誘惑☆デート #20 ~本屋での誘惑に耐えた~
Added 2022-10-08 10:04:40 +0000 UTC#20 あなたは我慢した。 柔らかくも張りのある……七穂の脇腹の肌を直接触れるという決定的なチャンスが訪れながらも……動かしたくてたまらなくなっている指をそれでも動かさず、七穂の身体を支える事に意識を集中してくすぐりたいと思う欲を必死に抑え込んで我慢した。 指先から伝わってくる七穂の肌の感触は、あなたの想像以上に柔らかくて温かかった…… きっと、この肌を指先で少し揉み込むように刺激してあげれば、七穂はたちまちの内に体勢を崩してでも笑い悶えてしまう事だろう。 出来ればその姿を見たい…… くすぐったい刺激に負けて笑い転げてしまう七穂の姿を目に焼き付けてしまいたい…… 心の底からその様に思ったが…… しかし、それを実行してしまえば七穂の思うつぼである。 少しでも手を動かせば誘惑に屈したと判断され……この後に予定していたデートも、七穂をホテルで自由にできるという権利も同時に失う事となってしまう。 それでは、靴屋での誘惑を必死の思いで我慢した努力が水の泡になってしまう。 デートの続きも楽しみたいのは勿論だけど、やはり我慢し切ったご褒美である“ホテルで七穂を好きにする事が出来る権利”はこれ以上にない魅力的な特典である事は間違いない。 くすぐりフェチだと知った上で“自由にしていい”と了承してくれたのであれば、それはすなわち“くすぐる事もOK”だと言っているのと同じ意味だ。 本人の了承のもとで自由にくすぐる事が出来るというなどという千載一遇的な機会はもしかしたら今後二度と訪れないかもしれない…… だからこのようなチャンスを……一時の気の迷いで台無しにするのは絶対に勿体ない。 あなたはそう思ったからこそ、指を動かしたくなる欲を必死に抑え込んで七穂の誘惑に無反応を決め込んだ。 くすぐってみたいという本心を押し殺して、七穂の身体を支える事だけに注力した。 願わくば早く誘惑から解放してくれと思う一方で……七穂の体温を感じられるこの脇腹から手を離したくないと思う矛盾した葛藤があなたを苦しめる。 手を離したくないが、手を離さなければ理性が保てなくなりそうだとも思っている。 指を動かせば、夢にまで見た七穂の笑い悶える姿が簡単に見られるというのに……それを我慢してただ肌に手を添えるだけに留まるというのは、欲と自制心が激しくぶつかり続けて我慢する事が苦しいとも思えてきてしまう。 早く終わって欲しい……理性が欲を抑え込んでいる今であればまだ……手を出さずに済む。 出来ればその間に……この手を離させて貰いたい…… そうでないと……時間が経てば経つほどこの手は意思とは関係なしに…… ―――― ――― ―― 「……先輩? 大丈夫ですか?」 あなたがそのような葛藤を頭の中で悶々と繰り広げている間、七穂は目的の本を取り終えた様子で必死になって我慢しているあなたを見てキョトンとした顔を向け心配そうな声をかけて来た。 「何か苦しい事でもありましたかぁ? そんな必死そうな顔して……」 本を取り終えた後すぐに七穂はあなたの方を向き直したため、腰と脇腹を支えていたあなたの手は身体の捻りの勢いに負けて彼女の身体から手を離す形となってしまった。 もしも後数秒でも彼女の肌の感触を指先に味わっていたならば、くすぐりたい欲が勝って我慢できなくなっていたかもしれない……それを考えると、手を離せて良かったと思うべきなのだろうが…… しかしながら手を離してしまったらしまったで……今まで感じていた幸せな感触が一気に失われ、無性な寂しさを覚えてしまい後ろ髪を引かれる思いにさせられる。 『やっぱりもっと触っておけばよかった……』と、手を離してしまった事に後悔の念が生じ始める。 触っていてはいけなかったが、もっと触っておきたかった……その様なジレンマに苛まれていたあなたの様子を見て七穂は目を細めてニヤリと笑みを浮かべなおす。 「まさか……ホントは私の事……あのままくすぐってた方が良かったかも……なぁ~んて、思ったりしてませんよねぇ?」 彼女の言葉にあなたはギクリと心内を動揺させてしまう。 彼女の言葉は今まさにあなたが思い浮かべていた言葉そのものであり、手を離してしまった後の寂しさはあなたにその想いを強く意識させ始めようとしていた。 図星だが……あなたはその言葉には必死に首を横に振り、そんな事は無いという意志表示を返して見せる。 七穂は……苦しそうに否定するあなたのそんな顔を見て、増々意地悪な笑みを浮かべながらとぼけるような声で怪しむ言葉を返してくる。 「本当ですかぁ? なんか残念そうな顔してたので……てっきりそんな事考えてたんじゃないかなぁって思ったんですが……」 鋭い指摘と怪しむ睨み目……。七穂はあなたの考えを読み取っているかのように疑念の言葉を掛けて来る。もはやいくら首を横に振って否定しようとも本心は彼女に見透かされている事だろう……実際、七穂をくすぐればよかったと後悔してしまった事は確かなのだから……それを隠すように否定するのは如何なものかとは思うのだが…… やはり心の内を見透かされ、それを事実だと認めるというのは……例え彼女であっても恥ずかしく感じてしまうものだ。特殊な性癖の部分を指摘されているのだから恥ずかしくなるのは当たり前であり隠しておきたいと思うのは当然の事なのである。 「フフフ♥ まぁ、先輩がそうじゃないって言うんでしたらそうかもしれませんね?」 しばらく首を横に振り続けていると、やっと追及を諦める気になったのか……七穂の言葉が少し柔らかくなる。それに伴って表情も意地悪さが抜け、普段のあどけない笑顔に切り替わっていく。 「私的には……ちゃんと約束を守って、手を動かさずに我慢してくれた事は素直に嬉しかったです♥ ホント言うと……この誘惑で先輩の理性は吹っ飛ぶんじゃないかって想像していたんですけど……そうじゃなくちゃんと手を出さずにいてくれた事には賞賛を送ってあげたいくらいです」 別に欲を我慢しただけの事に賞賛を送られても嬉しくはないのだが…… 七穂が普段通りの可愛い笑顔を再びあなたに向け始めてくれた事には心の底からホッと安堵する事が出来た。 意地悪な彼女も嫌いではないが……やっぱり七穂はこのように屈託なく嬉しそうに笑う顔が一番可愛さを感じられる。 あなたは彼女のそういう顔を見るのも楽しみでありデートの醍醐味でもあると感じている。 「でも、我慢してくれたという事は……これからのデート後半も続行するという事ですので、先輩にはまだまだ私からのエッチな誘惑に耐えて貰いますよぉ~? せいぜい……私の期待を裏切らないよう頑張て下さいね?」 七穂の口から出た“エッチな誘惑”という言葉に、あなたは再びドキリとさせられてしまう。 彼女の言うエッチな誘惑とは、世間一般の人たちが認識するセンシティブな誘惑とは少しずれがある。 七穂は普段通りの格好であり特段露出が激しい訳でも扇情的な格好をしているという訳ではない。しかし、くすぐりフェチのあなたからすれば袖の無いポロシャツや素足の格好を見るという行為だけで興奮を覚えてしまうものだ。 くすぐりの要所であるワキや足の裏や脇腹などは実際に手を出していないとしても、見ているだけでくすぐる妄想が捗る程に敏感になってしまう箇所である。 そんな所を見せられたり触らされたりすれば……フェチでもない普通の人は何も感じなくても、フェチであるあなたは興奮をしてしまわない訳にはいかない。 七穂はそれを十分に理解して誘惑を行ってきている。 あなたが興奮してしまうだろうと確信を持ちながら、徐々に刺激の強い誘惑へと段階を踏んでいっている。 それを考えると……次の誘惑は今のヤツよりも刺激の強い誘惑が行われる事は明白だ。 油断すれば理性が吹き飛ぶほどの……ヤバい誘惑になるのは間違いないだろう。 それを耐え切らないといけない事は分かっているが……今のあなたには耐えきれるという確固とした自信は持てていない。 今の誘惑ですら危ういと思っていたのに……それ以上の誘惑が行われれば……どうなってしまうか想像もつかない。 少し甘く見過ぎていた……。 誘惑される事に耐えるという行為がこんなにも理性に負荷をかける行為になるとは思いもよらなかった。 もっと見たい……もっと触りたい……くすぐってみたい……くすぐりたい…… 次々に浮かぶそんな欲を自分の意思で抑え込まなくてはならないというのがこんなに辛い事だとは……考えもしなかった。 欲を抑え込まなくてはならない……しかし七穂は、そんなあなたの決心を揺るがすような誘惑を続けて来る。 その誘惑だって……いつどこでどんなシチュエーションで行ってくるか分からない。気を張って備えておかなければ油断すると欲の抑えが利かず手を出す事に繋がってしまう。 だから、いくらデートだとはいえ気を抜く事も休める事も出来ない。常に気を張って緊張を強いられる1日になってしまう。 しかしそれがあなたへ課せられた罰なのだから仕方がない。 七穂に隠し事をしていた罰……七穂を心配させてしまった罰…… このデートはあなたが犯してしまった罪を払拭するための禊の儀式だと言っても過言ではない。 だからあなたはこの儀式(デート)をやり遂げなくてはならない。 やり遂げられなければ……完遂するまでこういうデートが何度も繰り返される事になるのだから…… 「それじゃあ、先輩♥ この本を買ったら丁度お昼の時間ですので……フードコートで軽いお昼ご飯にしましょう♪ デートの続きは……その後で♥」 このデートの辛さを改めて再認識したあなたに、七穂は再び妖しい笑みを浮かべなおしてそのような誘い言葉を零す。そして本をレジに持って行きそれを購入した七穂は上機嫌に鼻歌を携えてあなたの横に立つと、あなたの腕に自分の腕を強引に絡ませるとスキップでも刻むかのような勢いで楽し気にあなたを引っ張りつつ本屋を後にした。 腕を絡ませている事で感じる七穂の腕の感触…… 胸横に挟み込むようにあなたの腕を絡めている体勢である為、あなたの二の腕は七穂の腕とワキの肌に挟まれ彼女の体温を肌越しに感じる事が出来ている。 腕の体温よりも温かい七穂のワキの体温……それを意識してしまったあなたは、再び彼女に対して“あの”想いが劣情となって蘇ってきてしまう。 『この柔らかくて温かなワキを……触ってみたい。いや、くすぐってみたい!』 引っ張られるように誘導されながらも、あなたはフードコートへ着くまでの間に七穂に対してそのような想いを募らせていく。 少ししっとりと汗ばんでいる感触が腕を通して伝わってくる。 心臓に近い箇所が触れているからか……七穂の心音が早く鼓動しているのがリアルに伝わってくる。 あなたの心音も……それに負けないくらい強く早く鼓動を繰り返す。 七穂に対する劣情と期待が入り混じり……頭の中が火照り出すように熱を帯び始める。 つい先ほどまで浮かべていた“油断してはいけない”という言葉も……この温もりに意識が持っていかれ意識の彼方へと飛んで行ってしまっていた。 あなたの頭の中は『触りたい』『くすぐりたい』『触りたい』『くすぐりたい』と、同じ言葉を連呼し続けてしまう。 まるで同じ言葉を喋る機械人形の様に……同じ欲を何度も何度もオートリピートしてしまっている。 やがて、悶々とするあなたを引っ張りながら辿り着いた二階のフードコートには、まだ昼前の時間という事もあってか複数あるショップの前にも食事スペースにもお客さんの姿は殆ど見られなかった。 フードコート自体はショッピングモールによくあるファーストフードな店が横並びになった屋台方式の店構えであり、その目の前には簡単な椅子とテーブルが複数置かれた簡易的な食事場が広がっているというオーソドックスな造りをしていた。 テーブルとテーブルの間には腰までの高さくらいのパーテーションが簡易的に置かれ、申し訳程度のプライベート空間を演出してくれている。 あなたと七穂は一番近くにあったハンバーガーショップでバーガーのセットを購入して、店やスペースの中心からだいぶ離れた端の席に着席し食事を始めた。 人は少ないのだから店の前の席で食べればよかったのに……なぜこのように離れた席に座ったのか? あなたはそのような疑問を持ちながらも揚げたてのポテトスティックを数本口の中に放り込み、この席を指定した七穂の顔に視線を運んだ。 七穂の顔を見た瞬間、あなたは口の中に頬張ったポテトを噛む仕草を思わず止めてしまう。 なぜかというと……七穂はあなたを見ながら何かを企む様な笑みを浮かべているのが見えたからだ。 この顔をしている時は、何か良からぬことを企んでいる。 その様に本能で悟ったあなたは、口を動かす振りをしながらも警戒するように七穂の細めている目を注視する。 何かしようと企んでいるのを物語っている彼女のジト目…… その目が物語った行為は、すぐさまあなたの太腿に感触として具現化される事となる。 サンダルを脱ぎ……素足になってテーブルの下に伸ばされた……彼女の癖の悪い足の指によって……