湿度と緑の匂いが強い空気が汗ばんだ頬を撫で、それが彼女… 水の魔法騎士たる龍咲 海の心をさらに苛立たせた。
ーーーもう〜〜‼︎ なんなのよ!これが道〜〜⁉︎
城の南にある湿地帯に見慣れぬ魔物が出没しているらしいと近辺の村から通報があり、その日東京からセフィーロを訪れていた海たち三人のマジックナイトがその調査を請け負って勇躍赴いたのだが……
現地での村人たちの証言はどうにもあやふやなものばかりで魔物?の具体的なことがサッパリわからない。
とりあえず湿地帯の奥に行ってみることにした三人だったが、湿地帯に伸びる細い道を進む途中で三叉路に突き当たった。
三叉路といっても少し先で合流するのはその場所からでも見えていたので三人は分かれて進むことにした。
ところが一番見通しの悪かった中央の道を進んだ海の前に現れたのは幅10メートルほどの泥流帯だった。
行き止まりかと思ったが、泥流の対岸には道が伸びておりこれでも道の一部らしい。
さして深そうでもなく引き返すのも面倒なので、ため息ひとつついてから海は泥土に足を踏み入れた。
ちなみに海がなぜこの一番胡散臭そうな道を歩いていたのかといえばジャンケンに負けたからである。
ところが精々足首くらいかと思っていた泥土は進むにつれてどんどん深くなり、おまけに下部では複数方向に流れる泥流が存在し泥自体も非常に粘度が高く非常に歩きづらい。
ーーーもうやだ〜〜!気持ち悪いわね〜 まあこの防具なら汚れたりはしないだろうけど……
既に泥はサイハイブーツの膝より上にまで達している。もし転んだりしたら普通の服なら大惨事だろうが、いま海が身につけているのは魔法騎士の防具だ。
魔法文明セフィーロの技術の粋を結集しているだろう防具には泥ハネ一つ付いてはいない。
たださすがに泥流の圧力までは減殺しきれないのかブーツの表面から加わるランダムな圧迫がムズムズとした感覚となって海の脳髄をチクチクと刺してくる。
「んっ、んんんっ…⁉︎ や、やだっ…」
日光でほどよく温められた泥流の圧迫が徐々にマッサージのような快感をもたらしてくる。
「も、もう…やんっ……うっ……ふううんっ!」
ただでさえ神経が集中している太腿やつま先が更に鋭敏化して、キリのように快感が事もあろうに切れ上がったハイレグアンダーに覆われた股間中央に突き上がり子宮奥に滞留してくる。
「もう!なんなのよ… って…えええっ⁉︎ や、やだっ⁉︎」
なかなか前に進めないイラ立ちと、こんな場所にはなはだ相応しくない覚えのある感覚に焦りふと海が視線を下に向けると、視界に飛び込んできたのは紺碧の騎士服胸部の表面にはっきりと陰を落とす左右二つの突起…
ーーーつまるトコロ、私こと龍咲海サンは…げ、現在…はっ、発情…中ぅぅぅ〜〜〜!!?
年頃の乙女に突きつけられた動かぬ証拠はその結論に達せざるをえず、誰が見ているわけでもないのに海は赤面しながら一刻も早く対岸に上がるべく、マントで胸を隠しながら一気に歩行ペースを上げた。
だがそれがいけなかった。
「ひゃっ⁉︎ やっっああっ… んくっ……うっ……ふううんっ⁉︎」
魔力障壁を帯び擦過性の低いブーツ表面から両脚の性感帯に加わるぬかるみのムズ痒い圧が高まり、同様に隆起した両乳首部分を靡いたマントがランダムに触れくすぐり意図せぬ強い快感が上下から海の股間デルタを貫いた。
「きゃっ⁉︎ だ、だめっ……そこ、だ……ンめへぇ〜〜〜ッッっ⁉︎」
体の奥から噴き出してくる熱いものを覚え、小さな悲鳴とともに思わず硬直する海。
「やっ…やだっ…私ったら…もう〜〜〜〜〜ぅぅぅぅぅっっっ!!?」
この生理現象が何かはよく知っていた……
生温かく、少し粘り気を持った微量の液体が左右の内股を伝い落ちる感覚に海は再度顔を真っ赤に染めた。
「•••••••••••••••」
昼の日中の屋外でマジックナイトの防具姿で軽かったとはいえ、よりによって泥沼相手に気をやってしまったとは情けないやら恥ずかしいやらで落ち込みながらもノロノロ進み、ようやく対岸にたどり着いて慎重に歩みを再開した海の耳に聞き慣れた明るい声が響いた。
「いたいた!遅いから迎えに来たよ!」
声の主は真紅の防具姿の小柄な少女、光だった。
なかなか合流地点に現れない海の様子を見に来たらしい。
「うっわ〜〜!すっごい泥んこ道だねっ! 海ちゃん(泥水に)濡れなかった?」
妙に引きつった表情の海の背後に広がる泥水の流れを見遣りながら、何の気なしな光の言葉が海の心にグサリと突き刺さる。
「ぬ、ぬ、ぬっ…濡れたりするわけないでしょっっっ!!? もうっ!ほら風が待ってるんでしょ!さっさと行くわよ光ッ‼」
「えっ…なに? どうかしたの海ちゃん?」
「いいから!早く行きましょ‼」
「ま、まってよ海ちゃ〜ん!?」
急に顔を赤くしてプリプリ怒りながらズンズンと進む海の背中を、頭の上に「?」を幾つも浮かべながら慌てて光も後を追った。
ちなみに、その後の探索でも魔物?の痕跡も手がかりも発見できなかった。
END
さっど【SAD】
2020-09-02 13:43:25 +0000 UTCさっど【SAD】
2020-09-02 11:50:41 +0000 UTCめがね
2020-09-02 11:25:34 +0000 UTC