ポケモンをしていたらふと見たくなった作品、Amazon Primeにて視聴。シャイニングやミストでお馴染みのスティーヴン・キング氏の小説が原作となっている。複雑な家庭環境を持った少年達4人が、列車に轢かれたまま放置されているという死体を探して線路の上を旅する話。
本作は少年の愚直な正義感の物語ではない、4人はいずれも正しさのために行動している訳ではなく、死体(=珍しい物)を見つければ自分たちは英雄になれる!という好奇心・俗心から死体を探している。そんな「少年らしい無垢な邪悪さ」が不快感なく描かれている。
一体この映画とポケモンに何の関係が?と思うかもしれないが、初代ポケモンの主人公の部屋のテレビを調べると「4人の少年たちが線路を歩いている映画だ」と表示される描写がある。また、2020年に公開されたポケモン初の公式PV「GOTCHA!」には、冒頭に線路の上を歩く4人の少年が描かれたりと、実は何かとポケモンと縁深い作品なのである。
『好奇心から始まった子供たちの旅』という、この映画のテーマ性がポケモンに合致していたのだろうか、それともポケモン製作者が単にこの映画をリスペクトしているのか、調べたわけではないが僕は前者だと思いたい。
本作は主人公である中年男性の少年時の回想と言う形で始まるのだが、本編で描かれている旅は、けして楽な物ではない。詳細は省くが、痛かったり、苦しかったり、死にかけたり、悲しかったり、全編を通してマイナスな感情だらけの旅である。
そもそも死体を探すための旅なのだ、明るい道程になるハズもない。回想の最後も、皆がそれぞれの進路に向かって離別するという終わり方をしている。
しかし、主人公は回想の締めに「複雑な家庭環境のなかで仲間との友情を感じた。12歳の頃のような友達は、二度とできることはない」と発言している。
主人公にとっての素晴らしい友人とは、楽しさを共有する人と言うよりも、お互いの苦しさ、悲しさに寄り添える人なのだと、感銘を受けた。
Amazon Primeにて視聴、『パンズラビリンス』の製作スタッフがイギリスの童話を映画化した作品。難病を患ってしまい、余命いくばくもない母親を持った少年コナーは、毎晩同じ悪夢にうなされていた。ある晩、彼の元にイチイの木の化身のような怪物が現れる。怪物はささやく『今日からお前に3つの物語を聞かせてやる、その全てを聞いたら、次はお前が物語を話せ』と。
お前の話に興味はないし、僕は物語なんて持ってない。と最初は拒絶するコナーだったが、怪物の巨躯と勢いに押し切られ渋々ながらも物語を聞く事となった。
だが、怪物が話す物語は、いずれもコナーには納得のいかない結末ばかり。……というのも、怪物の話す物語は単なる勧善懲悪の物語ではなく、人間の醜さや、愚かな性質などを結末に置いた話であり、まだ少年であるコナーの純粋無垢な『善』とは相容れなかったのである。ただ、コナーは物語を聞き、怪物との問答を経て、段々と心を育てていくのであった。
怪物が癇癪で破壊したはずの家が別れた数秒後に直っているなど、怪物が実際に存在していないような描写が多々あったため、怪物と言うのは少年の心の中に潜む罪悪感とか、悪感情の発露なのかなぁ……と、ふんわりと考えながら映画を見ていたのだけれど、最後の方で病床の母親が怪物を見て無言で微笑むという描写があったので困惑した。
え?実在するの?ただ、後にして思えば怪物の正体を考察する手掛かりは劇中に散らばっており、納得感のある終わりを迎えた作品であるように思う。
何より、怪物が物語を語るシーンで流れる切り絵のようなアニメーション(?)の出来が良く、これだけでもこの映画を視聴した甲斐があったな、と思えた。お薦め。
有名な邦ホラーの一つ『呪怨』の監督である清水崇の最新作。犬鳴村、樹海村と来て3村目。『忌まわしい習慣があった村』×『民俗学ホラー』は相性がいいのだろうか、同監督は〇〇村をシリーズ化するつもりらしい。先日公開したばかりなので劇場で視聴した。
これは完全に余談なのだが、劇場の付近に新しくパン屋さんが出来ており、そこで開店記念のキャンペーンがやっていた。『1000円以上お買い上げでメロンパンのラスクが付いてくる!』という広告につられた結果、当日~翌日の晩御飯まですべての食事メニューがメロンパンになった。美味しかったから良し◎
かつて、双子の片方を『神の子』として間引くという忌むべき風習が残っていた土地で、主人公の双子が散々な目にあうという話。個人的に凄い!と思ったのが、因習の設定がかなり練られていた事。
嫌なクレーマーみたいであまり公言はしないのだが、ホラー映画内に登場する逸話や伝承、因習は割と「いや、そうはならんだろ……」となる物が多い。下手に自身が学んでいる分野だから尚更その違和感が浮き彫りになって、映画を観ながら苦い顔をする事があるのだけれど、本作の伝承は『本当に存在したかもしれない!』と思わせるくらい由来や内容がしっかりとしていて館内で手を叩いて褒めたくなった。
それもそのはず、本作にはいわゆる『外部顧問』がいたのだ。EDの際、クレジットにオカルト専門誌の編集長や民俗学に一家言あるようなメンバーの名前を発見して、伝承のクオリティに納得がいった。
清水崇作品は驚かせるシーンは多数ある物の、痛そうな描写、残酷な描写にあまりリアリティが無いため、グロ耐性がそんなに無い人でも楽しめるのが魅力だと思う。(グロ耐性が全くない人はそもホラー映画を見るのに向いていないので我慢してくれ……)
結論、個人的には結構好きな内容だった。あとホラー映画で死にがちなお調子者の陽キャがシンプルに嫌な奴で笑ったりもした、彼の生死には敢えて言及しないようにする。
何気に初めて見た有名映画、Amazon Primeにて視聴。暴力の限りを尽くしていた不良グループのリーダーが警察に捕まり、二度と犯罪が出来ないようになるという『新治療法』の治験対象者になるという話。1971年公開の映画なので、今ではモザイクが掛かってしまうようなシーンも普通に描かれる、視聴の際は注意されたし。
上記のあらすじを見て、ピカレスク映画(ごろつきや悪党の活躍を描いた作品の事)なのかなァなんて思っていたのだけれど、実際は、悪党の人生譚というよりも、歪んだ権力構造を風刺している作品に見えた。
貧困、家庭崩壊、闇の権力者―― こういった、原作の執筆当時に蔓延っていた社会問題を過度に誇張したような表現が用いられていたように思う。
序盤で描かれていた不良グループの自由奔放さと、リーダーが捕まった後に明らかになる社会の管理主義的な状態が対比構造になっており、小さなグループの暴力が組織的な暴力に捻じ伏せられる様を描いているとも言える。不良グループの一部が、後に管理主義側の代表格である警察組織の一員となっているのも趣深い。
ただ、本作は対立構造だけの作品ではない、随所に音楽とダンスが交えられているのも特徴。この作品を表する人の中には、これはミュージカル映画だ、という人もいる程である。芸術と暴力、管理と奔放が同じ画面に同居している様は視聴者の心を打つだろう。
あと、やってる事がエグすぎて不良グループのリーダーがまだ学生だと判明した時にちょっと叫んだ。
世界一有名な大辞典『オックスフォード大辞典』の編纂に係る実話をモチーフとした作品。大辞典の編纂を命じられた叩き上げの博士・マレーと、狂人・マイナーの二人が主役の物語。Amazon Primeにて視聴。
本作の冒頭は、マイナーが勘違いで"ある男"を殺す事から始まる。それは一瞬の出来事で発生した勘違いなどではない。マイナーは男を自分の事を狙っている敵だと妄想し、逃げ惑う男を散々追い回した挙句に撃ち殺したのだ。
そう、彼は完膚なきまでに狂っていた、最早表で暮らすのが不可能なレベルで、だ。
精神疾患を理由に死刑を免れ、牢獄付きの病院送りとなったマイナー。彼は、ひょんなきっかけから大辞典の作成に行き詰っていたマレー博士を手伝う事となった。博士と狂人、牢獄を隔てた二つの世界で生きる彼らは、言葉の力を通して交わっていくのであった。
……個人的にめーーーちゃくちゃモヤモヤした映画、いや、テーマも雰囲気も好きだったのだけれど!だけれどもモヤモヤした!何故なら、狂人マイナーにロマンス展開があったからだ。いや、これは別に殺人犯に恋愛を許すな!とかそういう次元の話ではない。
ロマンスの相手が"マイナーが冒頭で殺した男の妻"だからモヤモヤしているのだ。
最初は夫を殺したマイナーを心から憎んでいた妻だったが、マイナーに賠償を請求する際に話をしたり、マイナーが謝罪の手紙を彼女に送ったり、そんな交流をしている内になんと彼女はマイナーに惚れてしまったのである。夫があまりにも浮かばれない。
妻がマイナーに惹かれていく描写を見る度に僕は「妻?おい妻?」「夫の仇なんだが?」「ストックホルムってるのか?」「妻ァーーーーーーッ!!」と発狂していた。
僕の心が狭いだけなのかな……。
2001年に公開されたニコール・キッドマン主演のゴシック・ホラー映画。恐怖シーンや残酷なシーンが少ないストーリー重視の作品、ホラーというよりサスペンス寄りかもしれない。作品の雰囲気的にはシックス・センスが近いと思う、多少のゴシックさを交えたシックス・センスとでも言おうか。Amazon Primeで視聴。
ふと、以前見た『おすすめホラー映画ランキング!』みたいな動画で1位にシックス・センスが来ていたのを見てモヤモヤした事を思い出した。確かに名作ではあるし、ジャンル的にホラー映画とされてもおかしくはないのだけれど……。
凄く感覚的な話なんだけれど、そのランキング、1位がシックス・センスで2位がリング、3位が残穢だったんだよね。これで2位がエルム街の悪夢、3位がチャイルド・プレイだったら多分このモヤモヤは無かったんだと思う。
例えるなら『パン屋さんの人気メニューランキング発表!3位が焼きそばパンで2位がチーズダッチ、栄えある1位は食パンでした!』みたいな。確かに汎用性の面ではそうなんだけど、その並びなら総菜パンが1位に来てほしくない?みたいな、そんな感覚。長文高速詠唱をしてしまった、続けよう。
1945年のイギリス、戦争に出た父の帰りを待つ母親と、娘二人、使用人3人が住む屋敷で奇妙な出来事が起こり始める。最初は変な音がするとか、妙な物を見たくらいだった怪奇現象は、日を追うごとに頻度も脅威も増していく。一体この屋敷では何が起こっているのか……。
所謂『伏線が見事過ぎて何を言ってもネタバレになるタイプの映画』なので、ストーリーに関してはこれ以上触れられない、だから前置きを長くしたところはある。
ただ、劇中で感じる違和感は全て結末に繋がっている。これだけは確かだ。
ゴシック・ホラーが好きな人は是非、耐性があまりない人でも楽しめるホラー映画かな?と個人的には思う。
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以上、今月も非常に楽しい映画体験が出来た。
来月も投稿予定、お楽しみに。