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桜梅桃華@女装・TSF小説
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残業の果てに辿り着いた、僕の新しい世界:14

秘密な二人

お昼前のオフィスは、いつもより静かだった。

プリンターの音と、数人が打つキーボードの音だけがフロアに響いていた。

私は席を立ち、営業部の千尋ちゃんのデスクへと向かった。


「千尋ちゃん、お昼休み、時間ってある?」

突然声をかけると、彼女は小さく肩を揺らして振り返った。


「瑠衣さん、どうしました?」

彼女は微笑みながら立ち上がった。


私は少しだけ彼女に近寄り、耳元でささやいた。


「この間、茜が千尋ちゃんに送った音声データの件なんだけど……」

その瞬間、千尋ちゃんの頬がぱっと赤くなった。

視線が泳ぎ、唇が何かを言いかけて止まる。


「あ……レンさんの……」


「そうそう、びっくりしちゃったよね?」

柔らかく言いながら、私は彼女の反応を観察する。

動揺の中に、わずかな好奇心の光。

やっぱりこの娘……素質ある……。


「その件で、レンくんが千尋ちゃんに話したいことがあるんだって。大丈夫かな?」


「話したいことですか……?」

彼女は戸惑いながらも、少し考えてから頷いた。


「……分かりました」


「良かった。じゃあお昼休みに1階の資料室に来て貰えるかな?」

「あっ、レンくんは少し遅れるみたいだから、鍵を開けて先に中で待っててくれる?はい、これ」

私は経理部で管理している資料室の鍵を彼女に渡した。


「あ、ありがとうございます……」

千尋ちゃんの返事を聞いてから、私はそっと席に戻る。


スマホの画面を開く。

メッセージアプリの吹き出しにはレンくんの名前。


『命令:12時ぴったりになったら資料室で、千尋ちゃんの名前を呼びながら乳首をいじること。中から鍵を閉めれば大丈夫だから』


送信。

すぐに既読がつく。

画面を閉じて、私は胸の奥で微かに笑った。


ふふっ……お昼休みが楽しみだね……。



――時計が12時を指す。

昼休みのざわめきが遠ざかる中、僕は資料室の扉を静かに閉めた。


呼吸が浅い。心臓の音がやけに大きく響いている。

乳首がブラと擦れて、神経がそこに集中していく。


ポケットにはスマホ。

お昼前に瑠衣さんからメッセージが届いた。


『千尋ちゃんの名前を呼びながら乳首をいじりなさい』


足がすくむ。けれど、拒否はできない。

幸い、昼休みに資料室に来る人はいない。ましてや、鍵を閉めてしまえば誰にもバレない。


右手がゆっくりとカッターシャツの中、ブラの奥の突起を目指す。

乳首に触れた瞬間、身体がびくりと跳ねた。

今までの調教で、もう自分の身体が勝手に反応してしまう。


「……っ、千尋ちゃん……」

声を出した途端、胸の奥が熱くなった。

羞恥で顔が焼けるように赤くなるのに、

指先は止まらない。


「千尋ちゃん……っ、聞こえたら……どうしよう……」

言葉を吐くたびに、空気が震え、

乳首に掛けた力が少しずつ強くなる。


あの時の声――録音されたあの音。

自分で聞いて、逃げ出したくなるほど恥ずかしかったのに、

今はその続きを、自分からしている。

本人がいる建物の中で……。


「千尋ちゃん……あぁ……気持ちいい……」。

全身が火照って、足が力を失う。


そのときだった。


「レンさん……」


電気が走る様に、全身が震えた。

背筋が凍る。


ゆっくり後ろを向く。


そこに立っていたのは――千尋だった。



「あ……あ……」

声が出ない。

僕の右手は、まだブラの中で止まっている。


千尋の目がそこに釘づけになる。


「ち、ちが……違う……これは……」

すぐに手を引いた。

言葉が詰まり、何も言えなくなる。


千尋は数歩だけ前に出た。

眉が困ったように歪んでいるのに、目の奥はどこか怪しい光を帯びている。


「瑠衣さんから……“資料室でレンさんが話がある”って言われて……」


やがて千尋が、小さく息を呑んだ。


「……どうして、私の名前を……?」


僕は俯いたまま、震える声で答える。


「……ごめん……命令、だったんだ。瑠衣さんに……言われて……」


「命令……?」

千尋の目がわずかに見開かれる。

驚きと戸惑い。

けれど、その奥に、ほんの一瞬だけ別の感情が混じった。


「命令だけ……ですか?……レンさん、私の目を見て……私の名前……もう一度、呼んでください」

静かな声。けれど、その響きは、拒絶を許さない。


彼女の顔がすぐ近くにある。

視線が絡む。

逃げられない。


「ち、千尋ちゃん……」

声を絞り出した瞬間、胸の奥が痺れる。

乳首が脈打って、全身が波のように震えた


千尋の瞳が、まっすぐ僕を射抜いていた。

逃げようとしても、その視線が肌の奥まで入り込んでくる。


「そのまま……さっきの続きをして下さい」

小さく息を飲んだ僕の動きを、彼女は見逃さなかった。


「命令で嫌々やっていたなら止めてもいいです。でも……もし続きをしたいなら……いいですよ」



理屈の上では従う理由なんてないのに、

声を聞くだけで身体の奥が反応してしまう。

指先が、胸のあたりで止まる。

呼吸が浅くなり、鼓動が早くなる。


「……やっぱり、止まれないんですね」

千尋の声が、わずかに震えを含んでいた。

その震えが、空気を伝って僕の中に染みていく。


「上着、脱いでください」

一瞬、時間が止まった。


「え……」

彼女の表情は変わらない。穏やかで、しかし一切の逃げ道を塞ぐような瞳。


おそるおそるボタンに手をかける。

シャツの布が指の間をすり抜け、ブラの奥にも冷たい空気が肌に触れた。

視線を感じる。

まるで、その視線が触れてくるみたいに、背筋がぞくりとする。


「……私が……触ってあげますね……」

千尋の指先が、そっと僕の胸もとに触れた。

その瞬間、息が止まる。

指先はわずかに震えていたけれど、動きは迷いがなかった。

「……すごい、熱い……」

呟きのような声が落ちる。

その言葉に合わせて、胸の奥がきゅっと締めつけられる。


視線をそらそうとしても、千尋の瞳がそれを許さない。

距離が近い。吐息が混ざるほど。

ふたりの間の空気が、柔らかく揺れている。


「恥ずかしいですか?」

うなずこうとしたけれど、声が出ない。

ただ、喉の奥からかすかな息だけが漏れる。


千尋はそんな僕の反応を確かめるように見つめていた。

その眼差しは優しさでも冷たさでもなく、

まるで“観察”のようだった。


「……レンさん、すごい……えっちな顔してます」

静かな声が、耳の奥を震わせる。

自分の表情を見られていることが、どうしようもなく恥ずかしい。

けれど、それ以上に――逃げられない。


胸の奥が脈打ち、呼吸が乱れる。

頭が真っ白になっていく中で、

千尋の唇がわずかに動いた。


「……ねぇ、レンさん」

「――このまま続けたら、どうなっちゃうんでしょうね」


その声が、耳のすぐ近くで溶けた。

身体が勝手に震え、意識が霞む。


世界が遠のいていく中、

千尋の目だけが鮮明に見えていた。


【15章へつづく…】

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