような形になっており、その手首には冷たい感触があった。


「な、なにこれ!?」


自分が拘束されていることに気づいた早紀子の脳は、ようやく事態の把握に動き出そうとする。


「あらぁ❤起きたのねぇ〜❤早紀子ちゃん〜❤」


そんな早紀子の耳に入ってくる、間延びした声。拘束具をガチャリと鳴らしながら早紀子が声の方を見ると、そこには自分の足元に座る冥子の姿があった。


「ろ、六道さん!?これは一体...!」


よく見れば、足も手と同じように手錠のようなもので固定されている。起き上がることすら出来ない早紀子は、混乱した声で冥子にどういうことかと尋ねる。


「ふふっ...❤ふふふ〜...❤...まだ、私の事『六道さん』なんて呼び方するんだぁ〜...❤」


「え...」


早紀子が冥子の様子がおかしいことに気づいた時には、もう遅かった。冥子は早紀子の上に覆いかぶさると、早紀子を見下ろす。その目からハイライトが消えており、いつもの彼女ではないことを示している。


「私たち、両思いなのに❤私は早紀子ちゃんが好きで、早紀子ちゃんは私のことが好きなのに❤早紀子ちゃんはすぐそうやって私に意地悪するの❤」


いつもの間延びした口調ではなく、少し早口になった冥子がまくし立てるように話す。


「早紀子ちゃんが私の前からいなくなった時、苦しくて、悲しくて、嫌で嫌で嫌でいやでいやでイヤで...おかしくなっちゃいそうになったんだけど...」


そこで冥子は1度言葉を切り、改めて早紀子を見つめる。明らかに正常ではない様子の冥子に見つめられ、早紀子はブルリ...と身体を震わせた。


「でもぉ...❤」


ニコリ


冥子は能面のように動かなかった顔に満々の笑みを浮かべる。


「許してあげるわぁ〜❤だって、早紀子ちゃんは私の元に戻ってきてくれたんだものぉ〜❤」


そしていつもの間延びした口調に戻ると、早紀子のお腹を愛おしそうに撫でた。


「くっ...!?」


ガチャガチャ...ガチャリ...


早紀子はなんとか拘束から抜け出そうともがくが、さすがに金属で出来たものを破壊する力を持っている訳ではない。更に体の状態は最悪と言っていいコンディションだった。頭は重く回らず、体は風邪を引いたように熱い。


「まさか...ボクに睡眠薬を...!?」


「うん〜❤睡眠薬"も"入れたよぉ〜そうでもしないと、早紀子ちゃんまた意地悪しちゃうかもしれないし〜❤」


ニコニコと笑いながら、とんでもないことを平然と言う冥子。


「こんなことしたら、GS協会も流石に黙ってないよ!?」


早紀子は自分の手札の中にある、数少ない切り札を切る。


「それなら大丈夫よ〜❤もう協会とは話をつけたもの〜❤」


「え...?」


「協会も、早紀子ちゃんは私のお嫁さんになるってことに頷いてくれたよ〜❤だから、早紀子ちゃんこのまま帰ったら、怒られると思うな〜❤」


「なっ...!?」


冥子の言葉に早紀子は絶句してしまう。


「早紀子ちゃん幽霊引き寄せちゃう体質だから〜❤フリーでやるのは危ないし〜❤もちろん、そんなことさせないけどぉ❤」


冥子の言う通り。早紀子には昔から幽霊を引き寄せてしまう体質があった。名前をつけるなら、「被虐幽因体質」とでも言おうか。仕事先に行くたび、何故かみな同僚よりも自分を優先して狙ってくるという自覚は早紀子自身にもあった。霊たちは早紀子を襲いたい、虐めたいと感じてしまうのだ。

しかし、早紀子の体質を正確に言うと、「幽霊を引き寄せる」のでなく、「霊力が反応する」ものだ。つまり、霊力を扱うゴーストスイーパーも例外ではない。ただ、トップクラスの実力を持つ令子やエミでさえ「冥子の世話役を押し付ける」程度の影響しかなく、GS協会内でも精々上司に嫌な仕事を押し付けられやすいというくらいのものだ。その相手が規格外の霊力を持つ、冥子のような存在でなければ。


「本当は早紀子ちゃんとのハジメテは、ちゃんと体を綺麗にしたからが良かったんだけど〜❤『こっちの方が都合がいい』らしいから、許してねぇ〜❤」


冥子は昼間と同じ、胸元にリボンのついたピンクのドレス姿であることを早紀子に詫びる。


「六道さん、お願いだからこんなことやめっ...」


ピト...


話している最中に、早紀子の唇に冥子の指が当てられ言葉が中断してしまった。


「早紀子ちゃんのことは大好きだけど〜❤これ以上"意地悪"するなら、私どうなるか分からないかも〜❤」


ゾクッ...


それは早紀子からすれば、あまりにも自分勝手で、そして恐ろしい脅しだった。彼女がここで暴走すれば、自分がどうなるか。容易に結末が想像でき、早紀子は震えながらコクコクと頷く。


「うふふ〜❤早紀子ちゃんはやっぱり優しい〜❤じゃあ、始めちゃおうね〜❤」


冥子は無邪気な笑みを浮かべると、早紀子の体に覆い被さったまま彼女の唇を奪った。


チュウゥゥゥ❤


「んむぅ!?」


早紀子はいきなりのキスに驚くが、拘束されているため抵抗すらできない。


チュルッ❤ンチュゥ❤ピチャッ❤


寝室に、2人の舌が絡み合う水音が響く。


(な、なんで!?)


早紀子は混乱していた。もちろんこの状況自体どうにかしたいが、今はもう1つ、早紀子にとってありえない異常が発生してしまう。


(なんでこんなに気持ちいいんだぁ!?❤)


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


そう、早紀子は冥子とのキスで感じてしまっていたのだ。冥子の温かい舌が早紀子の口内を這い回る度、全身に走る快楽に早紀子の体がビクビク❤と震える。


ンチュッ❤レロォ...❤ピチャリ...❤


トロォ...❤


組み敷かれる体勢になっている早紀子は、口の中に冥子の唾液を一方的に流し込まれる。まるで蜂蜜のようにトロリ❤と甘いそれは、早紀子の舌と脳を蹂躙した。


プハァ...❤


しばらく経ってから、ようやく互いの唇が離れていく。


ドクンッ❤ドクンッ❤


早紀子に対し、笑みを浮かべ見下ろす冥子。その顔を見た時、早紀子の胸はどうしようもなく高まってしまった。


「ど、どうしてぇ...❤」


呂律の怪しくなった早紀子が、思わずといった様子で呟く。冥子はその質問に笑みを深めながら答えた。


「早紀子ちゃん、可愛い〜❤お茶に媚薬と惚れ薬を混ぜ込んだ甲斐があったわ〜❤」


「へ...?❤」


早紀子の処理が追いついていない脳が、冥子の言葉を少しずつ理解する。冥子は六道家の伝手を全て使い、霊力に反応して効果を発揮する媚薬と、前もって霊力を流した相手に好意を抱く惚れ薬を手に入れていたのだ。


「今の早紀子ちゃんは〜❤私のことが好き好き〜❤って、メロメロの状態なのよぉ〜❤」


「そ、そんな...❤」


ドキドキ...❤ドキドキ...❤


おかしい。許せない。冥子がしたことはそういった類のもののはずなのに。早紀子は怒りを抱くことが出来なかった。むしろ冥子の体に視線が釘付けになってしまい、まるで思春期に入ったばかりの男の子のように冥子の体を見つめてしまう。


「やぁん❤早紀子ちゃんの目、すっごくエッチになってきたぁ〜❤」


「っ!?❤」


冥子の言葉を聞き、早紀子はようやく我に返る。そして無意識に行っていた自分の行動に赤面してしまうのだった。


「や、やっぱりこんなのおかしいよ!ボクは女なんだよ!?」


早紀子はこれ以上ペースが乱されないようにと、冥子に懇願するように言う。確かに早紀子は、その中性的な容姿から女性に告白されることも多かった。しかし、自分がノーマルであると自認している早紀子はその全てを断ってきたのだ。


「ボクにそういった趣味もないしっ...〜〜っ!?❤」


早紀子がさらに言い募ろうとする。しかし、その言葉は途中で止まってしまった。


「あれぇ〜❤どうしたの〜❤早紀子ちゃん❤」


冥子が楽しそうに尋ねる。しかし、早紀子はその質問に答える余裕がなかった。


ムワァァァァン...❤


早紀子の目の前で、彼女に見せつけるように冥子が腕を上げ腋を露わにしていたからだ。


ハッ...❤ハッ...❤ハッ...❤


(な、なんでボクこんなにドキドキして...❤違うっ...❤ボクはレズじゃないのにぃ...❤六道さんの腋から目が離せないよぉ❤)


早紀子はまるで犬のように息を荒らげ、冥子の腋を夢中で見つめる。惚れ薬と媚薬によって、今の早紀子は匂いや音といった感覚にまつわる刺激に対して非常に弱くなってしまっていたのだ。それを事前に聞いていた冥子は、上手くいっていると嬉しさを滲ませる。


「恥ずかしいけど〜❤早紀子ちゃんだから、特別ねぇ〜❤」


ムギュッ❤


冥子はそう言って、日中歩き回り蒸れてしまった腋を早紀子の顔に押し付けた。


ムワァァァァァ❤


「んひぃぃぃぃぃ!?❤」


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


その瞬間、早紀子の体が大きく跳ねる。顔に冥子の腋を押し付けられただけで、早紀子は絶頂に達してしまったのだ。


クンクン❤クンクン❤


("冥子ちゃん"の匂いぃぃ!?❤甘酸っぱくてっ❤頭がおかしくなりゅぅぅ❤)


早紀子はいつの間にか心の中でも冥子を下の名前で呼んでいることにも気づかず、夢中で冥子の腋に顔を埋め匂いを嗅いでしまう。流行りの香水の甘ったるい匂いと、冥子自身の女性特有の香りが合わさった芳香は、薬で敏感にされた早紀子を容易く蕩けさせてしまった。


「わぁ〜❤早紀子ちゃんの体、ビクビクしてる〜❤」


コリ...❤コリ...❤


冥子はそう言いながら、服の上からでもわかる程に勃起した早紀子の乳首を指でつまんだ。


「ほぉぉぉぉぉぉ!?❤」


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


早紀子は冥子の腋臭に包まれたまま、その刺激にまた絶頂してしまう。火照り続ける体に止まらず走り続ける強烈な快楽。


(助けてっ❤助けてぇぇぇ❤)


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


早紀子は冥子の腋の中で、誰にかも分からぬ助けを求めるのだった。












クチュクチュ...❤クチュクチュ...❤


「はへぇ...❤」


布団の上に、拘束を解かれた早紀子が座っている。その中性的で美しい顔は快楽に染まり、だらしなく開いた口元からはヨダレが垂れている。また、その顔には冥子が身につけていた下着が被せられていた。


フーッ...❤フーッ...❤


荒い呼吸を繰り返す度に、早紀子の肺が冥子の香りで満たされていく。そして冥子はその後ろから抱きつくようにして座り、早紀子の股に手を伸ばしていた。


「あっ...❤んふぅ...❤」


「あ〜❤早紀子ちゃんまたイったでしょ〜❤だんだん早紀子ちゃんの体のこと、分かってきちゃった〜❤」


冥子は好きな人のことをもっと理解出来て嬉しいと笑う。それ自体は純粋で美しいものなのだが、行っている行動は過激で淫ら過ぎた。


「ほら〜❤早紀子ちゃん、言っちゃおうねぇ❤私の、六道冥子のお嫁さんになるって〜❤」


ボソボソ...❤


「んふぅぅ...❤耳元で囁くのダメぇ...❤」


冥子の囁きにさえ、早紀子の体は反応してしまう。既に回数が分からないほどに絶頂させられた早紀子の体は、冥子と快楽をイコールで結び付けてしまっていたのだ。


「今の早紀子の姿、早紀子ちゃんを見てキャーキャー言う女の子たちが見たらどう思うかなぁ〜❤私の下着を嬉しそうにクンクンしてる変態さんだってバレたら、みんな幻滅しちゃうだろうなぁ〜❤」


「あひっ...❤そ、そんなこと言わないでぇ...❤」


ゾクゾク...❤


ビクン...❤


早紀子は冥子の言葉責めに、背筋を震わせた。既に体は屈服し、心も折れかけてしまっている。


「でもぉ...❤私だけは早紀子ちゃんの味方だからねぇ〜❤どんな幽霊が来ても、どんな悪い人が来ても私が絶対に守ってあげる〜❤」


「〜〜っ!?❤」


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


冥子から告げられた言葉。それを聞いた瞬間、早紀子は心が満たされていくのを感じてしまった。鞭の後の飴のように囁かれた冥子の優しいセリフに、早紀子はついに陥落してしまう。


...コクリ❤


早紀子は小さく冥子の言葉に頷きを返す。


「ダーメ❤ちゃんと言葉にして〜❤」


クチュリ...❤


しかし冥子はそれで満足せず、叱るように女性器を少し強めに愛撫する。


「あひぃぃ...❤は、はい...❤ボクは、冥子ちゃんと結婚しますぅ...❤ボクのことお嫁さんにしてぇ...❤」


早紀子はついに自分から冥子にプロポーズしてしまった。被った下着の合間からのぞく瞳は、愛欲でドロリと濁っている。


「ありがとう〜❤嬉しい〜❤」


クチュクチュ❤クチュリ❤


冥子は嬉しそうに叫びながら、ご褒美だと早紀子の股を刺激する。


「あぁぁぁ❤イくっ❤イくぅぅぅ!?❤冥子ちゃんっ❤好きぃぃぃ❤」


ビクビクッ❤ビクビクッ❤


プシッ...❤プシャァァァ...❤


早紀子は潮を噴き、激しく身体を震わせた。


「これからよろしくねぇ〜❤早紀子ちゃん❤」


「うん...❤」


早紀子は冥子からかけられた言葉に素直に頷く。


「あ、そうそう〜❤」


それを満足気に見つめながら、冥子は思い出したと口を開いた。


「今日の昼のお仕事5件、本当は3日間かけてやれって言われてたの〜❤だから、ここから2日間はお休みだね〜❤」


「え...」



その日から数日間、六道邸では少し低い声の女性の喘ぎ声が響き渡ったという...














「なにこれ?『結婚報告』?」


紫のボディコンに身を包んだ女性、美神令子が自分の机に置かれた手紙を手に取る。自分の宛名が書かれた紙を裏向けると、そこには満面の笑みを浮かべる冥子と、恥ずかしげにカメラ目線を送る早紀子の姿が。


(...これは、私のせいでもあるわよね...)


守銭奴の令子にしては珍しく、彼女はいそいそとお祝い用の新札を用意しに向かうのだった。



※いただいていたリクエスト


最近全巻購入したらエラく可愛く感じたので、古い作品ですが『GS美神 極楽大作戦!!』より、ヤンデレ気味の六道冥子にオリ主がラブラブお嫁堕ちさせられる話をお願いします。


あらすじ

・相変わらず「ぷっつん」からの式神暴走で周囲に迷惑をかけている冥子。ゴーストスイーパー免許没収の声も上がる中、冥子の旧友でありGS協会に務める主人公へ監査が命じられる。

・主人公と共に活動していた短い期間だけ、冥子はまったく暴走を起こさず、GSとしても優秀な成果を治めていた。だが主人公には、冥子に会いたくない理由が…。

・それと言うのも、同じく旧友の美神令子と小笠原エミは、冥子の世話係を主人公に押し付ける為、主人公へ好意を抱くよう、あることないことを冥子へ吹き込んでいた。

・素直な冥子は主人公と両思いだと信じ込むが、女子校育ちで恋愛経験ゼロの冥子の愛情は重すぎた上、六道の家に嫁ぐことまで(同性なのに)決まりかけており、慌てて逃げだしたのだった。

・再会した冥子の落ち着いた様子に、少しは成長したのかと安心する主人公だが、その夜の内に冥子から襲撃を受け、今度こそ自分と結婚するようにと迫られてしまう…。


主人公

・冥子や令子にも負けない美貌の、ボーイッシュ系のイケメン美女。協会に就職後はあまり前線に出ていない。冥子のことは嫌いではなく、むしろ好き。けれど明らかに自分絡みになるとおかしくなるので、敬遠している。一人称は「ボク」。

・実は「被虐“幽”因体質」とでも言うべき特異体質で、霊力の高いものほど影響を受け、主人公を虐め、弄って、支配してやろうという執着心を抱く。トップクラスの霊能者である令子やエミでも、世話係を押し付けるくらいの影響しかでない為、日常生活に支障はない…埒外の霊力を持つ冥子でも相手にしない限りは。

・GS活動中に霊にやたら狙われるとは思っていたが「なんでボクを狙うの?」なんて聞くわけもなく、更にヤンデレモードの冥子が「主人公ちゃんに近づく羽虫」を徹底的に捻り潰していた為、体質に気付いていない。

Comments

美人のヤンデレはプラスに働きますからね…顔がいいと世界が味方してくれます

ギャランドゥ

ヤンデレ適正がたかぁい! あの腋見せファッションはこう使うためのものだったのか…!(違います)

屋根が高い

良いですね

ㅋㅅㅋ


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