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ザ・ドッグトレーナー #77『ソフィア差出ルートB①』(⇔59)

#77  『いらっしゃい、ソフィアちゃん。今日はよく来てくれたわね♥』  ルルシア嬢の玄関らしき映像がモニターに映し出されると、丁度そこに送り出したソフィアが到着したようで嬢のメイドに誘導されながら屋敷に入る彼女の姿を見る事が出来た。  依頼を達成できなかった場合に与えられる罰の様子は映像に撮って送る様に願い出ていたあなただったが、ルルシア嬢の計らいで罰の様子をライブカメラで生中継してくれる事となり……送られてきた招待メールを開いてその様子を観察させて貰う事となった。 『さぁ、時間が惜しいから早速地下のプレイルームへ向かって頂戴♥ 私も着替え次第そっちに合流するから……』  招待メールから視聴部屋へと飛ぶと画面は4分割された映像がそれぞれ屋敷の様子を映しており、玄関から人の気配が消えるとそれを映していたカメラは別のカメラの映像へ自動的に切り替わり、今度はソフィアとメイドが地下へと続く階段を降りている様子を映し出した。  別のカメラにはプレイルームの様子が先に映し出されており、その部屋にはソフィアに罰を与えるべく用意された拘束台やら道具を置いたテーブルやらが見て取れた。  部屋の中央には十字架を模した金属製の大きな台が設置されており、その台が置かれた場所は周りの床よりも二段ほど高さが設けられてある事もあり“ステージ上にある十字架”であるかのように見る事も出来た。  十字架の周りには赤い絨毯が引かれ、更にステージの下からは複数のスポットライトの光が十字架を照らし怪しさを際立たせていた。  ソフィアとメイドがその部屋に辿り着くと地下への階段を映していたカメラは部屋の中に設置されていたカメラに切り替わり、十字架の正面を斜め上から映し出す映像へと切り替わる事となった。これによって4分割されていた映像はそれぞれ、部屋全体を天井から映し出している映像、十字架を斜め上から映し出している映像、十字架を斜め下から上に向かって映し出している映像、そして十字架を背後から映し出している映像を固定して映し出す事となった。 『それではソフィア様……これより準備に取り掛かりますので、お召し物を全て脱いでこちらの篭へ納めて下さい』  二人いるメイドの内の一人がその様にソフィアに促しを入れ、戸惑う彼女の足元に大きな篭を置く。そしてソフィアの返事を聞く素振りも見せずに服のポケットからリモコンの様なものを取り出し、そのスイッチを入れる動作を行う。すると、金属製の大きな十字架の内部から機械音が鳴り響き、十字架の根元が機械駆動によって徐々に背後の方へと倒れ始める様子が映し出された。  ゆっくりと十字架が倒れ込んで完全に水平の状態になると、それ以上動かなくなって機械音もゆっくり収まっていった。十字架が完全に動かなくなったのを確認した二人のメイドはそれぞれ十字架の上部と下部に分かれて移動し、それぞれが手に持った道具を十字架に設置しようと作業を始める。  上部の作業を担当したメイドの手には二つ革製の枷が握られており、それを十字架に固定すべく枷に付いた留め具を外して準備を整える。そしてその留め具を十字架の横に伸びた棒の端部分に設けられた頑丈そうなフックに引っ掛け、しっかりとロックをかけて外れないように施していく。  あなたはそれを見て“手を拘束する為の枷”であるとすぐに悟り、この十字架にソフィアは裸の姿で罪人の様に拘束されるのだろうと想像を膨らませる。  もう一人のメイドの方は十字架の根元付近に移動を終え、その根元より少し上の所に開けられた窪みの様な穴に手を差し向けていく様子が伺えた。  手には“拳”くらいの大きさの四角い金属の塊が握られていて、その金属塊を十字架に開いた窪みに差し込むとそれが簡単には外れないようにと十字架の横に開いたネジ穴から太いネジを入れ込んで塊に固定を施していく。  拳くらいの大きさのその塊は恐らく“足を支える”為の足置きの役割を果たすものであろうと予想は出来るが、その塊の大きさから見るに足裏全体を置くには幅も長さも足りておらず……せいぜいカカトを置くぐらいしか出来ないだろうとも思えてしまう。  成程、そこにカカトを置かせて立たせるのであれば、その塊に体重を預けつつも足裏の大事な部分は宙に浮かせる格好を強いることが出来る……恐らくそれを狙ってメイドはその足置きを設置したのだろうとあなたは再び想像を膨らます。  丁度それらの設置が終わった頃合いを見てソフィアの方も、着ていたメイド服を全て脱ぎ……衣服を篭の中に納める事となった。  薄暗い部屋に映える白銀の美しい髪、白く透き通る様な肌……首筋は細く、カーブを描くように撫で降りた肩は女性らしさを醸し出し、見る者に華奢な背格好であると認知させる。  浮き出た鎖骨の下には彼女の胸が控えめに膨らんでおり、その胸を彼女の右腕が隠している。引き締まった横腹……そこからまた女性らしく膨らんだ二つの球形の桃肌が露見し、内股に重ね合わせている太腿と大事な部分を見せないよう恥じらいながら隠す左手が僅かに羞恥に震えている様子が伺える。  軽く曲げた膝、靴下や靴を脱ぎ去った細い脚、そして地面の冷たさに耐え兼ねる様に爪先で立とうとしている裸足の足先……衣服を全て脱ぎ去ったソフィアは、今までの涼しい表情から一変して羞恥に燃え上がる熱をその顔に浮かばせてメイド達を睨んでいた。 『では、ソフィア様……こちらの台へ上がって頂いて、カカトをココにつけて横になって下さいませ』  強気に睨むソフィアの視線など気にも留めずメイド達は淡々とその様に零し、横に倒した十字架の方へとソフィアを誘導する。  そして手を添えながらソフィアが台に上がり込む事を手伝うと寝かしつける様に誘導を続け、彼女が寝姿勢になるや否や足元に待機していたメイドはソフィアの足を揃えて“カカト置き”の上に運び、足首の所に設置されてあった太いベルトを彼女の足首に巻いてしっかりと錠を掛けて固定を施した。  それと同時にソフィアに手を貸していたメイドの方はその握っていた左手を十字架の横棒の端へと誘導し、先程設置した枷へその左手の手首を宛がってベルトをきつめに締めて固定を行った。  それが終わると次は反対側へと回り込んで同じように右手を誘導し拘束を行う。  あれよあれよの間に両手両足の拘束が成されるとソフィアは苦々しい表情を浮かべながら、自分の手足が自由に動かない事を改めて力を込め確認する。  拘束を終えると、先程リモコンを操作したメイドが再びポケットからそれを取り出して同じスイッチをタップする。すると、十字架の中から同じような駆動音が鳴り響き出し、今度は十字架を元の位置に戻そうとソフィアを乗せたままゆっくり立ち上がりを始める。  台が持ち上がっていくと、寝姿勢から徐々に立ち姿勢へと変化しソフィアの体重は背中から足の方へと移動し預けられる事となる。そして、完全に十字架が元の通り垂直に立ち上がると、ソフィアの体重は全て足へと預けられ……その体重は台の下部の短い足置きに置かれた“カカト”に集中し、それ以外は足を宙に浮かせた状態を強いられる事となった。  完全な裸体となったソフィアは、スポットライトの影響もあってか白い肌は増々その白さを輝かせ、十字架に磔にされた聖人の様に美しく映し出されていた。  十字架の横棒はソフィアの頭の位置付近から横に伸びている為、手は真横ではなく斜め上に挙げさせられている。それ故彼女の胸はおろかワキの部位も無防備に晒されており、ソフィアはそこに何をされても抵抗は行えない。  足の方も十字架の根元から少し高い位置に足置きが設置されている為、いちいち寝そべらなくてもしゃがみ込みさえすれば簡単に足裏に手を這わせ事が出来る。斜め下から映し出している映像にはソフィアのモジモジさせている足先と隠れていない半分以上の足裏も見て取れている為、決して責め辛いという事はないだろうと想像できる。  ソフィアは罰を受ける為に弱点の箇所をことごとく無防備にさせられ十字架に磔拘束を施された。手を降ろす事も、足を逃がす事も全く出来ない……完全な拘束を…… 『フフフ♥ お待たせ♪ 準備は完了しているかしら?』  丁度ソフィアの拘束が終わりメイド達も息をつこうと手袋を外しかけた頃合いを見て、ルルシア嬢がその様に上機嫌に零しながら地下室の扉を開いて中へと入って来る。  出迎えの時は簡易的なドレス姿で応対していたが彼女はソフィアが拘束される間に着替えたらしく、先程の煌びやかな衣服とは正反対の……黒一色で統一した光沢のあるゴム素材の衣装を纏ってその部屋へと入ってきた。  金色のウェーブの掛かった髪と彼女自身の童顔によって可愛らしい印象を受けていたルルシア嬢だったが、その露出の多い黒い衣装を身につけると途端にサディステックな女王様の様な印象に早変わりしてしまう。  八重歯の覗くニヤついた口元、自由を奪われたソフィアを見るその目は酒でも引っ掛けたかのように惚けており頬も真っ赤に熟れきっている。  際どい角度に切れ上がったハイレグ状の衣装に、横腹や胸の谷間を豪快に見せる服の切れ目……衣装が締まって見えるよう腹部に巻かれた鎖は腰の真横で余った部分が垂れさがり暴力的な見た目の印象に拍車を掛ける。  鞭の一本でも振り出しそうなその格好に、ソフィアは顔を引き攣らせ目を背けようとしてしまう。  そんなソフィアに近づいたルルシア嬢は、横を向こうとする彼女の顎をガシリと掴んで無理やり自分の方を向かせる。そして怯える目をしているソフィアにニコリと笑みを浮かべて…… 『さぁ、ソフィアちゃん? このお薬……飲んで?』  っと、片手に持ったコップを口元に運んでいく。  ソフィアはそのコップに入った液体を見て増々怯えの色を濃くし、顔を横に振って拒絶するが…… 『ソフィア様、少し失礼いたします♥』  両脇に控えていたメイド達がソフィアの顔を上に向けさせ、手を口に突っ込んで無理やり開かせ……ルルシア嬢がその薬を飲ませるという行為を援護してくる。 『うぐぅぅぅ!! んんっっ!!』  喉の奥までその液体が流れ込んだのを確認すると、メイドはソフィアの口を閉じさせ鼻をつまんで口内に残った液体を完全に飲まそうと働きかける。  鼻をつままれて呼吸が苦しくなったソフィアは仕方なくその残りの液を飲み干し、軽く咳込みながらルルシア嬢の粗暴な行いに気丈な睨みつけを行う。 『ゲホゲホ! 今……何を……飲ませたんですかっ!!』  ソフィアがそのように聞くと、ルルシア嬢はコップをメイドに預けながらニンマリした顔で言葉を返す。 『大丈夫♥ 身体に害がある様な変な薬じゃないわ。少し身体が敏感になるだけ……ただそれだけの薬よ♪』 『か、身体が……敏感に??』 『即効性がある薬だから……ほらもう、効き始めを実感してるんじゃない?』 『っ!? うっっ……うっ!? 何コレ? 身体が……熱くなって……』 『フフフ♥ そうでしょ?』 『っっうぐっ!? 身体中が熱くなってるのに……勝手に手足が……震える!? 寒くもないのに……勝手に……』 『この媚薬はね、刺激を感じる“神経”を敏感にする薬効がメインなの♥』 『んんっ! 神経が……敏感に?』 『神経がありえないくらい敏感になっているから……自分の体温を“熱い”って感じるし、ちょっとした空気の動きを感じると“寒い”って知覚してしまうわ♥ まぁ、それだけ敏感になってきているって事だから……しばらくは熱いのと寒いのを交互に繰り返すかもね?』 『な、な、なんですか……そ、それは! 何でそんなものを私に……』 『何でって……そんなの決まっているじゃない♥ ソフィアちゃんって不感症なんでしょ? だったら……ちゃんとこれから行うコチョコチョが効くように下準備をしなきゃ……でしょ?』 『こ、コチョ……こちょ?』 『あれぇ~? その困惑顔……まさかソフィアちゃん? こんな風に裸に剥かれて、こんな風に拘束されているのに……私からくすぐられないと僅かでも思っていたの?』 『い……え……でも、私……不感症ですから……もしかしたらもっと別の何かを……と』 『折角ソフィアちゃんが来てくれて、何をしても良いって状況なのに私がくすぐりをしないなんて事……有ると思う?』 『う、うぅ……』 『そのために今……憂いでもあった“不感症”を改善してあげたんじゃない♪ まぁ、一時的に……だけど……』 『あ、う……うぅぅ……』 『今日は遠慮も我慢も一切要らないわ♥ いつも真面目な表情ばかり浮かべてるその綺麗な顔に……たっぷり笑顔を刻み込んで帰って頂戴ね?』  見た目相応に無邪気な笑顔を向けながらそのように言ったルルシア嬢は、ソフィアの引き攣る顔を眺めつつ「ヨイショ」と零しその場の床に座り込んだ。  十字架の根元の赤い絨毯がひかれた床……そこにお嬢様らしからぬはしたない胡坐をかいて座ったルルシア嬢は、血の気を引かせて下を見るソフィアの顔を見上げながら両手を逆手に構えてスッと彼女の足元に滑り込ませていく。  これからどんな刺激が与えられるのか想像も出来ていないソフィアは不安と困惑の両方を表情として浮かべているが、ルルシア嬢の小さな手が自分の足下の空間に忍び込んできていると空気の揺らぎで感じ取ると……その緊張して固く結んでいた口元は弛緩するように力を緩ませ、勝手に唇が波立つように歪んでしまうのを感じた。  自分の足裏のすぐ下に……ルルシア嬢の手が構えながら差し込まれている……  あの細い指が……自分の足裏をこれから触ろうとしている……  薬を飲まされて、風の揺らぎすらも感じられるように敏感にさせられた……足裏を……  っと、ソフィアがそこまで想像を促されると、全身に再び強い寒気が駆け巡らせ思わず身体をブルリと震わせてしまう。そしてルルシア嬢はその震えを合図にするように歯を見せながらニィと笑みを浮かべ…… 『それ♥ コ~~~~チョ、コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ~~~!!』  という言葉と共に両手を一斉に蠢かせ、ソフィアの左右の足裏を無遠慮にくすぐり始めた。 『うぐふっ!? ふぐっっく!! うぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!』  指が動き始めると足裏全体の神経が一斉に湧き立つようなムズ痒さに襲われた。ランダムに優しく足裏の肌を引っ掻いていく20本の指達……その指が肌に触れていくたびに、ゾワッ! ゾワッ!と思わず足を動かしてしまいたくなるような痒さと寒さを同時に纏った強烈な不快感がソフィアに襲い掛かる。 『くふっ! ぐっっふっっ!! うっ……うっっっくくく……』  その不快感から逃げようと必死に足を左右に振ろうとするが……足首を拘束されているソフィアは足裏をルルシア嬢の手から逃がす事は叶わない。それ故その不快感はすぐに彼女の胸下へと圧を蓄積していって、徐々に喉元までソレを押し上げる様に込み上げさせると……  とうとう彼女は…… 『ぶっっ……はっ!? いひゃ~~~~っはははははははははははははははははははははは、やだぁはははははははははははははははははははははははははは、くひひひひひひひひひひひ、うぁははははははははははははははははははははははははははははは!!』  ……笑わされた。 『アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、いひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! く、く、くすぐっっっふぁひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、くすぐったいぃぃ~ひひひひひひひひひひひひひ!! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』  普段、無表情が当たり前であり、笑うとしても社交辞令的な笑みしか浮かべないソフィアを……まるで子供の時の無邪気さを思い出させるかのように、大いに笑わせた。 『あっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、っっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!? にゃにコレぇへへへへへへへへへへへへへへへ、わたじぃひひひひひひひひひひ、笑っでるぅふふふふふふ!? 足の裏くすぐられでぇへへへへへへへへへへへ、笑っでるぅぅぅぅ!! ッアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』  それはソフィアにとって初めての経験だった。あなたやエリナにくすぐられて多少なりに笑わされたことはあったが、それは100%純粋な笑いなどではなかった。ある程度はその場の空気に合わせて少し演技混じりの笑いを交える事が殆どであったため……このように自分の意思とは無関係に笑わされるという経験はかつて味わった事がなかった。 『っっっはぁぁぁあぁあぁぁぁっははははははははははははははははははははははは、ひぃっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、くすぐったひぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひ!! ルルシア様ぁははははははははははははははは、コレ滅茶苦茶くすぐったいですぅぅぅふふふふふふふふふぁははははははははははははははははははははははははは!!』  ソフィアは外から加えられる刺激にすぐに慣れてしまう体質を持っている。それ故、最初こそ素の反応を見せる事はあっても、すぐに刺激に慣れてしまって……何も感じなくなってしまう。  ソフィアの言う不感症とは刺激への慣れの速さが異常である事で成り立っていたのだが、しかし今日……ルルシア嬢から飲まされた薬は、その“慣れる速さ”を鈍化さる効果を持っていた。  ソフィアのそういう体質を見抜いていたルルシア嬢は特別に作らせたのだ……その“強み”を“弱点”に転換させられる薬を……。 『あっっははははははははははははははははははははははは、やははははははははははははははははははははははは、ゾワゾワするぅぅぅふふふふふふふふふふふふ、足裏がぁはははははははははははははははははは、ゾワゾワしてゾクゾクが続くぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふふふふ、いひゃ~っはははははははははははははははははははははは!!』  肌ではなく神経自体を敏感にさせる薬である為、くすぐったいと感じた刺激が脳に届く頃には他の神経からも集まった些細な刺激もそのくすぐったさに混じり脳を混乱させる。身体の些細な動き、心音、空気の揺らぎ、血液の流れさえも敏感に感じ取れる身体になっている今……それらの小さな刺激も“くすぐったい”という刺激に上乗せされて脳が処理してしまう。それ故、足裏への刺激と脳で処理した刺激の質は若干異なり……正常な刺激として認知されない。  分かり易く言うならば、足裏から発したくすぐったさは脳へ行き着くまでに他の刺激がくっ付いて辿り着く為、元の刺激とは異なる感じ方をしてしまう……だから、足裏を連続でくすぐられても毎度違う刺激だと脳が勘違いしてしまい一向に慣れてくれない。刺激に慣れないのだからくすぐりも毎回新鮮に感じられ、いつまでも“初めてくすぐられた”という勘違いを起こし笑わされる。  それがソフィアの飲まされた薬の正体だった。  刺激に対する処理能力が早いソフィアに対する一つの答えが……この薬だったのだ。  勿論、その薬を使う事はルルシア嬢から先に連絡を受けていた。  だから、薬効も知っているしソフィアの反応にあなたは驚く事もない。しかしソフィア自身は合点がいかない様子だ……何せ、今まで生きてきた中でこれ程までに“くすぐり”という刺激に翻弄された事はなかったのだろうから……  それが、薬を飲んだ途端にすぐに効果を表わしたのだから……そりゃあ合点がいくはずもない。今まで奴隷を調教して「何でこんなに苦しがっているのかしら?」と思う程くすぐりに対して冷静でいれたのに、その余裕が今完全に崩されかけているのだ……それを理不尽だと思う事はあっても当たり前だと感じることなど出来ない。 『ほぎゃぁ~~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、引っ掻かないでぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! ルルシア様ぁはははははははははははは、爪で引っ掻かないでくだしゃいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!』 『あら、爪で引っ掻かれるのが嫌なの? それ……何処を? 土踏まずとか?』 『ハヒィィヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、ヒィヒィ! 土踏まずぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! そこヤバいぃぃっひひひひひひひひひひひひひひひ!!』 『そ? それじゃあリクエストにお応えして~♪ カリカリカリカリ~~♥』 『ほぎぃぃっっっ!!?!?!? ヒギャ~~~~~ッッハッッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、いひゃ~~~っははははははははははははははははははははははははははは!! リクエストしてませんっっ!! してませんんんっっふふふふふふふふふふふふふ、ぁはははははははははははははははは!!』 『だって……ワザワザ弱点を教えてくれるって事は、そこを責めて欲しいって事でしょ? ウチではそういう事になっているわよ? カリカリカリ~♥』 『イギャッッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、違っっはははははははははははははははははははははははは、ヒィヒィ!! 違っっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、本当にやめて欲じぐでぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!』 『やめる? 私がそんな事言われてやめるとでも? コチョコチョ~♥』 『はひぃぃっひひひひひひひひひひひひひ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!! 苦ひぃっっ!! ルルシア様ぁははははははは、もう苦しいですぅぅふふふふふふふふふふふふふふふ!! だから、やめぇへへへへへへへへへへへへへへへ』 『何を言っているの? まだ足裏をほんのちょっと挨拶程度に触っているだけじゃない♥ まだまだ苦しくなるのはこれからよ♪』  『っっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? う、嘘ぉぉぉ!!?』 『本番はこれからだけどぉ……でも、やっぱり私一人でソフィアちゃんの事イジメるのは心苦しいから……今から特別ゲストを呼んで一緒に責めさせても良いかしら?』 『と、と、特別ふふふふふふふふ、ゲストぉほほほほほ??』  すっかり強制される笑いに翻弄され、言葉の端々に余裕の無さが見え隠れし始めた頃合いを見て、ルルシア嬢は足裏のくすぐりを一時中断しソッと手を離してあげた。 『ハァハァハァハァハァ……ひぃ……はぁはぁ……』  足裏を触られてから一切途切れることなく笑わされ続けたソフィアは、肩を上下に震わせながら荒い呼吸を繰り返す。  くすぐられるという緊張から解放され一気に身体の力が抜け脱力感を感じる彼女だったが、ルルシア嬢がメイドに言って呼び出させた“特別ゲスト”を見て驚愕に目を丸めてしまう。 『はい♥ ソフィアちゃんにサプライズのゲストの登場よぉ♪ さぁ、入って入って~♥』  その様に促され奥の扉から部屋へと入ってきた女性は…… 『あ、あんた……リサっ!? 何でここに??』  つい先日、調教の失敗により商人のもとへと送り返された……鬼灯リサ……その人だった。  リサはハイヒールをコツコツと響かせながら入室し、ソフィアを睨みながら低い声で言葉を零す。 『……あんた、たしか……姉の方よね? 名前は……ソフィアとか……言ったっけ?』  ルルシア嬢と同じ黒い際どい服を身に纏い、鋭く睨む視線を向けて彼女はソフィアに近づいてきた。  手には大きな鳥の羽根を携え、口元には睨む目とは対照的に嬉しそうな笑みを浮かべている。 『あの時はよくも私の事……いたぶってくれたわね。キッチリお返ししてあげるから……覚悟なさい?』  大きな羽根でポンポンと手のひらを軽く叩き、リサは低い声で脅すように言いながらソフィアと向かい合う様に正面へ立つ。  ソフィアは顔を引き攣らせつつ怯える目でその羽根を見つめ、そして視線を逸らすように横を向く。そんな彼女の顎をガシリと片方の手で掴んで無理やり正面を向かせ、さらに低い声を喉奥から響かせて彼女に言う…… 『あんたにされた事……ぜ~~んぶこの身体が覚えているわ。だから、それをそのままお返しして……死ぬほど苦しめて……あ・げ・る♪』  サディステックな笑いが口元から零れると、リサは早速羽根を構えてくすぐる体勢を整える。  羽根先が狙うのは、ソフィアの無防備に開かれた“ワキ”……  薬によって敏感にさせられている……彼女の“ワキ”だった。 →#78へ


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