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森羅摂津(マヨコーン)
森羅摂津(マヨコーン)

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酒呑童子(キャスター)

その日ぼくは町外れの丘で一人散歩に来ていた。 突き抜けるような晴天。爽やかな風。そして目の前には巨大な鬼。 あまりにも風景に似つかわしくないそれは、突然にぼくの目の前に現れた。 その掌は子供ならまるごと握りこんでつぶせるほどに大きく。その躰は大人を二人縦に並べたほどに大きい。 鬼はぼくを認識すると、ぼくが5歩をかけて移動するだろう距離をたった1歩の歩幅で埋めながら近づいてくる。 ぼくの脚は恐怖に震え、その場に座り込んで動こうとしない。やがて鬼の巨大な影が僕を包み込み、その巨大な掌を僕を握りつぶすために突き出してきた。 もうだめだ。そう思った時、鬼がその大きな歩幅で数歩後ろに下がっていた。 「えらい待たせてしもたなぁ」 声のする方に顔を向けると、自分のすぐ横に女の子が立っていた。 ぼくと同じくらいの女の子。ちょっとえっちな格好をしていて、大きな棍棒ともっと大きな瓢箪を持っていて、何よりその頭には2つの角が生えていた。 すごくかわいい女の子の鬼だった。 「坊、もう大丈夫や。」 そう言いながらぼくの頭を軽く撫でると、まるで散歩にでも行くように巨大な鬼の方へと歩いていく。 「そんな心配そうな顔せんでもええよ、うちにぜーんぶ任せて、坊は先にお家帰ってのんびりしとき」 『だ、大丈夫なの?』 ぼくの問いかけに彼女は少し怖いくらいの笑顔をしながら答える 「大丈夫やて言うとるやろ。あんまりしつこいとうちが食べてしまうで?」 ゾクッとした。怖いのに、その顔が、その声があんまりにも綺麗だったから。 ぼくはその美しい声と姿をした、おそろしい鬼を信じて、大急ぎで街の方へと走り出した。 走るぼくの背中の方から、彼女の自信に満ちた声が聞こえた。 「護法少女、鬼の扱いは専門分野や」

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