「いらっしゃい」 ご主人様が部屋の扉を開けた。部屋の中は散らかっていて、男の籠ったにおいがぷんと漂った。 「ここが……ご主人様の家……」 「どうだい?」 俺は鼻をすんすんと動かす。 「ご主人様のにおいが……すげぇ濃くて……ンふぅぅッ♡」 ハーフパンツに勃起のかたちが浮かび上がる。俺のちんこがぴく♡ぴく♡と震え、悦びに汁を垂れ流す。 ご主人様の家、ご主人様のにおい、ご主人様の存在を強く感じる。 「は、ぁッ、素晴らしいです……ご主人様ァ……♡」 「ふふ、だいぶ仕上がっているみたいだね」 ご主人様が満足そうに言う。 「そういえば、試合のあとそのまま来たんだったよね、その鞄に入っているのは今日のユニフォームかな?」 「あ、はい……試合で着たものです」 「僕に渡して」 「? はい」 そんなものを何に使うのだろう。試合で汗をかいてそのまま鞄に突っ込んだものだ。 ご主人様はそれを受け取ると鼻に寄せて「うんうん、いいにおいだね」と言った。 「じゃあ、君はこれを着て」 そう言って、ご主人様は棚から何かを取り出した。渡されたそれは、紫色の――今日の試合相手のユニフォームだった。 「これ、は」 「そう、今日戦った××大学のユニフォームだよ。まあ、レプリカだけど」 まじまじとそれを見つめる俺に、 「ほら、それを着るんだ」 ご主人様がそう命じる。俺はそれに従った。 「どんな気分だい?」 着終わった俺にご主人様が問いかける。鏡を引っ張り出して、俺の姿をそこに映した。 そこには、今日対戦した相手のユニフォームを着た俺の姿。 その姿は、俺をひどく落ち着かない気持ちにさせた。 「なんだか……俺が俺じゃなくなったみたいな気分です……」 俺が言うと、ご主人様は俺のこめかみをとんと人差し指でつついて言った。 「そんなことはない。君はずっとそのユニフォームを着て練習に励んできた」 とん、とん。 「君の大切なチームのユニフォームだよ」 とん、とん。 こめかみをつつかれるたびに、俺の中の大切な、チームの主将としてのプライドとか、記憶とかがぐじゅぐじゅに溶けていく。 「俺は――■■大学のラグビー部員……」 「そうだ、君は**大学の主将じゃない」 「俺は――**大学の主将……じゃ、ない……」 そうだろうか?そうだったかもしれない。そんな気がしてくる。 「そうだ、そして君は今日この大学に打ち勝ったんだ」 ご主人様がばさりとユニフォームを床に投げる。 それは俺のユニフォームだった。真っ赤な、俺の大切なユニフォーム。 着慣れたはずのそのユニフォームがひどくよそよそしく見える。 「ほら、勝利の証にそのユニフォームに射精してごらん。そのユニフォームをザーメンまみれにすると――すごく興奮するよ」 俺は自分の体を見た。普段着ない、俺のものではないユニフォームを着ている。 ――俺はこのユニフォームのチームに所属している―― ――だから俺は『これ』を汚さなければならない。これは敵のユニフォームだ。だからこのユニフォームは汚されるべきだ。このユニフォームを汚すのは興奮する。ザーメンまみれにしなければならない。 俺の手がゆっくりとちんぽに伸びていく。 触れると、電気が走ったような快感が俺の背筋を駆け巡った。 「ひ、ウッ♡」 ぴゅっと先走りが飛び出し、真っ赤なユニフォームにぽたりと垂れた。 それを見た瞬間、俺の中ですべてのピースがハマるように全てが理解された。 ああ汚す、汚す、このユニフォームを汚す、それはとても気持ちがいい。 「俺はァッ!■■大学ラグビー部としてェ!**大学のユニフォームを汚すべく射精します!」 そのとき俺は所属していないはずの大学ラグビー部の一員になっていた。なぜなら俺はそのユニフォームを着ているのだから。だから俺はそのラグビー部の一員で、この床のユニフォームは敵のユニフォームなのだ。 だから汚さなければならない。精液で穢さなければならない。 俺はこのユニフォームを汚すことに無上の悦びを感じていた。興奮していた。 「あ――イ、イきますっ!ザーメンでユニフォーム汚しますッッ!!」 びゅるっ!びゅるっ!と精液が俺のちんぽから迸って赤いユニフォームに白い斑点を作った。 はぁ、はぁと呼吸をする俺にご主人様が後ろから囁く。 「さあ、もっとそのユニフォームに屈辱を擦り込まないといけないね」 俺は赤いユニフォームを凝視していた。 「踏んでごらん、足で塗り込むんだ、きみの精液をね」 「……はい」 唾液を一度飲み込んで、俺はソックスを履いた足をユニフォームに載せた。 ぐちゅりと生暖かなザーメンを踏む感触が俺の足裏に伝わる。 はぁっ……はぁっ……。 俺は足をぐいぐいと押し付けて、精液を念入りにそのユニフォームに塗りたくった。 「塗り込み……ました」 「じゃあ、今度はそれを着ようか」 ご主人様が言う。俺は抵抗できない。来ていたユニフォームを脱いで、それを着込む。 乾いていない汗と塗り込んだ精液のにおいがぷんと漂う。ひどいにおいだ。 「ほら、もう一度鏡を見てごらん」 そこに写っているのは、見慣れた俺の姿――だが、その意味はもう丸切り変わってしまっていた。 「君は何をしたのか、説明してくれるかい?」 「ッ、はい……俺は……他校のユニフォームを着て……その大学のチームの一員になり……俺のチームのユニフォームにザーメンをかけて……汚しました」 「そうだ。君は**大学ラグビー部の主将なのに、自らのチームのユニフォームを汚したんだ。君自身の精液でね」 「、はい……」 「君は汚された」 「おれ、は…けがされ、た……」 「そうだ、君自身の手によってね」 「わか、ります、俺、は俺、をけがし、ました」 ご主人様が俺のラグパンの股間に手を添える。そこには、体積を増し細かく震えて先走りを垂らす俺自身がある。 「いいね、興奮している。そう、君はそれにとても興奮する」 もみ、もみ♡ ご主人様が俺の股間を揉む。きもちいい。俺は白目を剥きながら応える。 「あぁ、はい♡俺はそれにとても興奮します♡」 鏡に写っているのは、俺自身のザーメンのついた臭いユニフォームを来て男に股間を揉まれて喘ぐ俺の姿。 でも、これが――これが―― 「そう、それが本当の君だ」 「あう♡これが…ほんとの……おれぇ♡」 「そう。君にとってラグビーはもう汚されるための存在でしかないんだ。大切なものでもなんでもない」 「大切でも、なんでも、ない……♡」 それは倒錯的な快楽だった。俺は俺の何よりも大切なものを俺自身の手でぐじゅぐじゅにした。俺はそれが嬉しくて興奮する。 俺は汚されるのが嬉しいんだ。 だからもっと汚されたい。 俺を汚して欲しい。 その喜びを教えてくれた、俺のご主人様――♡ 俺の逞しく鍛えた足から力が抜け、ご主人様の足元に膝をついた。ずりずりと歩み寄る。その体にすがりつく。 「ご主人様……俺、……もっと…汚されたい、です……お願いします……俺をもっとぉ、けがしてぇ…くださいぃ……♡」 ご主人様はぐい、とそんな俺を頭を引き寄せて、股間にぐりぐりと擦り付ける。 ご主人様の股間は汗と小便と酸っぱいにおいで満ち満ちていて、――ああ――すげぇエロい♡くさい♡たまらない♡ 俺は横にある鏡を見る。大切なユニフォームを着て、ご主人様の股間に顔を埋めぶっ飛んだ顔をする俺が写っている。 ああ、あれが俺。 ユニフォームを着てグラウンドで凛々しくチームに指示をしていた自分は偽物で、ああ、ご主人様の臭い股間を嗅いではしたなくちんぽ勃起させる俺が、本当の俺で―― ――ああ、ああ、ああ♡ 考えがまとまらなくなっていく、ご主人様の濃厚な臭気で頭がぼんやりする、でもそれでいいんだだってこんなに気持ちがいいんだから。 「いいだろう、お前を徹底的に堕としてやる。鍛え上げた精神も、肉体も、全部俺のものだってちゃあんと刻み込んでやるからなァ」 「あぁッ♡嬉しい嬉しい嬉しいっっ♡俺ぇ心の底からご主人様のものになる、なりますぅ……♡」 ご主人様がベッドに横たわった。 「ほら、自分でまたがって腰を振るんだ」 「は、いッ!」 俺はこの日のために鍛えた逞しい足でご主人様にまたがる。 ぬぷっとご主人様が俺の中に入ってくる。 「ん、ひァぁぁっ!♡」 ご主人様が俺の腰を握って腰を打ち上げる。チカチカ点滅する景色の中で俺はご主人様の言葉を聞く。 「十年後、僕が四十歳になるときに、僕はまた力を使うことができる」 「その時まで、君は『準備』をしなきゃいけない」 「君は素敵な女性を見つけて、結婚をし、子供を作らなければならない」 「――そして、君の本当に大切な息子を僕に捧げるんだよ」 朦朧とした意識の中想像する。 数十年後――俺と俺の息子は仲良く並んで――ご主人様の前に―― 「んぁ、あぁぁぁぁぁあああっっ♡♡♡」 びゅううっと俺の股間からザーメンが吹き出してご主人様の体を汚した。 「ふふ、大切な息子を捧げる想像だけで射精したか。素晴らしい、お前は素晴らしいよ」 俺はご主人様の命令に従って腰を上下させ続ける。ご主人様にお褒めいただいた悦びで頭がくらくらする。 捧げる、捧げる、俺の全てを捧げる。 このお方に――俺の人生を支配していただく――♡ 「だけど、さすがにこの状態で君を帰したら、隠せないかもしれないね」 え。 「だから、少し調整してからみんなの元に帰すことにするよ」 いやだ。いやだ。いやだ! 俺はご主人様の奴隷なんだからずっと奴隷でいたい。 「大丈夫、『きみ』は消えるわけじゃない。『きみ』はきみの中に、堤修太郎の中にずっといて――本当のきみとして、彼を支配し続けるんだ」 あぁ――その命令は俺を甘美な気分にさせる。 何も知らない、無邪気で凛々しいこの男を、俺が裏から支配する。 哀れな堤修太郎はそんなことにも気が付かず、結婚をし子供を作る。 『俺』のために!ご主人様のために! 「きもちがいいだろう?」 「はぁ……♡最高ですぅ……♡俺は俺を支配してェ……ふうっ♡」 「君の働きに期待しているよ」 「あぁっ♡もちろんですご主人様ァ♡この体の、この男のすべてはご主人様のためにありますぅっ♡」 ご主人様が俺の頭を撫でる。 「でも、月に一回は僕と楽しもう。君は君の本当の誕生日と同じ**日に、本当の君になることができる。そのときに、君がどんな女性と出会って、どんなお付き合いをしているのか全部報告してもらおうかな。もちろん、僕が気に入らない女だったら別れてもらうよ」 「もちろんですご主人様っ♡」 「じゃあ、僕と一緒にイこう、さあ、イくぞ、中に出してやる!」 ご主人様が言って、俺の中に精を放った。 俺の世界が真っ白になった。 こうして俺は、二度と抜けない楔を深く深くに打ち込まれ――新しく生まれ変わった。