「――君も核武装しないか?」
「!?」
第六魔王との戦い
空間が停止する。
”志公”。第六魔王決戦都市政長シエトは言った。
「――――」
(馬鹿な……)
いったい何を考え何を言っている?
この鉄火場で?
『核武装』?
常軌を逸してる狂ってる。
だがその狂った一言が死の行軍を停止させたのも事実だった。
「そう異常な目でみないでほしいものだがね。政治家だからね、傷ついてしまう」
”志公”は苦笑した。一欠片も傷ついた様子はない。
「弱者が強者から殴られないために、武器を用意する。いじめられっ子が、いじめっ子から身を守るために、武器を用意するのと同じさ」
この”志公”の異名の一つ。
「殴られないための抑止力を用意する。政治家として当然の務めだよ」
――核武装おじさん。
絶対に敵に回したくない、危険なおじさんだった。
◆
「むろん、条件がある。一対一だ。魔族側の戦士を用意するといい。
こちらも人間側の戦士を用意する……君達が勝てば私達は降伏し、核も君達に譲ろう……はれて君も核武装だ」
核武装おじさんが堂々と核武装を勧める。背信行為なんていうレベルじゃない。
「断ってくれてもかまわないが……その時は核を爆発させるだけだがね」
圧倒的破壊の力を背景にした取引。
だが現状でこの手札をきる事は彼らの切り札を失う事を意味している。
だがそれにも全く気にする様子はない。
この核武装おじさんは確信していたのだ。
人類側の戦士が
――ソレより危険だという事を。
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