激戦を極めていた。
飛び交う魔物の群れを、誘導し撃滅していく。
討ち漏らした魔物は、白の女兵士達が集団で抑え込んでいた。
◆
「あとはてめぇだけだぁ!」
魔物の第三波の猛攻、第三波の頭と対峙する。
「おおおおおおぉぉ!」
神理を紡ぐ。
風の神理。交わりによって得た炎と魔特攻の混合神理。
特攻の風炎が魔大国の怪物を裂き、潰し、討滅する。
「っしゃおらああああぁぁぁ!!」
これで――
「第3波、全部ぶっ殺した」
炎上する魔物の死骸、破壊された建物。
人的被害は極力抑えられている。俺の消耗は激しいがギリギリ持ち堪えているといった所だろう。
「勇者様!!」
「お見事です。魔王をも討伐したその力……本物です!」
「……あぁ」
(あの時の半分以下だが……)
それすらも一番強い時のものではないが……それは今はいい。
(問題はこの戦いだ……)
敵の頭をとる事。
やはり魔大国の数は多い。ここに回す戦力はわずかと踏んでいたし奴らにとってはそうなのだろう。問題はそれでも恐ろしいほどの戦力だという事だ。
消耗戦に入ると押し切られる。今日を乗り切る事は可能だろうが、これをあと数日というのは分が悪い賭けだ。
「次がくるまで……数時間か」
奴らは時間をおいて攻撃してきている。そして次の攻撃には数時間おいてからきていた。そして――
(頭は……あのあたりか)
敵軍の彼方。そこに異質な気配が近づいているのを感知する。
戦っているうちに、今の敵の頭がどこにいるか探れている。
前線が削れ、頭が少しづつ前にきている。明日やつらに増援がきたらわからないが、少なくとも今日はやつらの援軍の気配は感じられない。
(次だ、次で殺す……)
もう少しで、俺の特攻射程。
殺れるかもしれない。
合体神理で飛べば頭の元に辿り着けるかもしれない。
だが……
「勇者様?」
俺が防衛ラインから離れると、残った女兵士達は死ぬだろう。
俺がここで敵をひきつける事に専念すれば被害は抑えられる。彼女達の命を最優先にする場合はそうだろう。だがその戦いで数日間しのぎきれる可能性は低い。
彼女達の命をとるか、敵の頭を殺る事をとるか。
(…………)
答えは、方針は決まっていた。
「次の四波、俺は頭を殺りにいく」
「――」
「ここは任せる」
「っ!」
俺がここを離れる。
その宣言は彼女達の死を意味していた。
敵の戦力は彼女達の予想を上回っている。
俺が離れて頭をとりにいけば、ここの守りは一気に手薄になる。
俺がひきつけ倒し、漏らした魔物を集団をもってあたるという作戦が使えなくなるのだ。
(死ぬだろうな)
だが彼女達が俺の特攻についてくるのも悪手。
彼女達の任務は結界都市の入口を守る事だし、それに前線の将クラスの敵と
対峙するには明らかに力不足。あっと言う間に屠られるだろう。
よって俺一人の単独決戦。
(今生の別れになるかもな……)
自分が死ぬか、彼女達が死ぬか。あるいは両方か。
「ですがそれはあまりにも……」
「勇者様が一番危険ではないですか?」
「そうだな……じゃあお前達は安全か?」
「それは…………」
「奴らは俺達を防衛だけだと思ってる。
そこに穴がある。一気に潰す」
第三波で焦れて、前にでてきたのがその証拠。
(誘いって可能性もあるが……しったことじゃない)
「ここで殺す、ここで滅ぼす」
「勇者様……」
息を飲む音が聞こえる。あまりにもリスキーな方法。彼女達にとっても異質に見えるだろう。だが奴らと殺し合ってきた経験が違う。
ここで勝負をかけるのが大きな戦果を得るという確信があった。
交わりによって、俺は限定的に複数の神理を組み合わせ組み立てる事ができる。辿り着ける事はできる。あとは力押しの殺し合い。
このままでは削り殺される。殺られる前に殺るというシンプルな結論。リスキーだがリスキーでない戦場などない。
「わかりました、、勇者様」
「ですが勇者様……せめて私達にできる事を……」
「風ノ勇者の力、その一端は存じております」
「勉強家だな」
「繋がりを強くする事で、力を得られると……」
「回復もできる」
なんにしろ、役には立つ。
「ならば、私達をお使いください」
「心の準備はできております」
「一番は……セックスだ」
「っ!」
「さすがその時間はない。口で頼む」
「それはフェ――」
「キスだぞ」
「す、すいません勇者様」
平謝りする女兵士達。
意外と大胆だ。このエロい体にエロい格好。
(やっぱりこの娘達エッチだぞ!!)
おらムラムラしてきたぞ!!
ここで死ぬかも知れないのだ。ヤれるうちにヤって力をつけて決戦に挑む。
「じゃあ……」
特攻作戦まであと数時間。
それまでにこの女達からできるだけ力をもらう事にする。
ここはやはり……