籠もった空気の中、奇妙な動きと明滅を繰り返す照明が視神経を通じ後背部からの灼けるような痛みに耐える身体に更なる負担を強いてくる。
ーーーーまったく…私としたことがドジ踏んだものね… あの娘達大丈夫だったかしら……
私が戻らなくても、後は上手くやってよねレヴィーナ……
大挙として出現した新型イレギュラー…一般的に妖魔とも呼ばれる異界からの侵入者との戦闘の最中、自分たちの次を担うだろう若手の代表格と目されながらも、どうにも日頃から相性の悪いレフィアとシモンがつまらない確執から連携を欠き、揃って触手に簀巻きにされたあげくイレギュラー群を率いていた謎の女性型妖魔の放った攻撃に絶体絶命の危機に陥ったところを何とか助けたのだが、その代償として自分は背中をハリネズミにされて拉致され、このいずこに在るともしれぬ魔塞の奥深くに監禁されている。
これを薬に少しはあの二人仲良くしてくれればいいけれど、などと意識と判断力を保つためにも続けていた思考が何者かの気配を感じ取り中断される。
ーーーー本当に…上手くやってよ零奈!!
少々頑固者だが、かけがえのないパートナーであり親友の秀麗な容貌を脳裏に浮かべながら邪笑としか表現できない笑みを頭上から向けてくる相手に向け抵抗の意思を強く秘めた視線を向けた。
この特徴的で淫らな魔力波動には覚えがある、この女はサキュバス… それも今まで出会ったことはおろか、ガイア・シールズのデータにも存在しないような高レベルのまさに淫魔女王、サキュバスクィーンと呼ぶべき存在だろうことを肌で確信し、6本もの魔毒矢が突き立ったままのレイラの背筋に毒矢の激痛を忘れさせるほどの冷たいものが走る。
しかもあからさまに偽名と思しきダークネビュラなる名を自称するこの女からは単なる淫魔とは異質の…恐ろしいほどの高い知性と別系統の『力』それも複数の存在を秘めているように感じてならない。
間違いないのは、この女が過去のいかなる異次元・異世界からの歓迎されざる訪問者、イレギュラーよりも危険な芳香を覚えるということだ。
白々しい台詞を貼り付けた毒々しい嘲笑を垂れ流し続けるネビュラの姿が不意にかき消え、レイラとネビュラを隔てる空間に何かが出現した。
それは巨大な鏡と一瞬錯覚したが僅かなゆらぎとノイズ、瞬時に明瞭さを増したことから中空に投影されたホログラフィの一種なことがわかった。
だが、そんなことはレイラにとってどうでもいい。
中空に現れたその立体鏡面には為す術もなく四肢をX字型に鉄鎖で繋がれ、しかも手足の鎖は前後にズレた位置から伸び後方に尻を突き出すような姿勢で拘束されるもうひとりのナイトレイラが居た。
更にその姿勢を保たなければ手足首と同様に頑丈な首枷が喉を締め上げるように、背後の壁の巧妙な位置から伸びた鉄鎖が繋がれている。
その不様な己の姿はレイラの矜持を強く傷つけ、ギリリと奥歯が鳴る。
そしてそれ以上にレイラの矜持を傷つけるものが無防備に突き出された尻部分に張り付き蠢く一体の下級妖獣だ。
映し出されたホログラムでもその姿は窺えないが、ヒトデかタコのような軟体生物らしいそれは事もあろうにレイラのアナル内部に触覚のような器官を押し込み、直腸内をまさぐり続けているのだ。
常ならば瞬時に愛刀ブリッツヴォルフで斬り捨てているだろう雑魚に己の不浄の孔をいいように蹂躙されている状況は、全身の血液が沸騰するほどの怒りと屈辱とを誇り高い聖雷の騎士に与え続けている。
生き物のように空中を蠢きながら奇怪な文様の入った細い帯状の黒布が頭部に絡みつき
強烈に締め上げられる感覚と同時、瞬時にレイラの視界は妖布に塞がれる。
だが塞がれた視界を支配するのは単なる暗黒ではなく、不可解な明滅を繰り返しながら寄せては戻し、戻しては寄せる奇妙で強圧的な妖光の乱舞。
ーーーーな…なにっ…⁉︎ これはっ… 私の頭の中…心の中をまさぐられるようなっ…不快な…波動はッッ⁉︎
そしてその妖輝の波はレイラの…麗の心と精神の奥底に向けて侵食し、えぐり出そうとするような感覚が渦巻く。
ーーーーやめろっ… 入ってくるなっっ!!
その不快極まる波動の侵入にレイラは必死に抗い続ける。
今も自分の背面に突き立ち魔毒を流し込んでくる鉱物製らしいフレシェットに自分たちの纏う戦闘服…フェアリッシュドレスを貫かれた衝撃は表情にこそ出していないが、チーム全体への重大な脅威だと認識していた。強い聖霊力を帯びたドレスは過去に胸部プロテクターは無論のことマントすらさしたるダメージを受けたことはない。
だが、この魔女が繰り出してきた魔弓とその矢は薄紙を貫くようにしてそれを成した。
そしてその矢…フレシェットから注ぎ込まれる魔毒も相当の威力だ。
常人ならば掠っただけで即死、ガイアシールズのファイターの多くにもあの貫通力だけでも充分な脅威となるだろう。
別生物に近いほどに細胞が強化変貌した肉体と、更にドレスの対魔防御力と浄化能力に助けられている自分だから致命傷になっていないようなものだ。
そして、ドレスの構成パーツでも最も強靭なブレストプロテクターがあたかも加水分解したゴム製品のようにベトベトに蕩け落ち、石床に滴り落ちてグズグズの塊と化してゆく。
あり得ない光景に張りの有る双美乳を露出させられた恥辱を遥かに上回る衝撃が対魔戦闘員たるファイター数百名を擁し、世界的規模の対魔連合組織ガイアシールズの中でも主力の一つとして数えられるフェアリッシュナイツのナンバー2たるレイラの心を打ちのめしつつあった。
そんな自失気味のレイラの表情を楽しむように濃いルージュの唇を歪めた魔女は、とある己の仮説のひとつの確証に満足げな表情を浮かべた。
そして更なる悪辣な意図にも思考を巡らせ邪笑を強める。
ーーーーー次は貴女のもう一つの姿見せてもらうわよナイトレイラ? いえ……フフフッ!
To be continued
フキダシ・擬音類無し版
#あとがき
断片的なショートストーリーネタや突発的に思いついた設定、一枚絵等の分類しづらいネタを今回から『エクスペリメントファイル(実験ファイル=Experiment file)シリーズ』として統一しました。
一次二次を問わず「いきなり最終回」みたいなノリになるかもしれませんが、エロさはハイレベルを追求していきます。
ネタ自体は色々と多数ありますので今後楽しんで頂ければ幸いですm(_ _)m
レイラの背中に刺さってるフレシェットなんですが、羽根が着いてないから矢じゃなくてニードルだろ!と突っ込まれる前に防衛ライン構築w
発射時には10本ほど束になったケースに格納され、ケース自体に矢羽は付いており弾道が安定し目標に接近したところでケースから分離され放射状気味に飛翔する…という設定が一応あります。
こまけぇ事はいいんだよ! レイアースの光の炎の矢だって矢には見えんし、レールガンなJCだって電磁誘導レール相当物ナシで単にプラズマ膨張でコインなりブッ放してるだけだからレールガンじゃなくてサーマルガンだろがあれ!?
さっど【SAD】
2022-05-07 11:11:38 +0000 UTC幌筵提督大帥鲍淑华
2022-05-06 12:39:39 +0000 UTCさっど【SAD】
2020-06-07 12:18:08 +0000 UTCドーズ
2020-06-07 09:01:30 +0000 UTC