名誉ある奴隷部の活動(1)
Added 2022-12-27 14:09:12 +0000 UTC「――では、以上をもって、本年度の生徒総会を閉会します」 そう言うと、生徒たちはクラス順でぞろぞろと体育館を後にした。 それを見送りながら、山上健吾は壇上で眼鏡を外し、少し疲れた目を揉んだ。 後輩の相田が声をかけてくる。 「会長、お疲れ様でした。もしよければこれ、飲んでください」 相田の手には紙コップに入ったお茶が握られていた。淹れたばかりなのか、湯気が漂っている。 「ああ、ありがとう。もらうよ」 山上はそれを受け取り、少し息を吹きかけて冷ましてから飲み込む。山上は自分が思っているよりもリラックスするのを感じ、思いのほか自分の気が張っていたことを理解する。 「今年は予算の件もすごくスムーズに進んで。さすが会長です」 山上は言いながら、机の上の書類を片付ける。 「買い被りすぎだ。みんなが前もって調整してくれたおかげだよ」 山上が言うと、 「いえ、だってそれも――いや、そうですね」 相田は素直にそれを認めた。望ましい姿勢だと山上は思う。謙遜は重要な美徳だが、行きすぎると自分への正当な評価を見失ってしまうと、常々山上は思っていた。 「さて、今日はこの後、生徒会室に戻ってもう少し打ち合わせだったかな?」 相田に確認する。すると相田は、 「あの、その予定だったのですが、会長には別の予定が入りまして」 「別の予定?」 さて。今日は何か予定があっただろうか。 山上が不思議に思い尋ねると、相田は少し顔を赤らめて、 「その――『あのお方』が、お呼びです」 それだけ言った。 山上は、それだけで全てを理解する。 『あのお方』。この学校でそう呼ばれるのにふさわしい人物は一人しかいなかった。 山上は、 「わかった。あとの片付けは任せていいか?」 そう言い、足早に体育館を後にする。そんな山上の背後で、相田は自分の膨らんだ股間を持て余し、ぐいとズボンの上から位置を調節していた。 山上は、そのまま『あのお方』の元へ向かう。 この男子高校の、かつては校長室だった部屋――今は、その表札には殴り書きの文字で『奴隷部部室』と書かれている。山上は数秒、それを見上げた。 コンコン。 扉をノックし、「山上健吾、参りました」 そう言うと、中から「入って」と声が聞こえる。 その声を聞くだけで、山上の体に甘い電気が走る。 しかし、それをそぶりに出すわけにはいかなかった。 「失礼します」 山上は真剣な顔でそう言い、扉を開き、きちんと一礼してから中に入った。 部屋の中には、濃厚な雄の臭気が満ち溢れていた。汗、精液、体臭、それらを混ぜ合わせた獣のようなにおい。男たちが普段真面目ぶった顔の裏に隠している、情欲のにおいだった。 「やあ、よくきたね、生徒会長さん。生徒総会お疲れ様♡」 部屋の奥に座る男が言う。 そう声をかけられただけで、山上の唇がぴくっと震えた。歓喜で笑みに歪むのを、なんとかこらえているのだ。山上の股間はギンと勃起し、その下着の中で先走りをとろりと垂れ流す。 ――『あのお方』に褒めていただいた。労っていただいた。 それだけで、頭がくらくらするほどの恍惚の中に叩き込まれるのだ。 山上が見つめる先には一人の男がいた。 季節は秋だというのに、よれよれのTシャツ一枚、下は汚れた水色のトランクスだけだ。かけている眼鏡は脂で汚れており、その奥から粘着質な視線を山上に送っている。 男はトランクスの中に手を突っ込んで下腹部をボリボリと掻くと、山上に行った。 「こっちにおいで♡」 「は、い……」 山上はそう返事をし、まるで糸で引かれているかのようにふらふらとおぼつかない足取りで男の元へ向かう。 山上は、男の目の前にたどり着いた。 ぴしりと気をつけで立つ山上の両手はぷるぷると小刻みに震えている。直立する山上の中心では、勃起した股間が立派にズボンにテントを張っていた。山上は敢えて男を直視せず、少し上に視線を向けている。 「いいねぇ、君もだいぶ『奴隷の心得』がわかってきたみたいだねぇ♡」 「ありがとう……ございますッ、…ゥ」 山上はその男らしく精悍な顔を、真剣な表情で維持するように努める。 今まで山上は何度も、勝手に主人のもとに跪いたり、感極まり自分を慰めたり、はたまた先回りして主人の求める行動をしようとしたりして、何度も叱責をされてきた。 「いいかい山上クン、奴隷っていうのは、自分では何も考えちゃダメなんだよ♡」 「奴隷に意志はいらない。主人の命令に従うことだけを考えるんだぁ♡」 「お前は俺の操り人形なんだから――わかるかい?♡」 何度も、何度も、山上は先読みをしようとしてしまい、その度に行動を矯正された。 「はい、俺はご主人様の操り人形です」 「ご主人様の意志が俺の意志です。ご主人様の命令に従うことだけを考えます」 「俺は何も考えません。何も考える必要がありません。俺は操り人形です。俺を人形にしてくださってありがとうございます」 山上はそう返事をし、自分自身をより奴隷にふさわしい姿に育ててきた。 今も山上は、本当は主人の前に跪き、その臭そうな足に接吻をして自身を慰めたくて仕方なかったが――必死にその衝動と闘っていた。 山上は思う。 ――ああ、俺はなんて未熟な奴隷なんだ。 山上は視線をちらと動かして『そのお方』を見た。正確には『そのお方』が座っている椅子――ではなく、人間を。 『そのお方』が座っているのは、一人の人間の背中だった。両手両足をついて、完全に椅子の役目を務めているのは田村篤志だった。練習で茶色く泥に汚れた野球のユニフォームに身を包んで、まっすぐ前を向き椅子の責務を果たしている。 『そのお方』は、よく山上と田村を比較した。 田村は野球部の主将を務めている。運動一筋といったタイプの勉強は不得手な人間だったが、山上の後に奴隷に変えられてから、その忠誠心で『そのお方』のお気に入りになった。 「田村くんはこんなにちゃんとできるのに、どうして山上くんはできないんだろうね?」 「最初に堕としたのに、残念だよ」 「ほら、田村くんはこんなにちゃんと椅子をしてくれているよ、君にこれができるかい?」 『そのお方』がそう言いながら座っている『椅子』の尻をいやらしく撫でても、田村は微塵も声を漏らしたりしない。 その忠誠心を認められ、田村は男の家に今では住み込んで生活の世話を見ているという。 ――俺も、……ご主人様に認められる立派な奴隷にならないと……。 山上はそう自分に言い聞かせ、忠誠を誓うべく直立で男の前に立つ。 「うんうん、なかなか良いじゃない」 男は『椅子』に座ったまま、山上の股間に手を伸ばした。 「ひウッ♡」 男に触られただけで、背筋を甘い電気が走り抜け、山上は裏返った声を漏らす。 「ガ・マ・ン」 「は、いぃッ……!♡」 山上は歯を食いしばり、全身から力が抜けそうになるのをなんとか堪える。 「ダメだよ、イっちゃ。わかるね?」 「わかり、ます……、おれ、はぁ…ッ、ご主人様のォ…人形、ですッ……♡ 命令に、服従しなければぁああっ!」 男の太った指が山上の股間をすーっと撫でる。その触れるか触れないかの感覚は、手で直接掴んで扱かれるよりももどかしく山上の脳を痺れさせた。 「お、耐え切ったね♡ うんうん、いいね♡」 山上は噛み締めた歯の間からフシューッと息を漏らし、びくびくと暴れる股間に意識を集中させていた。目は半分白眼を剥き、普段の理知的な彼からは想像のつかない有様だ。 「そろそろ、ご褒美をあげようか♡」 男は言う。言いながら、足を上げて履いていたトランクスを脱いだ。裏返して、先ほどまで股間の収まっていた部分を、まるで汚れを拭き取るときのようにゴシゴシと山上の顔に擦り付ける。 「フゴァッ……ゴッ……ホアっ……♡」 山上はその股間の猛烈な臭気で肺を満たす。山上はまるで魂のすべてを主人の股間の臭気に包まれているかのような至福に酔いしれていた。金玉が猛烈に暴れて、射精しようと唸りをあげる。 (ダメだッ…!たえ、ない、と……!) 許可のない射精は厳禁だ。山上はピンク色に染まった視界の中で、なんとか意識を繋ぎ止める。 気がつけば山上は、腰を前後に振っていた。 「いいネェ生徒会長さん。名家の生まれで、剣道学道文武両道、生徒たちからの信頼も篤い生徒会長さんのそんな姿、最高に興奮するよ」 「あァッ……♡ありがとうございますッッ……♡うれ、うれしっ♡」 ――『あのお方』に褒めていただいた。 その無上の悦びに、とぷっと我慢しきれず精液が少し溢れる。 (ああ、ああ) もうこのままイってしまいたい。山上があまりの快楽に薄れる意識の中そう思ったそのとき―― 無情にも、トランクスは山上の顔から剥がされた。 「あ、あ、あぁぁあ……」 山上は名残惜しそうに舌を宙に伸ばす。 「よく耐え切った。そのご褒美に、もっと素敵なものをあげるよ、膝をついて」 どさ、と山上は膝をその場に着く。それはもう山上の意志による動きではなくなっていた。主人に命じられて、体が勝手に動いたのだ。 山上の眼前には、トランクスを脱いで晒された男の太短いペニスがあった。 「この先走りを、君の顔に塗ってあげる。そのにおいを肺一杯に吸い込んで射精しなさい。わかったね?」 男はそんな絶望的な命令を山上に下した。 「かしこまりました!」 山上は嬉々として、男のペニスに手を伸ばす。 * 山上はそのとき、生徒会の活動として今度の文化祭の予算決めを行っていた。集まった出し物の内容を生徒会役員たちと精査する。すると突然扉が開かれ、見慣れない男が入ってきた。 「ここが生徒会室かぁ♡」 そう言う男は学校に来る大人とは思えないほどにラフな格好――というよりも、薄汚れた服装をしていた。 男は部屋をきょろきょろと見回し、山上を見つける。 「君が、山上クン?」 男は、山上を数日前のネットの記事で見つけていた。剣道の地方大会で優勝した実力者のインタビューだった。その記事には、彼の通う学校の名前と、そこで彼が生徒会の会長も務めていることが書かれていた。 男は一目で山上を気に入った。 山上をものにしたいと思った。 そして男にはそれができた。 だから男は山上の通う学校へとやってきたのだ。 「え、……そう、ですけど…あなたは……」 山上は見覚えのない来訪者に失礼のないようにと立ち上がって応対する。 「ぼくぅ?ぼくはね、この学校の『支配者』だよ」 男が当然のように言う。 ぐらり、と山上の視界が一瞬歪んだ気がした。山上の脳からその奇妙な頭痛が過ぎ去ると、 世界が変わっていた。 その男は、この学校において最も上位の存在になっていた。 教師よりも、校長よりももっともっと崇高な存在。 『この学校の生徒は、彼に無条件で従わなければならない』――なぜならば彼は、『支配者』なのだから。 「あッ……失礼しました!」 山上が慌てて言い、呆気にとられていた他の役員たちも立ち上がる。 「とりあえず山上クン、君に会いにきたんだ」 「俺に……ですか?」 きょとんと問いかける山上に、 「そう、これから『奴隷部』をこの学校に作ろうと思ってね、君はその部員第一号だよ」 「どれい、ぶ……?」 「そう、この学校の素敵な男たちを奴隷として集めた素敵な部活さ♡」 「はぁ、…?」 いまいち男の話が飲み込めない山上に、 「頭は良いはずなのに、飲み込みが悪いな。いいかい、君は今から僕の奴隷になるんだ。僕の体やちんこが大好きな変態奴隷にね♡ わかるかい?」 その男の変態的な欲望が、山上の魂に刻印として刻み込まれる。 山上はびくっと一度震え、ぼそぼそと呟く。 「俺、……奴隷……あなたの体……ちんこ、……だいすき……」 「そう、よーく自分に言い聞かせて。君は変態奴隷になるんだ」 「へん、たい……どれい……」 そう言うだけで、山上の股間はあさましく勃起し始めた。 不可逆的に彼と言う存在が『変態奴隷』として書き換えられていく。 彼がつい先ほどまで想像もしていなかった、醜い男に興奮する変態的存在へと改変されていく。 しかし山上自身は、そんな屈辱的な事態を最高の幸福として受け入れていた。 ――俺は奴隷。 ――俺は、この人の変態奴隷。 ――この人のちんぽや体やにおいが大好きな変態奴隷……。 目を白黒させ、餌を求める魚のように口をぱくぱくさせている山上に、男が言った。 「そろそろ大丈夫かな?山上クン♡」 「は、…いッ!!ご主人様……♡俺は、ご主人様の変態奴隷ですゥ……♡」 勃起させた股間を誇らしげに前に突き出し、主人に潤んだ視線を向ける山上。 「うん、上出来だ……」 「ありがと、う…ッ、ござい、ますッ♡」 主人に褒めていただいた。その悦びだけで山上の頭は真っ白になる。 黒色のズボンにじわぁとシミが広がって、男は山上が射精したのを理解した。 「おや、……山上クン、嬉しくて射精してしまったのかい? ふふ、淫乱なのも可愛いけど……僕の求める奴隷としてはふさわしくないな」 「あ、あぁぁああ……! 申し訳、ありませんん!!」 その場でガバッと土下座をする山上。 山上のそんな頭を男は来客用のスリッパで踏みつけながら、 「まあいい、君のことはこれから僕好みの雄になるように調整してあげるから」 「あり、ありがとう……ございまふっ♡」 山上は額を床に擦り付けながら、歓喜の涙を流した。 * 「あっはぁ……♡くっせぇ……♡」 山上の精悍な顔つきが、男の酸っぱい先走りでテラテラと輝いている。 「あぁ、くせぇ、くせぇ、んぅ、んぁ♡」 山上の剥き出しの股間が、びくんびくんと上下に振れる。 「あぁすっげ、俺の顔……ご主人様のくっせぇ先走りまみれぇ……♡」 山上の目があまりの多幸感に左右に細かく震え、 「あ、あぁぁあッ……!俺、イく!ご主人様の先走りのにおいでイくぅ……ッ♡♡♡」 そう甘く叫ぶと、精液が亀頭から噴水のように吹き出した。その勢いはすさまじく、目の前に立つ『そのお方』の顎近くまで飛ぶほどだった。 「あ、……ぁ、……」 射精後の幸福感に酔いしれる山上に、 「はは、素晴らしい♡先走りのにおいだけで射精するなんて!想像以上の変態に仕上がったな♡」 「あり、がと……ござぁ、ますぅ……♡おれぇ、へんたいぃぃ…ひぃ♡」 朦朧とした意識の中、主人に褒められたということを理解した山上の股間に、再び血が集まる。 『そのお方』は、顎髭についた精液を拭うと、べろりとそれを舐めとる。 「うんうん、濃くてうまい精液だ♡お前にはこれからもいっぱい精液を無駄打ちしてもらうからな♡お前はもう一生、俺のことだけを思って射精するしかないんだ♡ホモ奴隷になれて幸せだろぉ?」 「ひゃぃ……♡しああえ……♡」 知性を全く感じさせない呆けた表情で言う山上の顔に、男は自身の唾液と山上の精液のカクテルがたっぷりついた手のひらを再びごしごしと押し付けた。 「んぅ♡うふぅっ♡」 山下はそんなことをされても、もはやなんの抵抗も示さずただ従順にそれを受け入れるのみだった。