重装歩兵を塵殺していく魔軍。止まらない止められない。
だがそれは前戯ですらなかった。
生き残ったエルフ剣士達は衝撃の光景を目の当たりにする。
「あ、あれは……!」
エルリアの剣士は恐怖した。
立て直しを図るエルフ防衛隊に衝撃の光景が叩きつけられる。
それは”盾”だった。
ただしその盾は
ドウホウノカタチをしていた。
そして「掌」がなかった。
全てのエルフの掌だった部分には杭が貫かれている。
手を貫かれ、杭が穿たれつるされている。
魔大国。古来からの『ゲン』のやり口。
「生きて、いる?」
その”盾”は生きていた。
「殺して、殺して……」
そして絶望していた。
幾重にも重ねられた魔の呪法がエルフを苦しめ犯していた。
「おねがいはやくころしてころしてころしください、このままじゃ……このままじゃっ……あがっ……あがああああああぁぁあぁぁ!」
犯され、壊され、G・オーバーロードの支配下におかれる末路は死に勝る恐怖と苦痛
呻き、苦しみ、絶望の血の盾がずらりと並ぶ。
むしろすぐに死んでいたほうが慈悲はあったろう。
「虐殺の大君主」はただ虐殺するだけの生ぬるさはなかった。支配し犯し苦しみ抜き、力をぬきとった後で殺す。それは人に対するやり方ではない。特別指定害獣を塵殺するがごとしのやり口だ。
その点、真っ先にゴミのように塵殺された重装歩兵には救いがあったといえるだろう。
「あっ……あっ……」
怒りがあった、義憤があった。そしてそれを上回る――恐怖があった。
一瞬で塵殺された重装歩兵の死屍累々の屍、そして彼方の『大君主』の武威が現実を叩きつける。
――絶対に勝てないと。
oniQ
2024-05-17 16:41:18 +0000 UTC