物事がうまく運ぶときはこんなものだと腹の奥底からこみ上げる暗い歓びにクツクツと楽しげな声が、この世界では淫魔女王ダークネビュラと名乗る存在の喉から漏れる。
たまたま立ち寄っていた数多ある妖魔妖獣の召喚・育成プラントの一つ、そこにこれまでにも時折自分の遊びの邪魔をしてきた対魔組織の小娘が紛れ込んできたのが発端だった。
確か…風の能力を自在に操る戦士だったと思い出す。
手慰みにテストがてら数体の下級妖獣をけしかけたところ、予想では数分と保たず相手の能力データの一つも採れれば十分…と踏んでいた妖獣群が意外や善戦し、むしろ主導権を握り押し気味に戦いを進めている状況を興味深げにモニターを見詰める魔女はあることに気づいた。
妖獣達が想定外の能力を出しているのではなく、相手の能力が何らかの理由で本来の数値から大幅に低下しているのだと。
恐ろしく高度な暗黒科学を操る科学者としての一面も持つ彼女は興味を覚え、戦いのステージである地下空洞を詳細にセンシングした。
その結果、特定のタンパク性物質とその周辺に浮遊する粒子が風の対魔戦士の能力に干渉し不安定化させ、その数値を封印に近いまでに低下させているのだという事実にすぐ辿り着いた。
元々この洞穴内に存在するその少し変わった粒子の存在は知っていたが、希少なだけで毒にも薬にもならないため深く調査することもなく放置していたが、こんな効力があるとは想定外だった。
そうとなれば、もっと面白いことが可能になる。
邪悪な笑みを浮かべた魔女は妖獣達に指令信号を出し、その粒子が最も濃く滞留する一隅に向けて相手を追い込み…そして捕獲することに成功した。
それだけでも十分な成果と呼べたのだが、更に成果は拡大した。
新たなる侵入者… 否、すでにその時点で新たな獲物であり研究材料…もしくは玩具と呼ぶべき存在が出現したのだ。
「あら…貴女も来たのナイトレヴィーナ…?」
先に捕えた女戦士の組織以上に彼女の愉悦を妨げることが多い、些か目障りになってきた集団…
白銀に輝く戦衣を纏った長い漆黒の髪を翻し、手にした長剣で瞬時に数体の妖獣を斬り捨てた女性剣士の姿を認め、淫魔女王の口元の邪笑が更に大きくなる。
古来よりこの極東地域の島国に根を下ろす女性ばかりの討魔神官戦士団らしい『初音降魔集』の現在の長にして別名『フェアリッシュ・ナイツ』のリーダーであるナイトレヴィーナだ。
おそらく最初の獲物とは共同作戦を取っていたかしていたのだろう。
基本2名以上の集団戦法を基本とするフェアリッシュナイツだが、今回はレヴィーナ一人だけらしい。
確かにレヴィーナは単独でも他のメンバーとは別格の実力を持っている事は確かだが、おそらくそれだけが理由ではないだろう……
(フフ… どうやら随分と多忙そうね貴女一人とは)
単純に人手が足りていないに違いない、彼女が率いるフェアリッシュナイツ…通称FKとも呼ばれる対魔チームは数百名のメンバーを抱えるこの世界の対魔組織でも最大級の規模だが、時と場所を問わず発生する妖魔絡みの事件に対処するにはそれでも慢性的な駒不足に悩まされているらしい。
ましてここ最近はネビュラが仕掛けた下級妖魔・妖獣を用いた同時多発型の事件続発によって更にその傾向へ拍車がかかっているはずだった。
(一度貴女とはゆっくり遊んでみたかったし… ちょうどいいわね)
神聖さすら覚えるその清廉な姿と強い矜持と磨かれた知性を醸し出す美肢体の持ち主への興味と、とめどなく噴き上がる暗い欲望のままに淫魔女王は玉座から立ち上がった。
『フフ… よく似合うわよレヴィーナ? その真っ白なおべべに汚らしいそいつの毒液がね?』
半ば廃墟と化し瓦礫が散乱するものの、さして破壊されてからは時間を経てはいないらしい教会堂の中にネビュラの嘲笑が木霊する。
視線の先には台座から捻じ曲がって大きく傾き、元は黄金色だったのだろうが今は末端にその残滓が残るにすぎない巨大な十字架から生えたように絡みつく青白い触手に拘束され、空中に吊り下げられたレヴィーナの姿だった。
ネビュラの言葉通り、そのカイコのごとき青白い表皮とは対を成すような毒々しい紫色の粘液が触手の突起部分から吐き出され、レヴィーナの纏う白銀の戦衣と雪肌とを汚らしく染め上げている。
レヴィーナを捕えるのはさして難しくはなかった。
鉄枷に繋いだ最初の虜の姿を見せつけ動揺を誘い拘束能力に秀でた触手系妖魔を中心に複数、多方向から襲わせる… 無論それだけならば例え10体、いや下級妖魔20体でも瞬時にレヴィーナに殲滅されたに違いない。
だがレヴィーナにとっては不運な事だろうが、自分がここにいた。
妖魔達の残る生命力を全て圧縮し、すぐ後に控える死と引き換えに一時的に強大な力や耐久力を発揮させる術を用いてレヴィーナを拘束した上で至近から自分が衝撃波を叩き込み虜とした。
正面から万全の状態のレヴィーナと戦えばもう少し手こずったかもしれないが、ホンの数秒でも動きを封じられればこの魔力が充満する地下空洞では十分だった。
そしておそらくはこれを探りに来ていたのだろう地表の教会堂跡に場所を移し、ささやかな歓迎の宴を催すことにしたのだ。
この教会はレヴィーナ達同様、とある対魔組織の本拠地だったのだがネビュラとその配下の襲撃に壊滅し、今はネビュラの拠点の一つとして半ば廃墟と化した無残な姿をこうして晒している。
「ほら!早く観念して喋ってしまいなさいな? お前達の秘密をねぇ」
更に触手の締め付けと淫毒らしき体液染みを拡大させ苦痛に喘ぐレヴィーナの姿を視界の中央に捉えつつも、嘲笑と共に吐き出される言葉は傍らで拘束された別の人物に向けられたものだ。
『拷問は当人よりも家族や近しい人物に対して行った方が効果的』という冷酷だが合理的、かつネビュラの趣向にも合致する手法で二人の美戦士を嬲りものにしているのだ。
自分が口をつぐむほどに仲間が苦しむ…その苦悶にまだ少女と呼ぶべきやや幼さの残るマスクが歪む様に淫魔女王の愉悦は高まってゆく。
「んふうッッ!?! ああぅぅぅッッ!! はあうぅぅぅ〜〜ッッ!!?」
「フフフ… こっちの触手の具合はどうかしらナイトレヴィーナ? あまりストイック過ぎるのも良くないから今日はたっぷり楽しみなさいな?」
鋭いトゲを無数に生やした十字架の触手と毒液だけでなく新たに出現した極太の触手はイボ状の先端部を持ち、それがズルズルとレヴィーナの白銀パレオ内部に潜り込む。
それと同時、レヴィーナの口から漏れる細い苦鳴に変化が生じる。
明らかな嫌悪感と僅かな甘い成分が含まれ、新たな触手がレヴィーナの最も神聖な部位に侵入を試みていることが明らかに窺われた。
横目でチラリと表情を窺ったもう一匹の獲物にも明らかに動揺の色が濃くなっている。
光の戦士を称する獲物を精神的に責め嬲り、地獄の葛藤の末に自ら仲間を裏切る結果を選択させた瞬間の悲嘆と涙とはネビュラの最も好むところの一つだ。
その甘露をまた堪能出来るまでさして時は要さないと思えた。
「ほら、その名も高いフェアリッシュナイツのリーダーさんがどんな蕩け顔をしているのか見せてちょうだいな?」
「んぐっ⁉︎ んはっ……んぐっ……んっんん〜〜っ⁉︎ んンんっ…ケホッケホッ!?!」
更に二人の美戦士を痛ぶるべくネビュラの腕が翻り、いつの間にか手にしていたトゲ鞭が十字架とレヴィーナの無防備に晒された喉部分へと幾重にも巻きつき強引に顔を引き上げる。
尚も瞳に力と理性、そして抵抗の意思の光を宿すものの、レヴィーナの神秘的なまでに整ったマスクには浴びせかけられた淫毒の影響でうっすらとした赤味を帯び無数の汗の玉が滴り落ちている。
「……私も彼女もこんな事は覚悟の上…よっ…っっ‼︎ 何も喋ったり…しないっっ‼︎」
苦しげだが凛とした声音で言い放つレヴィーナの言葉も圧倒的に優勢な立場にある淫魔女王の耳には心地よいスパイスでしかない。
「うふふ…ご立派なことね、それでこそ愛と正義のヒロインよ♪ でもこっちの子はどうかしら? ほらレヴィーナお姉様はああ云ってらっしゃるけど、貴女はどうバンビちゃん?」
緩急をつけた鞭の動きでレヴィーナを嬲りながら、ネビュラはわざとらしく傍らを振り返る。
未だハイティーンと思しき若々しく健康そうな美貌には一段と苦悶と葛藤の陰が色濃く刻まれ更に精神的に追い込まれている事は容易に知れた。
「さ、どうするの〜? ああ、別に急かしてるわけじゃないからゆっくり決めてくれてもいいわよ? 私にはいくらでも時間はあるから…ククッ♪」
猫がネズミを嬲るようにレヴィーナの苦しむ様を相手に見せつけながら、うら若き対魔戦士の心を言葉の形をとった毒刃が刻み蝕んでゆく。
「わ…わかったっ…わかったからっ‼︎ もうレヴィーナを虐めないでっ⁉︎ な、何でも…っ、はっ…話っ…!」
更に激しくなるレヴィーナの股間秘部への触手蹂躙とムチの締め上げに遂に耐えきれなくなったのか、カラカラに乾いた唇が動き掠れた声で屈服の宣誓が漏れかけたその刹那、鋭い声が礼拝堂を震わせた。
「そんな真似したら絶対に許さないっ‼︎ もし何か一言でも喋ったら初音降魔集は… フェアリッシュナイツはお前達を利敵行為を働く敵性勢力として認識、殲滅する‼︎ そのつもりでいなさいっ‼︎」
絶叫に近い凄まじい怒気を孕む言葉を放ったレヴィーナの瞳は鋭く爛々と輝き、断固とした意思を示している。
ブラフではなくレヴィーナは本気だ、例えこの場で生命を喪うことになっても邪悪の使徒に決して屈する気はなく、そして邪に屈して仲間に不利益をもたらした相手も粛清・殲滅対象とみなす…… 噂には聞いていたフェアリッシュナイツ…初音降魔集の苛烈な一面に言葉を失い、少女の身体は硬直した。
「あははははははは‼︎ やっぱり貴女は最高よレヴィーナ♪ 流石は歴史ある初音降魔集の頭領にして、あのフェアリッシュナイツのリーダーだけのことはあるわねぇ〜 うん健気健気♪ それに凛々しいわ〜♪ 貴女みたいな娘を殺すような勿体無いことはしないから安心なさいな」
決死の決意、魂からの叱咤を年少の同志に放った美しい対魔戦士に向け邪悪そのものの笑みを浮かべ嘲笑する淫魔女王の心には更なる嗜虐心が湧き立ち、後々また弄ぶ為にも適当なところで二人とも捨ててこようという考えを傲慢な闇の女王は修正することにした。
「クク!ほ〜〜んと傑作ねぇ♪ その対魔戦士の鑑みたいなレヴィーナちゃんにはご褒美あげないといけないわねぇ? ほら後ろの穴でも楽しんでスッキリなさい」
「くううっ⁉︎ んやぁっ……あ…あんっ……ああんっ…や、やめ…あはあっ……や、やめなっっ⁉︎ んんっ!んはあぁぁっ⁉︎」
ネビュラが気取ったポーズで指を鳴らすと虚空に生じた穴からまたも新たな股間とは異なる色合いの触手が出現し、股間を蹂躙する触手同様にパレオの中へ潜り込むと、いともたやすくアンダーを突き破りレヴィーナの不浄の孔へと先端を押し込む。
「がっ⁉︎ くはぁぁぁぁーーーーーッッッ!!? 」
「ウフフ… 簡単に抜けたわねぇ? やっぱり元が聖霊力に満ちた教会だものねぇそこを丸々私の暗黒力で性質逆転してあるのだから、貴女の戦衣…フェアリッシュドレスだったわねぇ? 自慢の防御力も弱体化する一方でしょうフフッ!」
「く…うぅ⁉︎」
「ほらほら、乳首がどんどん硬くなってきてツンツンに勃ってるわよレヴィーナお姉様♪ もしかしてお尻をほじくり返される方がお好みなのかしら? ホホホッ!」
「だ…誰がっ…こんなこ…と…でっ⁉︎ んんっ、んぅんん、ん、んん、んぅうう〜〜っっっ⁉︎」
「ククク… ところでレヴィーナ? その胸の宝石とっても綺麗ねぇ… もぎ取って私のコレクションにしてあげましょうか? ふふっ♪」
前後から灼熱の鉄杭に突き上げられるような苛烈な衝撃に飛ばされそうな意識を懸命に保つレヴィーナの耳朶を冷徹な科学者、あるいは調教師を連想させる悪の女王の言葉が刺す。
単に自分の身体を弄び慰みものにしているだけではない、的確にドレスを毒液の汚染で弱体化させ胸の聖宝珠への興味も隠さない… これは愉しみの為の拷問であると同時に生体実験も兼ねていることを悟ったレヴィーナの淫毒で灼けるように熱い背筋に冷たいものが走る。
「貴女のベソかき顔… もっと見たくなったわレヴィーナ? 興醒めになるといけないからこの子には少し静かにしてもらうわ♪」
「!!?」
再度ネビュラの指が鳴り、ゴムボールの様に何かが床で跳ね上がるとそれがそのままネビュラの傍で拘束されたままの少女戦士の口をウネウネと蠢きながら猿轡の様に巻き塞ぐ。
それはヒトデを連想させる妖蟲の類らしく、懸命に顔を振る少女戦士の声を奪った。
「くっ…⁉︎」
嘲笑う淫魔女王の魂胆を看破したレヴィーナは唇を噛む。
それは自分と彼女を更に苦しめ蹂躙するために、例え彼女が責めに耐えきれず秘密を漏らそうとしてもそれが不可能になる様にしたのだ。
それは囚われた二人の美しき戦士を苛む為の新たな淫獄へのプロローグだった。
【 To be continued?】
2021年最初の更新です。
レヴィーナと一緒に捕まっている『風を自在に操る戦士』ですが、これは日頃何かとお付き合いのある草宗さんのご力作『オメガスレイヤーズ』に登場するスーパーガール系ヒロイン四方堂亜梨沙こと『オメガカルラ』なのですが、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが複数ヒロインが存在するオメガスレイヤーズの中で、このカルラだけはデザイン原案が自分でして(^◇^;)
そのご縁でうちのFKメンバーであるナイトレフィア、ナイトレミーラと共演した中編作を書いていただいたりしております。
こちらは随分と放置気味な(−_−;)SADの自サイトのギャラリーの頂き物(gift)に題名『樹王ブリード』で置いてあります。
どなたでもご覧になれますが、自分で作ったサイトなのになんで直リン出来なくしたんだか思い出せません(^◇^;) 申し訳ないのですがトップページから順番にお進みください。
だいぶ時間も経過していますし、オメガスレイヤーズの設定もブリード当時と変化してますし何よりよそのお嬢さんを勝手に使ってしまうのも気が引ける…といった諸般の理由で固有名詞は出しておりません。
ブリードではレヴィーナから助っ人依頼を受けたカルラがレフィア達と対魔共同作戦を取るといった内容なのですが、冒頭の絵はその後しばらく経ってからレヴィーナとカルラはどこで面識を得たんでしょうね〜みたいな雑談からの産物です。こちらはピクシブにもあげておりますがイメージの足しにこちらにも転載しました。ピクシブの方にはカルラのちっぱい差分がありますw
オメガスレイヤーズシリーズは無料・有料シリーズとも草宗さんのツイッターアカウントやピクシブから飛べるので是非ご覧ください、オススメです!
ちなみに亜梨沙は草宗さんの代表作である「ファントムガール」にも出演しています
( ^ω^ )
以下は胸ポロ無しと今回の絵柄的に何か浮きそうなのと、カルラの名前出すのが憚られたためやめてしまった擬音入り差分を一枚置いてありますが、実際の所絵柄や雰囲気に関係なく擬音やフキダシ入り差分は有った方がいいんでしょうか?
ご意見コメント頂けると大変参考になります。
#差分各種