「うぐっ…⁉︎ くぅぅ…うううぅぅ……」
ようやく意識が汚泥のような暗黒から覚醒するのと同時、全身に苦痛が満ちセーラーツクヨは細く苦鳴を漏らした。
あの女妖術師の配下である下級妖魔兵と触手群による果てのない拷問と凌辱によって、下半身は熱い鉛を血管に流し込まれたように股間部を中心にジンジンとした鈍痛に包まれ思うように動かすことも叶わない。
変身ブローチの中核たるクリスタルは半ば砕かれ輝きも濁りきっている。
聖魔力の防御を喪い単なる強化繊維に等しい戦闘スーツ、セーラードレスもいたるところが引き裂かれ妖魔と触手の体液粘液がへばり付きシミとなって異臭を放っている。
もっとも強靭性の高いはずのブーツですら怪しげな細菌に汚染され、どす黒いシミが純白の表面に広がっている。
その中は妖魔達の体液のみならず自らの愛蜜、強制失禁によって流れ落ちた小水でグチョグチョとした不快感に満ち、ツクヨの心を打ちのめしてくる。
変身時の美しいプラチナブロンドもすっかり元の黒髪に戻り、それすらも下級妖魔達のスペルマによって汚され固まり、胸の悪くなるような生臭い臭気が漂い鼻孔を刺してくる。
「くっ…ンンッ!」
全身の苦痛を堪えようやく身を起こしたツクヨの周囲に広がるのは分厚い壁に囲まれた牢獄の光景が、高い天井に存在する鉄格子の嵌った小さな天窓から注ぐ僅かな星明りによって浮かび上がった。
その壁の一角に繋がれた太く頑丈な鋼鉄鎖と首枷の重量が更にツクヨへの負担を強いてくる。
「ンッ………!!?」
ズシリとした首枷の重量に再度呻きをあげかけたツクヨの視界に入ったのは無造作に冷たい石床に転がされた二つの物体。
「こ、これ…はっ⁉︎」
見覚えのあるシルエットに首と同様、頑丈な鎖で繋がれた手枷の嵌る両手を伸ばしそれを手にしたツクヨの唇が悔しげに噛まれる。
それは彼女の大切な仲間たち…セーラールナとセーラーアルテミスの変身ブローチだった。
ツクヨのブローチ以上に酷く破壊され宝珠の輝きも失せ完全に機能を停止している残骸に等しい二つのブローチは、ツクヨに仲間たちの運命を暗示させるために置き捨てられたのだろう…
おそらくあの二人もこの魔塞で苛烈な凌辱と蹂躙を受けているに違いない。
その悪意に満ちた思惑を感じ取り、ツクヨに新たな絶望が襲いかかる。
ーーーーー悔しい… もうこのまま私達の負けなの? もうあの悪魔達のいいなりになるしかないの…⁉︎
砕けひび割れ、完全に輝きを喪った二つのクリスタルを握りしめ悲嘆に暮れるツクヨ。
ーーーーーでも諦めない…絶対諦めたりなんか…しないっっ‼︎
それは虚しい空元気、無駄な抵抗に過ぎないのかもしれないとは自分でもわかっている。
もはや一片の逆転のチャンスも存在しないのかもしれない。
だが開け放たれた災いの詰まったパンドラの箱の中に最後に残された希望を信じたい、それを自ら捨て去ることはしないと悲痛な覚悟を固めるツクヨ。
その時、頭上の天窓の遥か上空ではぶ厚い雲のベールが切れ満月がその姿を現していた。
「え…⁉︎ こ…これは…何っ…何が⁉︎」
天空から注ぐ月光、その神々しい輝きを浴びた仲間のブローチが突如輝きを取り戻し、共鳴しあうように眩しいほどの光の渦を生み出すと奔流と化して自らの傷ついたブローチクリスタルへと流れ込んでくる。
こんな現象は今まで経験したことがなく、ツクヨ自身も呆然とそれを見つめるしかなかった。
「!!?!!」
ハッと我に返ったツクヨの全身もまた光の渦に包まれ、そして悪魔達の毒牙で穢され引き裂かれたセーラードレスが再び純白の輝きを取り戻してゆく。
汚れた黒髪は再びシミひとつないプラチナブロンドの輝きを取り戻し、染み付いた汚れ同様に彼女を拘束している鎖も枷も光の渦の中でボロボロと灰のように溶け崩れ消滅してゆく。
更にドレスは元の姿を取り戻すのみならず、明らかに新たな変貌を遂げつつあった。
全身に力が満ち、過酷な苦痛も意に沿わない淫靡な疼きも嘘のように消え去ってゆく。
「これは…奇跡…なの…?」
それは試練を乗り越えたセーラーツクヨの新たな覚醒だった。
#フキダシ・擬音なしver
Skeb にてご依頼頂いたredstoneさんのオリジナルヒロインチーム『セーラーナイツ』の一人セーラーツクヨちゃんです。
今回は新コスチュームのお披露目です( ^ω^ )
やはり基本がピンチ&R18な世界観でもヒロインサイドがやられっぱなしでは盛り上がりに欠けると思うので、こういう展開は好みですね。