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縷々道 生我
縷々道 生我

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夢を見る子供たち

街を歩いていた時に、掲示板を見つけた。


学校主催の企画で、曰く『将来の夢』小学6年生の人の子らが、10年後の未来に何になって居たいかをイラスト付きで紹介するという企画だ。個人の夢を街中に張り出す意味は一体何処にあるのだろう、そんな無粋な事を考えながらも、僕は足を止めてそれを眺めた。


ふと思う、今の世代の人間は大変だろう。遊びたい盛りの子供らは特に、流行り病の影響で休日に碌に外にも出られなければ、旅行にも行けない。窮屈な生活の中で、それでも夢を見ようとするのだから、人間と言うのは実に希望に満ち溢れた生物だ。


夢、夢、野球選手になりたい、サッカー選手になりたい、公務員、お医者さん、お嫁さん、普通の会社員になりたい――イラストで描かれたその願いの隣に、その夢を志望した理由が書いてある。僕は堕落の魔法使いだ、だが人の夢を見るのは嫌いではない。僕にも夢があるから……そんな中、一つだけ目を引いた願いがあった。『大工さんになりたい』


大工、大工か、小学生の夢にしては随分と朴訥としているな。いや、こういう職人気質の人間がある意味成功しやすいのではないかな。そんな事を考えながら目を滑らせる。イラストには公園……だろうか、ブランコや滑り台を作っている人間が描写されているように見える。ビルを作りたいとか、家を作りたいとかではなく、公園?公園を大工が作っている印象は薄いが、いやまあ、市政から依頼をされて公園建てるのは確かに大工なのだろうけど。でも、どうして公園を?


その答えは、理由の欄に記載されていた。


『未来の子供たちが沢山外で遊べるように公園を作ってあげたいです』


嗚呼、すとん、と腹に落ちた。この文章からは、色々な思いを感じる。小さな場所から世の中を変えていきたいという意思、自分より小さな子には沢山外で遊んで欲しいという優しさ、そして、遊びたい盛りであるにも関わらず外出を制限された世代としての悲しみ。


あまりにも腹に落ちすぎて、どこの誰かもわからない人間の夢が叶うように心の中で祈ってしまった。いや、少しだけ違うな。夢が叶って欲しいと言うよりは、彼がそんな優しい夢を持ち続けたまま大人になれるように、彼の周りが幸福であるように祈ってしまった。個人ではなく、世界に対しての祈りだ。


少年、君が今から歩もうとしている道のりは決して平坦ではない。どれだけ真っ直ぐ進もうと歪んだ道を通らなければならない事もあるし、真っすぐ道を歩む者を嫉むものもいる。


でもその夢を、いや、その夢を持とうと思った心を大事にして、生きて欲しいと、僕は思うよ。




夢を見る子供たち

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