「そう? でも生憎とこんな穴ぐらに長居する気は無いのっ!」
地下階段に響く嘲笑に惑わされず、スーパーガールは絡み蠢めく触手群を引き千切って屋外に一旦退避すべく両脚に力を込める。
いちいち引き剥がすより手間がかからない。
『悪い子ねぇスーパーガール? ルールは守ってもらわないと。ふふっ』
その言葉と同時、天井方向から数度のフラッシュ光が明滅しながら焚かれ、暗闇にスーパーガールの美肢体を浮かび上がらせた。
「なっ…く…ううぅぅぅ!!? こ…このコケはっ‼︎? うううっ⁉︎」
突然身体をヒリつかせるようなクリプトナイトの放射線の刺激が何倍にも、それも上下左右全方位から強まりスーパーガールの全身から、穴が穿たれたタンクの水のように猛烈な勢いで力が抜けてゆく。
激しい動悸と脳内でドラムが連打されるような衝撃波が駆け巡る。
「かっ…ハッ…あぁ…⁉︎」
ふらつき霞む視界全体がギラつくエメラルド色に染まっていた。
それは疑うべくもないクリプトナイトの燐光。
石段と石壁にびっしりと張り付くコケが一斉に毒の輝きを放ち始めたのだ。
『うふふ… どうかしらペナルティは? ヒカリゴケの一種をいじって作ってみたのだけれど、効果は十分といったところね』
「かっ…かはっ‼︎ ああっ…ぁぁ こっ、こんなものに負けるわたしじゃ…な、ないわっ⁉︎」
未だ姿を表すことのない声の主に抵抗の意思を示すスーパーガールだったが、先刻のフラッシュ光が活性トリガーだったらしい妖コケの群体はその輝きを刻々と強め、クリプトナイトの放射線を帯びた胞子すら飛ばし始める。
「ん……ぐウゥゥっ……あぐっ……かはっあっっ⁉︎」
つい先刻までさしたる圧迫とは感じなかった両脚に巻きつく触手の力も数段増したように感じ、すらりとした双美脚の骨を軋ませてくる。
『ほらほらどうしたの子猫ちゃん、早くしないと出られなくなってしまうわよ?』
階段上の落とし戸式クリプトナイト格子は殆ど床に落ちかけている。
今の自分にあの格子を突破する力は無いと判断せざるをえないスーパーガールの心で焦燥が急激に水位を上げてゆく。
ギギギギッ…ガシャアァァンンッッ‼︎
だが、そんな彼女の焦燥を無視し妖緑の鉄柵は無慈悲に外界への出口を封鎖した。
「くっ…うぅぅ⁉︎」
『ほら一方通行で出られないでしょう? じゃあルールを守らない悪い子へのオシオキを続けましょうかホホホッ!』
打開策を見出せず悔しげに唇を噛むスーパーガールの耳朶を悪意に満ちた嘲笑が震わせる。
「んはっ……んぐっ……んンんっ…ケホッケホッ………うんっ⁉︎」
嘲笑の背後に混じった異音、彼女の鋭敏な聴覚は足元から地下深くへ伸びる石段の闇の中から迫る新たな脅威の気配を感じとった。
「んやぁっ……あ…あんっ……ああんっ…や、やめぇ…あはあっ……やめッなさっっ⁉︎」
双脚を拘束したままの触手の亜種と思しき外観の新たな触手。
その群体は溶解性の粘液を吐き散らしつつ彼女の全身に絡みつき、クリプトナイトの放射線で肉体同様に弱体化しているコスチュームをジワジワと溶かし、引き裂いてくる。
『うふふ…思った通り綺麗なおっぱいねぇ? 大きさも張りも申し分なさそう… じっくり可愛がってあげるのが楽しみだわ♪』
「うくぅ…⁉︎ だ、誰がお前の思い通りになんかっ…! あはぁっっふンン〜〜〜〜ッッっ!?!む、胸がアアッッ———ッッ!!!」
澱んだ地下道の空気と何処からか注がれているだろう姿無き敵の視線にまろび出た左右の美乳を晒してしまうスーパーガール。
ヌメつきピリつく酸性溶解液に覆われた触手の気味の悪い感触に胸を弄ばれ、更に濃度を増した妖緑燐光と胞子が舞う閉鎖空間に苦鳴が反響を続ける。
「くっ!ああぁ、ぁぁ、はくぅう〜〜〜⁉︎ はぐぁうううぅぅうぅーーーーーッッっ!!?」
灼熱した鉄杭がねじ込まれたような衝撃が下腹部から全身を貫いた。
群の中でも特に太い触手…もはや触腕と表現した方が正しいような一本が強引に秘貝を割り開き、膣内に侵入してきたのだ。
イボだらけの触腕がウネり蠢動する都度肉襞が撹拌され、異様な感覚が全身を駆け巡ってくる。
『あらら…もう下のおクチに入り込まれちゃったの〜〜? 困ったわねぇ… それじゃそう長く頑張れないんじゃないかしら?』
「うッッ⁉︎ ンくううッッ……かはっ……うぐっ! うぐぅぅぅ〜〜ッッ!?!」
『私もそうヒマじゃなくてね、今夜は外出しなくてはいけないの? アポ無しの貴女には戻るまでそこでおとなしくしていてもらいたかったのだけれどねえ…うふふ!』
何処からか注がれる粘着質な視線を伴う嘲笑が、毒燐光に包まれ醜い触腕に最も神聖な部分を蹂躙され苦悶の表情を浮かべ暴虐に耐えるスーパーガールに降り注ぐ。
『 戻ったらたっぷり可愛がってあげるわ。貴女専用のスペシャルルームも用意してあるし当分滞在して頂くのだからね… フフッ!とりあえず今夜はクリプトナイト漬けになりながらそいつらと戯れていなさいな子ネコちゃん?』
「あふぇあッ…… ああああああアアッッッ〜〜〜〜ッッッ!!!」
『そうそう言い忘れていたけれど、その階段の先は上と同じドアで閉めてあるから勝手に入っちゃダメよぉ? ま、今の貴女にはどうしようもないでしょうけれど、何があるのかは戻った後でゆっくり教えてあげるわ♪』
「くはっ⁉︎ ま、待てっ 待ちなさっ……‼︎ ああんッッ‼︎ はあう〜ッッ!!?」
姿は見えずとも重苦しく肌にのしかかかっていた声の主の気配がフッと地下道から消え、残されたのは毒燐光と醜悪な触手群に弄ばれるスーパーガールのみ。
この夜以降スーパーガールの消息は途絶え、更には同様のスーパーヒロイン失踪事件が続発する事態が発生するのだった。
FIN