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理不尽なJO
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【リクエスト】青春狂想曲〜体育祭の光と闇〜・後編【早読ver】

skebリクエストの早読になります。 超能力(時間停)を持ってTS転生した少女(元ドルオタ)が、前世から推しだったJCアイドル・ヒーローを目指して突き進む南条光ちゃんにえっちな悪戯をする話です。 後編はTS少女・ミヤ視点がメインになります。 ──以下、本文──  時系列は開会式の後、ミヤが様子のおかしい光を追っていった時点まで遡る。 「光ちゃん、大丈夫?」  トイレの個室のドアを数回ノックして、ミヤはそう呼び掛けた。もちろん大丈夫な訳あるはずが無いのは重々承知の上で、だ。なぜなら── (わたしのプレゼント、気に入ってくれたかな?)  光を苛んでいる曰く、呪い──その原因、正体は他でもない、このミヤなのだから。  ミヤは自他共に認める、平凡な少女である。しかし、彼女は極めて特異な要素をふたつ持っていた。それは──  前世の記憶が有ること。  しかも、明確に認識しいてるその前世で彼女は、男性であった。そして、少女として今世を歩んでいる現在も、自身は精神的には完全に男としてのそれを持ち合わせているのだ。  自分が転生者として生まれ変われたのは僥倖だったの決定的に言えたのは、転校先のクラスメイトに南条光が居た事だった。光は前世での推しアイドル。モブとしての人生しか歩めなかった時代の励みであった、元気いっぱいで未来の夢に向かった真っ直ぐに突き進んでいる輝かしい偶像。そんなアイドルと同じ空間に居ることが出来る。  前世ではあり得ないような愉悦の日々に、ミヤはこっそりと裏で浮かべる笑みは──陰湿な粘着質なそれであった。無意識に出してしまう興奮の裏付けのような仄暗い表情を、何とか日常から隠して過ごすように努める。そう、現世においてもミヤの性癖はとつてもなく歪んだ男としての、それであったのだ。そして、もうひとつのミヤの特異性は──  超能力。転生者の特典なのかは判然しないが、思春期を迎えるにあたって気づいた超常現象能力があった。時間停止──なんて、理外と言えるその能力を、捻じ曲がった情欲を纏ったミヤが使わない筋合いなど無い。光への歪な劣情が毒牙となり、この体育祭で彼女へと襲いかかったのであった。  用意したのは、ゴムに細工してお尻への食い込みを徹底して強いるショーツ。その内側にはポケットが付いており、ローターを中に仕込むことで完全に食い込むと作動するようになっている。それを、時間停止を駆使し、光に穿かせ──同時にウエストにも細工する事で脱ぐ事も出来ないようにしている──念入りに弄ぶのだ。それは、精神的にも、肉体的も、光を追い込む所業。そんな陰湿で、手の込んだ行為が今のミヤの歪んだ愛情表現なのだ。 そして──計画は見事成功。光に今起きていることを呪いと刷り込ませる事も出来た。後は何食わぬ顔を装って、普段通り友人として接すればいい。  さて、ミヤの呼びかけに対し、 「うん、大丈夫。今行くっ」 と、光は精一杯繕ったトーンで返してくる。そんな健気な様ないじらしく、また、想定内で、ミヤは思わずはクスリと微笑んでしまう。個室から出てきた光を気遣ような素ぶりをしながら、 「ほら……もう少しで競技始まるから、急ごっ」  と言って、光の手を取った。一見、第一競技であるバレーボールが行なわれる体育館まで仲睦まじく向かうという、青春の一コマを演出する意図。しかし実態は片手を塞いで、ショーツの食い込み直しを阻害するという意地の悪さを孕んでいた。  道中、勢いを増した光がミヤを引っ張るように位置が変わったタイミングでミヤは仕掛ける。 「……で、お尻とか、パンツとか……どうだったの?」  にたぁ、と薄気味悪く口角が吊り上がるのをミヤは自覚した。前を行く光には表情は見られる事は無いと、いやらしく目尻まで下げてセクハラ気味に言葉を投げかけた。それに対し、光は瞬時に耳まで朱色を灯した。 「なっ、なんでもなかったよ! ちょっと下着が気になっただけで……っ」  少し間が空いてから光は言い淀みながらも返答。そう答えながら、ハーフパンツ越しにもぞもぞとお尻を撫でる仕草をする光。愛おしくも、情欲を煽るその指遣いにミヤは思わず生唾を飲み込んでしまう。 「ふーん」  そんな劣情で塗れた心とは裏腹に、気のない言葉で返すミヤ。転生生活で培った仮面を被り、光の恥態を一等席で愉しむことに集中していた。体育館までの道のり──特に階段なんて、かなりの難関にのるのをミヤは熟知していた。 「くっ!? んっ、んんん……っ!」  下着が食い込むのを避けられなかったのだろう、光が甘い刺激に苛む嬌声をあげる。 (も~……光ちゃんたらっ、可愛い声で鳴いてくれるんだからァ……)  そんな風に内心でほくそ笑むミヤ。光のショーツの中で暴れるローターが、幼い割れ目と、陰核までもを苛め抜いているのが手に取るように分かる。快感に翻弄される推しの姿の、なんて尊いことか。 (さらにいじめたくなっちゃうよね~……)  振動責めから逃れようと必死にショーツの具合を正そうとする光の姿が、あまりに嗜虐心を煽ってくる。 「光ちゃん、男子も居るんだからあまりそういうのしない方が……」  周りに光の行動をアピールするような目配せをしながら、ミヤはそう言った。我ながらなんてマッチポンプな言動なのかと笑ってしまいそうになる。勿論、この屈辱的で、扇情的な状況を最も愉悦に感じているのはミヤである。気丈なJCアイドルが、校内で必死に下着の食い込みと格闘している姿なんて、滅多に見られるものでは無い。その状況をもたらしているのが自分の画策によるという事実も、一層ミヤの背徳感と優越感を昂らせる。  食い込みギミックショーツとローター、そして言葉で光を嬲りに嬲る。その度に身体を震わせ、蕩けた表情を浮かべながら耐えて見せる光の健気さたるや。振動責めを受け続けた花芯は熱を持ち始めているだろう。既に淫猥な分泌液すらお漏らししてしまっているかもしれない。それはおいおい確認させてもらうとして、今はこの状況を愉しむ。よろける足取りでなんとか体育館に辿り着いたころには、光の消耗具合は相当なものと察することができる状態だった。しかし、 「あっ、来たーっ! 待ってたよ、光ちゃん!!」  と、クラスメイト達に声をかけられてしまえば、光は虚勢を張って微笑み返すほかないのだ。全てがミヤの計算、計画通りに進んでいる。  脚を震わせながらコートに入っていく光の、なんて健気で愛おしいことだろうか。自分がこんな恥辱を与えているというのに、それでも懸命にプレイに集中しようとする光の精神力には感服する他ない。他のクラスメイト達同様に応援の場に着いたミヤは、納得するように深々と頷く。そんな所作を取りながらも、下腹部では禍々しい欲情が渦巻いていた。  ハーフパンツの中で発動する食い込みに苛まれながら、バレーの試合を迎えないとならない光を、ほくそ笑みながらミヤは凝視する。  案の定、ヒカルはまともなプレーが出来ずにいた。ジャンプの踏み切りをしようと思えば下着は食い込み、それに伴った振動快楽責めが待ち受けるのだから当然の事だろう。陰部をローターに苛まれながらスポーツに興じるなど、まるで特殊性癖のAVの世界だ。それを現役アイドル、それもJCが演じているなんて、誰か想像足り得るだろうか。 (あ~、光ちゃんったら、可愛すぎっ!!)  歪んだと愛着心が、ミヤを恍惚の表情に導く。立ってるのもやっと、と言った様子の光は、何より股間で震えるローターを嫌がるのは当然。頻繁に下着を直すためお尻に指を這わせ、食い込みを正す仕草を繰り返す。もはや余裕が無い光は、自分のそんな動作をミヤだけでは無く、数人の男子達にも注視されている事なんて気にしてはいられないようだった。 「南条……さっきからお尻に指もぞもぞって……」 「アレ……パンツの食い込み直してんじゃね?」 「なんだよアイドルって言っても、デカ尻って訳かよ。エッロいなぁ」  聞き耳を立てるまでもなく、そんな男子達の光に対する下卑た言葉は届いてくる。性的搾取の視線は熱を帯びていき、食い込み直し頻繁にせざるを得ない光の姿を執拗に追いかけていく。そんな欲情を全身に浴びてなお、光はローターの一撃を受けて内股になりながら、腰が震えてしまう程の刺激に身悶える。その様もまた淫猥で、思春期の男子達のボルテージはヒートアップしていく一方だ。 (ふふっ……。あんなにえっちな光ちゃんを拝めるなんて、わたしに感謝してもらわないとね……)  男子達が低レベルのところで発情しているのを、ミヤは高見の見物と決め込んでいた。自分の思い描いた通りの推しの蹂躙を、下民が必死に貪ろうしている子は実に痛快でならない。 「光ちゃん、調子悪そうだけど、がんばってー!」  ミヤはコートの外から光へ励ましの声援を送る。仄暗い愉悦を抱きながら、しかし本心から光を応援するのだ。もっと、もっと──羞恥責めに喘いで欲しい、と。  あの凛々しく正義に向かって突き進む光が、雌として辱められている姿をもっと堪能したい。その為には足りないエッセンスを補う事も、勿論思考の上だ。 「もうっ、さっきから男子…… 光ちゃんを何かえっちな目で見てない? お尻ばっかり見ちゃって、デリカシー無さすぎ……ッ!」  わざとらしく光にも聞こえるように声を張った。瞬間、光の顔がさらに赤みを帯びた。 「あっ……あっ……」  動揺が隠せず、口をパクパク、とさせる光。動きは輪をかけてぎごちなくなっていき、注目されているという事で食い込み直しもままならない。健気な彼女はそれでも必死にエースとしての責務を果たそうとするが、二律背反もいいところ。快楽と羞恥に侵された肉体と精神では、最早反撃の余力も無かった。結局チームは惨敗。その原因がエースの大不調にある事は、誰の目にも明らかだった。光の気落ち具合は凄まじく、血色が失せてしまっていた。 「負け……た……っ」  さすがの勝負事へのプライドと言ったところか、今もなおローターの振動に股間を苛まれているかもしれないのに、光からは悔しさの念が色濃く滲みでていた。そんな呆然自失の光に、ミヤは気配を消しながらそっと近づいていき、 「ヨシヨシ、調子悪かったんだね? あまり落ち込まないでね」  と、光を最大限労わる言葉と共に、髪を優しく撫で付ける。この瞬間だけは、あるはずの無い母性が湧くのを感じてしまう。 「ミ、ミヤぁ~~っ」  光はそんな厚意を素直に受け止めたようで、まるで抱きついてくるような素振りすら見せた。弱々しくミヤの名前を呼ぶのが、さらに愛おしさが込み上がってくる。その衝動は、股間のローターを強く押し込みたくなる程で── (ぐへへぇ……っ、光ちゃんは、ほんっと可愛いなァ~……っ!!)  心中では完全に前世での性別としての欲情が、漏れ出してきている。まだまだその恥辱に塗れる尊い姿を愉しみ尽したい。その為には、下劣な感情にある程度蓋をしなくては。あまり調子に乗り過ぎて、計画は失敗、光との関係は破綻──なんて事は本末転倒、あってはならない。頭は冷ややかに、理性的に振る舞うのが今現在のミヤにとって一番の優先事項だ。  さて、次は男子の試合なので、光はクラスを応援する側の立場へと変わる。自分のせいで女子チームは負けた以上、尚更クラスを盛り立てなければと言うのが、彼女の思惑であろうか。ミヤはそんな風に考えながら、目尻を下げて光を観察し続けていた。  が、意外にも光はおとなしく、軽い声援をコートに送るだけに留めていた。やはり、身体を動かす事で強いられる下着の食い込み、及びローター責めがよっぽど堪えたのだろうか。しかし、体育会系男子に負けず劣らずの元気娘である光だ。段々と、そわそわうずうずと、落ち着きを失くしていく様をミヤは見逃していなかった。 (ふふっ、光ちゃん……ホントは目いっぱい全力で競技したかったんだもんね~? ほらチャンスだよっ、絶好のレシーブ上がって……)  コートでは、強烈なアタックが繰り出された。相手チームのレシーブの間をすり抜けるが──ボールはギリギリラインを割ってしまう。 「ああっ、お、惜しい……っ!!」  残念そうな顔で取った光のそのアクションは、少しだけ大きくなっている。ミヤはここぞとばかりに、肩がくっつくほど光に身を寄せた。 「ね~、惜しかったねぇ~。ほら、がんばれ~っ!!」  元気よく応援する傍ら、光の手を取って振り上げる。要は──体育祭の雰囲気に当てられてガラにも無くはしゃいだ演技をミヤは見せているのだ。それに同調するように、光も身振りを大きくして、 「そ、そうだっ! がんばれ~っ!!」  声の調子を張り上げていた。が、それは無論ミヤの策略のうち。ラリーに次ぐラリーから、綺麗にアタックが決まった時には、光は飛び跳ねて喜びを露わにする。が、その跳躍はショーツの食い込みの原因になってしまうのは言うまでも無い。ローターを起動させてしまい、光は瞬時に苦悶の表情を浮かべる。断続的に揺さぶられ続けた股間がどんな具合に出来上がってしまっている事か、ミヤからすれば舌舐めずりでその光景を眺めていたい程であった。が、ミヤは動く。 「ねっ、やったね!! よーっし、もう一点だっ!!」  ミヤは激励をコートに投げかけながら、光の両手を取る。応援中の女子同士であれば、わりかし自然と言えよう行動だ。しかしローターに苛まされている光にとっては死活問題。食い込みが直せなければ、割れ目を、クリトリスを、振動によって虐め抜かれてしまうのだろう。 「くっ……んっ、うう……っ」  唇を結んで漏れ出す声を押し殺しながら、光は小さく身悶える。ミヤの眼前すぐそばにあるその表情は必死に快楽と恥辱に抗う可憐な女の子そのものであった。 (やっ……光ちゃん、かわいいっ……)  このまま手を拘束して、股ぐらに膝でも捩じ込んであげれば、光はローターアクメまで果たしてしまうかもしれない。そんな破滅的で、破廉恥な妄想が頭をもたげる。しかし、自分の劣情との折り合いは、色濃くしとかなくてはならない一線だ。 「ごっ、ごめん光ちゃん! 体調良くないのに、わたし調子乗って……。汗も凄いし、休んでてねっ」  言った後、ミヤは光の手を離す。 「うっ、うん……」  力無く返事をした光は、その場に座り込んでしまうのだった。ミヤは自身の中で荒ぶる嗜虐心に突き動かされそうになりながら、呟いた。 「ごめんねぇ……」  それは、光には届かない微かな声量だった。さて、もちろんミヤは横目で光の状況を伺い続ける。光がショーツの食い込みを直そうとすれば、何かと理由をつけてそれを妨害してやろうと目論んでいた。が、意外にも光は体育座りのまま大人しくしていた。その様は顔を赤らめ、羞恥の表情に溢れており、ふとももをモジモジとすり合わせている。肩を震わせる頻度が上がり、唇が緩むのを懸命に堪えている。もはや情欲に耐える余裕を失くしてしまったようで、時折熱い吐息が口から漏れ出してしまうほどだった。 (くふふっ……光ちゃん、ついにローターの刺激に屈服し始めちゃったのかなぁ~?)  ミヤの心中で、愉悦がみるみると溢れて行く。アイドルとして、健気で強い意志を持った光が、しかし快楽から逃れられなくて悶え、受け入れてしまう。その全容を理解しているのは、世界で自分ただ一人と言う充実感を、今味わっている。  もう少しだけこの悦びに浸り続けさせてもらおうじゃないか──そう考えるのは必然だった。ミヤは体育座りの光の隣に座り直し、膝を抱えながら囁いた。 「ね? ホントにだいじょうぶ? なんか……その……シミ……出来て、ない……?」  そう、光の股間から漏れ出した蜜液は最早ショーツでは受け止めきれない程に量を増していたのだ。本人が気づかなかった淫らな官能の証左を、ミヤは仄めかす。 「えっ!? いや……こっ、これはその……っ!」  光はひどく狼狽する。自分の下半身で起こっている異常事態の指摘に、一気に顔が真っ赤に染まっていく。手をバタバタと振り回し、まるで何か言い訳を探すかのような素振りを見せるが、それはミヤにとっては滑稽な姿である。 (……すごい慌てて……可愛いなぁ~!! お漏らししちゃったとか思ってるかなっ? それとも、それがおま●こ気持ち良くなった証って気づいちゃったかなっ?)  光の股間にじんわり滲み出る甘露。堪らず身体をモジつかせながら食い込み直しだすその反応は当然と言えよう。しかしミヤの追い討ちが、光に更なる羞恥を課す。 「もうっ、光ちゃん……またあからさまにお尻弄って……。男子達からエロい目で見られちゃうよ?」  この言葉に光は目を白黒させ、どうしたら良いのかわからないといった様子に陥った。あの気丈な南条光が、目尻に涙すら溜めそうな程弱り窮している。 (さすがに虐め過ぎかちゃったかな? でも……光ちゃんが可愛過ぎるから、つい……ね?)  ゾクゾクと背筋に愉悦を這わせながら、ミヤは心中で舌を小さく出した。潮時を読むのも計画の進行には欠かせない。頭の隅ではどうフォローするかを思案している。 「あっ、もしかして……お水こぼしちゃった? 今日の光ちゃん、ホント調子悪いから……」  と、ミヤは助け舟を示す。光はわかりやすく顔を明るくさせ、安堵に包まれた事を大いに表現した。 「そっ、そう! 水! 水こぼしちゃっ、たからっ!! ねー、よりにもよってこんなヘンな所に水、こぼすなんてさっ!!」  早口でまくし立てる光。よほど気が気でなかったのだろう。ミヤの掌の上で転がされているとも知らずに、必死になっている様子がミヤを益々昂らせる。マッチポンプ的な悦楽のループに、ミヤは堪らずほくそ笑むのを隠せないでいた。  その後も競技自体は順調に進行していったが、光はどうしても足を引っ張る頻度が増してしまい、クラス自体の総得点も芳しくないものになってしまう。男子が勝ち星を稼いでくれるため、光はなるたけ応援に尽力する。が、それだけでも身体をビクビク震わせてしまう事になってしまう理由は、ミヤにしか知る由はない。  そんな状況でも時は過ぎていく。体育祭は大詰めを迎え、ラストを飾るのは男女混合のリレー競技だった。単純な走力で言えば、光は男子陸上部に勝るとも劣らなかったので、アンカーは光が務める事になっていた。しかし、それは勿論光が本調子であればの話だ。今の光に、並み居る体育会系部活のエース達と対等に走り合えるか──という点に関して、否である事は明白である。   しかし、本人的にそれは認めたくない事実のようだった。張り切った様子で準備運動に励む光だが、脚の屈伸などはやはり簡単に食い込みショーツの餌食となってしまう動きだ。 「うっ、うぐ……っ」  少しは慣れてきたかも──なんて想いもあったが、そこら辺は初心なJCの秘恥部だ。振動による甘い刺激に、なおも素直すぎる反応を示してしまう光であった。生まれたての子鹿、なんて表現され尽くされた言葉であるが、まさしく光の状態はそれに等しかった。ガクガクと内股が震え、走るどころの話では無さそうに見えてしまう。そんな様子に見かねた男子の一人が、 「おい……調子悪いなら、代わるぞ」  と、声を掛ける。クラスメイトとして気遣っての心からの配慮であろう。その言葉に光の眉尻が一瞬下がる。が、すぐに瞳に意思を宿し、唇を引き締めた。かと思うと…… ──パァンッ!  光は自分の両頬を挟み込むように張った。 「いや、大丈夫! ……私ならやれる! ありがとう!!」  その言葉は自らに言い聞かせるようでもあった。実際、言霊に乗せることでの暗示といった側面もあったかもしれない。 「うおぉぉぉーっ! ヒーローは必ず勝つんだぁッ!!」  拳を突き上げるようなポーズを決め、雄叫びを響かせる光。その漲った気合いは、ミヤからしても理外であった。 (あっ、光ちゃんは、やっぱりただの、光ちゃんだ……)  そう確信させるに足るほど、光はいつもの眩い輝きを放っていたのだった。ミヤはひとつ深い呼吸をした。仄暗く澱んだ霧が、空から強く照らされた事で少しづつ晴れていく感覚があった。 「光ちゃん……頑張って……」  ミヤは呟く。それは誰に聞かれる訳でもないものだったはずだが、不思議とそれに呼応したように光がこちらへ振り向いた。その表情は満面な笑みで、ミヤは吸い込まれるように魅入ってしまう。無敵のヒーローアイドルがそこには居たのだ。そして、ミヤはポケットに手を入れた。ほとんど無意識に取ったその行動は、この物語をハッピーエンドで終らせるためのものだった。  光はひたすら耐えていた。これ以上の失態を晒さないため、自分に発破をかけ、屈強で気高いヒーロー然とした精神を奮い立たせた。名誉挽回、汚名返上。光にとってこの最終競技での活躍は、自身の尊厳を賭したものに他ならなかった。これほどの逆境の中輝ける事が出来たのなら、光が真のヒーローアイドルたる証左となるだろう、と。  競技では、クラスは中々に好調。常に上位をキープしていて、終盤に差し掛かっても二位争いをしている状況だった。クラスメイトの声援も勢いを増して、グラウンドは興奮の坩堝だった。そんな中、光は深呼吸して気持ちを落ち着かせる。 (だいじょうぶ、わたしはやれる……やれるんだ……ッ!)  そうやって自分を鼓舞しながら集中力を高めていこうとする。光のチームのアンカー前の走者は、壮絶な二位争いを繰り広げている。正にクラスの命運はアンカーの走りに託された様相を呈している。もちろん光は、バトンを手にしたと同時に爆発的なスタートを見せて一位の座まで邁進してくてはならない。そのために足首を慣らし、身体をほぐすという動きは必要不可欠なものだ。しかし…… ──ギュウウウッ!  下着はそれに反応して容赦なく食い込んでくる。そして、股間への振動責めが光を襲う。 「うっ、うぁ……っ!」  思わず悶えてしまう光だが、奥歯を強く噛み締めて、自分を苛む感覚が過ぎ去るのを待つ。それでも光を刺激する振動は、脳すら揺さぶろうとしてくる程に容赦がない。蜜液が陰部から染み出すしていく体感も、もはや目を逸らせないものになっている。 (そ……それでも、わたしは……ッ。ヒーローは……ッ!)  胸の鼓動が激しくなり、頬が熱を帯びるのを感じる。皆の視線が集まっているこの時に、ショーツを直すようなあからさまな指遣いなど、晒せるはずがない。しかし、逆境から逃げ出そうという考えなど光は抱いてるはずが無かった。自分の信念に反するような真似は絶対にしない。光の眼には強い光が宿っていた。  前の走者の男子が迫ってくる。その速度を測りながら、光は地面を蹴ろうとする。卑劣なローターがもたらす快感を振り払わんとするかのように、全身に力を巡らせようとした──  その時だ。 (き、消えた……?)  股間を責めたてる、あの忌まわしい感覚が消えたのだ。突然に生まれた空白によって、光は一瞬身体が浮いたような錯覚を感じる。 (まずい、少し、遅れた……ッ)  だが、身体は自由を取り戻している。光はバトンを受け取り、即座に前を行くトップの走者に視線を向けた。そこには太陽が降り注ぐ、眩しくも燦然とした光景が広がっている。身体が軽い。クラスメイト達の声が背中を押してくれる。二位争いを競っていた走者を一瞬で追い抜き、光が目指すのは一位の座、それのみだ。 「がんばれっ! ヒーローーっ!!」  ミヤの声だ。光の勝利を誰よりも信じて疑わない、友人の力強い声援。眉間にギュッ、と力が入った。光の周りを流れる風が一段と勢いを増したような幻覚を感じていた。それ程に四肢の可動に滞りは無く、理想的でもあった。腕が、腰が、脚がしなる。その疾走は優雅であり一直線。美しいフォームでグラウンドを蹴る光の勇姿に、観衆の喝采が湧き上がる。その様は、まさに本物のヒーロー。   前方の走者の背中がどんどん迫ってくる。しかし、ゴールテープもそれと同時に近づいてくる。だが、今の光に負ける気など微塵もしなかった。グラウンドを蹴る足が、ひとつひとつ力強い律動を肉体に刻み込む。それは推進力に昇華され、光の肉体を風と一体化させていく。 そして、その瞬間は訪れた。  ゴール直前で光は一位走者と肩を並べ、そして──抜き去ったのだ。白熱した空間に、一際大きな歓声が響き渡った。後ろの走者は項垂れて悔しがっている。 (か、勝った……ッ!)  光はその実感に身を浸らせた後、拳を空に向かって突き上げた。歓声はさらに湧き上がり、その中からクラスメイト達が飛び込んでくる。最終リレーの勝利により、光のクラスは逆転で総合優勝をもぎ取ったのだ。喜びに浸るクラスメイト達の中心で、光は心の底からの充足感を抱き、だが思考の端では自分に起きていた不可思議で淫猥な事項も思い返していた。あれは一体何だったのか、と。  閉会式を終えた後、光はとあるトイレの個室に赴いていた。ミヤはそれを彼女に気づかれないように追跡していた。光はそこで虚空に向かって話しだす。 「何で……最後呪いを解いたの?」  どうや光は呪いの主と会話をしようと試みているらしかった。ミヤは笑みを浮かべた。とても光らしい行動だと思ったからだ。ミヤは時間停止の能力を使った後、メモにペンを走らせた。そしてメモを個室に投函すると、能力を解除する。 『私は呪いを解いていません』  事実である。そもそも呪いなんて存在しない。 『呪いに屈せず全力で立ち向かうあなたの心に呪いが負けただけです』  いや、ミヤが時間停止をして光のショーツを正常なものに替えたのだ。 『今回は私の負けです』  ここからは、ミヤの心情通りだ。 『でも、いつか、必ずあなたを屈服させて見せます』  そう──いつか。 『では、その日までさようなら』  そんな内容のメモのひとつひとつを光が全てを目を通したのを確認した後、ミヤはまた能力を使いメモを回収する。光にとってはメモが一瞬で消えていくという奇怪な現象が継続中だろう。 「わたしは……絶対、お前なんかに負けないぞッ!!」  光の魂の籠った声が、個室内に、トイレに、響き轟いた。 (やっぱり光ちゃんはカッコいいなぁ……)  当然ミヤの耳に届いたその宣言は、心の中にも強く反響した。 (わたしも、負けてられないからね〜〜っ)  頭をもたげたのは、そんな整然とした少女を──更に、汚すこと。背筋にゾクゾクと嗜虐的な刺激が走るのを感じた。口元が怪しい歪みを見せ、舌なめずりをしてしまう。羞恥と快感の狭間で悶える光の姿を考えると、鼓動が高鳴りが収まらない。ミヤは深呼吸して、何とか理性を 正す。そして、 「光ちゃーん? 居るのー?」  と声かけしながら、個室をノックする。すると、すぐに扉は開かれ光が顔を出した。 「クラス皆で優勝パーティするって! お菓子とジュースもいっぱい買ってるって!!」  ミヤは笑顔で光に手招きをする。 「うんっ、行こう!」  光は目一杯のアイドルスマイルでミヤの手を取ってくれた。

【リクエスト】青春狂想曲〜体育祭の光と闇〜・後編【早読ver】

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