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ハルカナ
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誘惑☆デート #36 ~我慢し切ったルート~

#36   激しい閃光と爆音が館内に鳴り響く。  映画はボスらしき男の仕掛けた爆弾が次々に爆発し主人公が辛くも逃げ果せるといった、アクション映画にありがちな脱出シーンが流れている。  あなたの心臓がドキドキしているのは映画の緊迫感のせいではない。隣であなたの為に足裏とワキを無防備に晒し誘惑してきている七穂のそれらを……見て触って感じているせいだ。  右手は七穂の右足裏の上に重ねるように置いている。手のひらや指先には七穂の足裏の体温や肌の触感……更には緊張しているであろう彼女の心音までも感じ取れてしまっている。  このまま指を動かして足裏をコチョコチョとくすぐってしまいたい!  という強い衝動が襲ったが……あなたの脳裏には「この誘惑に勝てば七穂を好きに出来るんだ!」という強固な意志が過り、苦渋を強いられながらもあなたはその右手を彼女の足裏から離す決断を下す事とした。 「……っあ、アレ? なんで?? 先輩? 手が離れて……」  あなたのその決断と行動に驚きと困惑の混じる表情を浮かべる七穂……  それもその筈……彼女にとってこの誘惑は“絶対にあなたが負けるだろう”と踏んで行った最大級の誘惑だったのだから、その誘惑から自分の意思で逃れたあなたの行動は完全に予測外の出来事だったに違いない。だから困惑するのも当然だし驚くのも理解出来る。  手を足から離したあなたは、次に顔のすぐ隣に押し付けられたワキに対しても同様の“苦渋の我慢”を態度として七穂にして返して見せる。  名残惜しさを体現するように……最後に彼女のワキの匂いを一嗅ぎし、鼻孔に柑橘系の刺激的な香りを取り込んだら、あなたはそのまま顔をゆっくりとワキから離し……以降彼女のワキを見ないよう映画のスクリーンの方へ視線を固定させた。  もうどんな誘惑が来ても反応しない! という強固な意志を見せつけるかのように微動だにせず映像の方へ集中し始めたあなたに、七穂は更なる困惑を露わにし始める。 「ちょっ! 先輩! こっち見てくださいよ! ワキ! ほら、足の裏も! 先輩の好きな部位を見せているんですよ? 触っても良いんですよ? ほらっ!」  自分の誘惑に堕ちない筈はない……と自信を持って行った足触らせとワキ密着だったのだろうが、あなたがそれを乗り切って見せてしまったために今度は七穂の方が焦りを覚えたようだ。  このまま映画の方を見られては靡かず終わってしまう!? その危機感が七穂の気持ちを存分に焦らせた。 「あぁもう! 少しなら……ほんの少しなら指……動かしても良いですからッ! ほら、触って下さいよっ! ワキの方も! 手で触って良いですから!」  焦りが募りグイグイとあなたの傍にワキと足の裏を押し付けるように誘惑を繰り返す七穂。しかし、あなたの強く固めた決意が揺らぐ事はなく、彼女の最後の抵抗にも視線も戻さず修行僧の様に自分の煩悩を押し殺して、閃光と爆音が垂れ流されている映像娯楽を頭の中を空っぽにし見続けていった。 「先輩、手を出してくださいよぉ! 何で我慢しちゃうんですかぁ! コレなら絶対堕ちるって思ったのにぃ!!」  映画はアクションシーンを終えエンディングへと場面転換が行われた。  アクション映画に不似合いな壮大な音楽とスタッフロールが映し出され、最後に夕暮れをバックに主人公とヒロインが濃厚なキスをして物語が幕を閉じる。  その最後のシーン含め館内の照明が全て点き、映画の終わり告げる瞬間まで七穂の足搔く様な誘惑は続いていた。  最後の最後に何をとち狂ったのか、足を必死にあなたの股間付近まで伸ばしてきて……足指でそこを摩って最大級の誘惑をしてやろうと彼女らしくない下品な強硬手段に出ようとした七穂だったが……あなたはそこで再び彼女の足に右手を伸ばし…… ――ガシッ  と、足首を掴んでその凶行を押さえつける行動に出た。 「ひっ!? 先輩っっ!? ま、まさか!? 手を出して……」  最後にしてやっと誘惑に堕ちたか!? 理性を無くし抑えつけてくすぐるつもりじゃないか!? と彼女は思っただろうが、一度自分の意思で欲を鎮火出来たあなたがこんな事で欲を再燃するなどあり得なかった。  股間の上で足首を押さえつけるように掴んだあなたは、ジタバタする彼女の生足の動きを堪能しつつも「こんな公の場ではしたない事するもんじゃない!」と叱るように逆の手でペチリと軽い平手を足に加え、そしてそのまま彼女の方へ足を運んで何事も無く返してあげた。 「う、嘘……これでも……駄目だなんて……。信じられない……」  あなたが我慢出来たことが余程信じられなかったのか、七穂は映画が終わったにもかかわらずサンダルを履き直すのも忘れ呆然と、真っ白に戻ったスクリーンに向けて口をパクパクさせている。  あなたはそんな呆然自失状態の七穂の足に、拾い上げたボーンサンダルを合わせ、自分で動こうとしない彼女に代わってそれを履かせ直してあげた。 「恥ずかしい思いを我慢してまで……誘惑したのに……。あんなにくすぐりフェチの事勉強して誘惑に挑んだのに……何で??」  まだキツネに摘まれたかのように現実が受け入れられずにいる七穂の腰にあなたは手を回し、立とうとしない彼女を立たせるための促しを行っていく。 「ひっ!? 先輩ッっ!? 今私の脇腹! 触ってくすぐりましたねっ!?」  腰に回した手をその様に捉えた七穂は、それを“くすぐった!”だの“誘惑に負けて触った”だのと捲し立ててきたが……  それがどちらであろうとも“映画が終わるまで誘惑に耐える”という条件は既に達成されている為、あなたは七穂の身体を好きにして良いという権利を得ている。  だから彼女がどのように騒ぎ立てようが、最初に掲げた条件を満たしている限りあなたに非を押し付ける事など出来やしない。  七穂の身体はもはやあなたの“モノ”なのだ。映画が終わった瞬間からそれは揺るぎない事実として存在するのだから、七穂がどんなにもっともらしい事を言い分として出してこようがこの一言で黙らせてしまう事が出来る。 「もう誘惑デートは終わったんだよ? 七穂の負けで……」と、いう言葉で。  ホテルへ着くまでの1時間程の帰路で何度となく七穂は“今回のデートは無効試合だ”と主張してきたが、あなたはその都度その言葉を彼女に掛けて黙らせることを繰り返した。  余程あなたに負けたのが想定外であり悔しかったのだろう……その言葉を聞いてグゥの音も出ず黙り込む七穂だが、目はあなたの事を睨みつけて子犬の様に唸ってはまた別の主張を押し通そうと喧嘩腰に口調を荒げ無効試合を主張し続けた。  そんな無駄な抵抗を何度か繰り返しながらもあなたと七穂はホテル街へと足を踏み込ませ、夕暮れに輝く色鮮やかな蛍光色のネオン看板をいくつも通り過ぎ、やがて目的のホテルへと辿り着くのだった。  七穂が“あなたを仕置きする為”に予約したSM部屋完備のホテル……  まさかそのホテルで予約した本人が仕置きを受ける事になるとは露にも思っていなかっただろう。  いざホテルの入り口に立って見上げるような高さある白い建物を間近に見ると、流石の七穂もこれからの自分の処遇に不安が走り口数が減っていった。  あーだ、こーだ、と捲し立てるように主張してきた道中も、きっと心の中では不安が拭いきれず沈黙の時間が怖かったからあそこまで捲し立てて来たのだろう。その不安が目の前のホテルを見て堪え切れず噴出するまでに至ってしまったのようで……繋いでいた手に彼女の緊張の心音がリアルに伝わってくる。 「……先輩? 酷いことは……しない……ですよね?」  七穂の震える声が逆にあなたの加虐心を湧き立てて来る。  これからこのホテルで……あなたの事をあんなにも一方的に誘惑してきた七穂に仕返しする事が出来る。 「ダメって言ったら……やめてくれます……よね?」  ホテルに入る前から……妄想が捗り過ぎて……イケナイ欲が昂って仕方がない。 「無理って言ったら弱めてくださいね? 私が苦しそうにしてたら……休ませて下さいね? 絶対ですよ?」  自分は散々に仕置きだの誘惑だのを暴君の様にあなたに施してきたというのに……いざ自分がヤられる立場になれば怯える少女を演じて手を緩めさせようとする。そんな小悪魔的なズルさを七穂に垣間見てしまうと……只でさえ高まっていた可虐心も煽られるように高まり続けてしまい、逆に収まるものも収まりがつかなくなってしまう。  可哀そうだから手を緩めてあげる……という様なお人好しな優しさを、自分に向けてくれるとでも思っているのだろうか?  そう思っているのであれば……それは勘違いである。  何せ……あなたの……くすぐりたい欲は、彼女によって施された“誘惑”によって……今にも爆発する寸前まで膨らまされているのだから。  これは軽い気持ちで誘惑をした七穂に対する罰なのだ。  くすぐりフェチに、くすぐりを誘発させるような誘惑をし続けたという罪……それを罰として教え込まなければならない。  自分がどれだけ愚かな行いをしたのかを分からせてやらなければならない。  彼女の身体に……。  拘束された……  彼女の……  無防備な……  カラダに……  ……直接……  ……この……手で…… →#37へ


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