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ザ・ドッグトレーナー #37『三日目朝:拘束』(⇔29or35)

#37  調教開始から三日目という節目の日である今日、リサにはいよいよ“躾”の段階から“奴隷調教”という一つ上の段階の調教を施す事になる。  そもそも奴隷調教というのは、依頼主の希望通りの奴隷に近づけるよう彼女の性的趣向だったり考え方だったり感じ方だったりを刺激によって調整していく作業が本番と言えるのだが……リサに求められているのは“くすぐりを快感に感じられる奴隷”であり、ただの性奴隷ではない。  短い時間ながらも躾をある程度成功させたのはかなりの成果だと思ってはいるが、実は最も難しい調教はココからなのだ。  いくら罰やら試験やらでくすぐりという刺激に慣れさせて来たと言っても、その刺激をリサが性的刺激と認知している訳ではない筈だ。まだくすぐりに対しては嫌悪感や抵抗感が強く感じられており……不快な刺激としか認知されていない。  それは仕方のない事なのだ。なにせ、くすぐられて笑わされるという行為を“苦しいだけの行為”としてしか脳が知覚しているのだから、その苦しさを生み出すくすぐりの刺激を何もなしに好きになる事などよっぽどの曲がった性癖を持ってない限りは有り得ない。  それならどうやって、この辛い刺激だと思っているくすぐりを快感に寄せていくのか……?  それが今日の本題の部分となってくる。 「えっと、エリナだったっけ? 今日は……あんたも参加するのね?」 「おはようございますぅ~リサさん♥ お久しぶりですけどぉ~よろしくお願いしますね?」 「うぅ……。別に……よろしくされたいとは思ってないんだけど……」  方法は古典的な手法で行う事となるが……しかしこの方法が最も堅実で成果も大きいと見ている。 「ほら、今日は服とか全部脱いでその篭に入れておきなさい? 服を脱いだら部屋の中央の台に寝て待つんです」 「えっ!? 全部? 全部って……その……私に……裸になれって……言ってる?」 「えぇ、言ってます。下着も靴下も何もかも脱いで裸になりなさい! 良いですね?」 「ぐぅ……。何で私がそんな恥ずかしい格好を……」 「昨日まで私達に散々痴態を見せつけて来たというのに何を恥ずかしがることがありますか! ほら、グダグダ喋ってないでいいからさっさと脱ぐ!」 「うぅぅ……ったく……大人しく部屋に入ってやったっていうのに……入るなり裸になれって、何様よ? 親の顔が見てみたいわ……(ブツブツ)」  リサの朝の食事には媚薬が混ぜてあった。この媚薬は身体を火照らせ神経を鋭敏にするという効果のある特別な薬となるが、この薬効の力を借りて彼女の脳に快感とくすぐったい刺激を同時に植え付け苦痛と快楽の境界線をぼやかしていこうと考えている。 『姉様、リサさん……あぁは言ってますが、素直に言う事を聞くようになりましたね♪』 『アレは、逆らって罰を受けるのは損だって顔してるわね……。結局まだ自分本位なのよアイツは……』 『それでも随分な進歩だと思いますよ? 自分から服を脱いでちゃんと台の方に向かったのですから♥』 『どうだか……。ただ罰を受けたくないってだけで……言う事を聞いてるかどうかはまた別じゃない?』 『フフフ♥ まぁ、そうですわね♪』  条件反射の実験で、メトロノーム(ベル、ホイッスル)の音を聞かせて餌をやり続けると犬はメトロノームの音を聞くだけで涎を垂らすようになるというパブロフの犬という実験が有名な話としてあるが、今回のリサの調教はその実験に近いやり方を施す事になる。  餌を快感に置き換え、くすぐりの刺激に苦しめられた後ご褒美の快感を少しずつ加えて気持ち良くさせる。そしてある程度気持ち良くさせたらまたくすぐって快感をリセットさせる……それを繰り返して、快感=ご褒美という構図をくすぐり=ご褒美になるよう書き変えていくというのが調教の目的だ。 「はい、服脱いで台に寝たわよ! 次は? 手でも上げてやれば良いの?」 「くっ! いっちょ前に生意気な事言うようになったじゃありませんか! 良いですよ……そのまま手を上げて股も開いた格好になって待ってなさい! すぐに拘束してやりますから!」 「お、お姉様ぁ……そんな圧をかけるような言い方しなくてもぉ~~」 「ほら、エリナは枷を準備する!」 「は、はぁ~い♥」  正直……薬まで使ってのこのような強引なやり方を施すのはあまり好きではないのだけど……しかし、こうでもしないとリサの性癖を短時間で曲げてやることは叶わない。  憎むべきは時間の短さであって手法云々ではない。そもそもこのような無茶な条件を出してきたルルシア嬢がいけないのだから……仕方ないと割り切るしかない。 「うぅ……裸にされた上に……股まで開かされるなんて……屈辱以外の何ものでもないわ……クソ恥ずかしいし……」 「恥ずかしがらなくても大丈夫ですよぉ? リサさんのアソコ……とっても綺麗で美しいですからぁ~♪」 「わ、わざわざそんな事言うなぁ! もっと恥ずかしくなるでしょうがっ!!」 「フン! 恥ずかしがれるのも今の内よ! 拘束が終わったらまたたっぷりイジメてやるんだから!」 「くぅ……なによぉ~~! どうせまた私の事……くすぐるつもりなんでしょ?」 「当然です。動けなくなった貴女を好き勝手くすぐり回して差し上げますから……覚悟してください?」 「ヒィィ……うぅ……くぅぅ……」  今日の調教の結果が、調教全体の命運を握っていると言っても過言ではない程に……今日の調教は重要だ。  そして、その調教を施すのがマーガレット姉妹なのだから、必然的にリサとマーガレット姉妹の関係値も高くないと調教の結果が大きくブレることになってしまう。  しかし、3人のやり取りを見るに、その関係値自体は問題はなさそうにも思える。  信頼している……とまではいかないだろうが、少なくともリサがソフィアに緊張する事無く軽口を叩けるほどには彼女の見方は変わってきている。  その関係値が調教に良いかどうかで言えば……本当は馴れ合いに繋がりやすいためあまり良くはないと言いたいところだが、しかし限られた時間ではこの関係値に持っていくのが精一杯だったのも事実だ。  どう転ぶかは結果を見て見ないと分からない状況ではあるが……少なくとも、完全な敵意を持って調教に挑まれるよりは数倍マシと言える。 「フフフ……さぁ、拘束が終わったわよ~? どう? 今の気分は?」 「うぐぅ~~~! 良いワケないでしょ! また両手は万歳の格好だし……股は開かされてるし、足に至っては足の指まで枷に引っ張られるように拘束されてるし……」 「動けないですねぇ~? 抵抗も出来なくなりましたねぇ~? この格好にされてどうです? まだ私に軽口など叩けますか~?」 「う、うっさいわね! さっさとくすぐるなり何なりしたらいいじゃない! 今日こそは笑わずに我慢し切ってやるんだから!」 「あらあら? そう言う割には……さっきから身体をモジモジさせて落ち着かきがないように見えますがぁ? どうされましたぁ? まだ何もしていないのに~想像だけでくすぐったくなってきたのかしらぁ?」 「くっ! うっ……さっきから……身体が何か変なのよっ! 肌がムズムズするって言うか……背中がゾクゾクするって言うか……顔が胸や下腹部が時々カァって熱くなるって言うか……」 「ほうほう? それは良い兆候ですね♥ お薬も効いてきた頃合いですし……それじゃあそろそろ始めましょうか♪」 「く、薬?? あ、あんた……朝ごはんに何か……盛ったわね!?」 「フフフ♥ 今日は貴女を天国にも地獄にも突き落してあげるから……楽しみにしながら調教を受ける事ね……」 「天国にも……地獄にも??」  裸になって拘束されたリサの横に、同じく衣服を全て脱ぎ去ったエリナが歩み寄って来る。 「あ、あんた! 何で……裸に……?」  不敵な笑みを浮かべ……目を惚けるように垂らせながら……彼女は手をワキワキさせながら胸の前に構える。 「ちょ、何? 何を……する気??」  手を前に構えるが、その手はリサの腋を狙ってくすぐろうとはしていない。その少し下の……胸を狙って手は近づいていく。 「ねぇ! 何? 今日は本当に何をするつもりなのよっっ!! ねぇ!!」  リサの胸の頭頂部にエリナの手が触れると、エリナはボソリとリサに囁きを呟いた。 『リサさんのお胸……ドキドキしてるのが分かるくらい小刻みに揺れてて……とっても可愛い♥』  その囁きを聞いてリサの頬が真っ赤に染まっていく…… 『今からこのお胸をわたくしがぁ……イイ子イイ子してあげますねぇ?』  そして、この言葉を皮切りに……今日の調教が始まりを迎える。  天国と地獄と表現したソフィアの言葉を借りるなら……まずは天国の方から……この調教は開始される事となった。 →#38へ


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