「っ痛てて…。」
大きく振り切った足は空を切り、ヨウスケは尻もちをつく。
「よけられた…?」
不自由な両手で何とか立ち上がった目線の先で、ヨウスケはモンスターと目が合っていることに気づく。
「なんで…?アイツ、大きく…ってか俺が小さく…?」
ブンッッ!
またも空を切るヨウスケの足。違うのは、生えている場所。足を振った攻撃者。
「危ねぇっ!」
「なんだよ…どうなってんだよ…!?」
足技も封じられ、反撃の手段を失ったヨウスケは転げまわりながら逃げ回るしかなかった。
「ツ…カ…マエ……タ……」
ヨウスケのスタミナが底をつき、短い脚をもつれさせたときには、ヨウスケの体はモンスターのものと完全に入れ替わっていた。
「ア…タマ…モ……、ヨコ…セ……」
「やめろ…こっちにくるな…!!」
キィィィン
真っ白になった視界が色を取り戻したとき、目の前に立っていたのは、見慣れない装備に身を包んだ、見慣れた自分。
見上げると見慣れた顔つきの自分が見慣れない表情でこちらを見下ろしてくる。
「俺の…身体…。俺の…顔…!」
「…オレハ…戦士。モンスターヲ…斬ル!」
「やめろ!!助けてェ!!」
さっき練習した通りに振り下ろされた剣をすんでのところでかわし、不格好に空へ舞い上がるヨウスケ。
「ハァ…ハァ…俺…飛んでる…!!とにかく…逃げないと…!!」
その後「人語を話す鳥型モンスター」の噂がプレイヤーたちの間で広まり、狩られたり飼われたり使い魔にされたり…したのはまた別の話。
keeely
2025-08-31 15:14:15 +0000 UTC