小説部分です。
「石を蹴る女」
作:はんげしょう
日が暮れようとしている。
夕焼けが川にも映り込み、河川敷に生えている枯草も哀愁を漂わせる。
恋太少年は学校帰り。いつも河川敷沿いを通って家へと帰るのだが、ここ最近、制服を着た自分より8つくらい年上だろうか?女の人が川に向かって石を蹴っている光景を毎日のように見かける。
恋太少年は河川敷の芝生の上に寝転がって、少し離れた場所から女の人の様子を眺めていた。
「あぁ……っ!クソが!」
そう叫びながらひたすら、石の下の地面ごと抉るように、川に向かって蹴り上げている。
なにやってるんだろうかと恋太少年は気になっていた。
恋太少年は口が悪い女の人をそう思いながらじっと見つめていた。
その女の人はカールがかかった黒髪で、一見おしとやかそうにも見える。恋太少年にはわからないだろうが、きれいな女性であることは間違いない。
「この……っ!クソが!死ねよ!アホ!」
恋太少年は、なんだかその女性にシンパシーを覚えた。
恋太少年も口が悪いのだ。ついつい『死ね』や『ゴミ』といったワードが口から出てしまうのだ。
よく友達にもそういったワードを使ってしまう。
「クソすぎんだよクソが!死ね!クソ!」
なんだか聞いているこちらも清々しくなってくる。
普段母親に勉強をしないだけで怒られたり、ゲームを没収されている恋太少年にとっても母親という存在が『クソ』に思えるのだ。
きっとあの女の人にもそういう存在がいるに違いない。
……あ。女の人が何かを見つけて少し歩いた。
女の人が見つけたのは、何やら黒い玉のようなもの。花火玉のような見た目で、どう見ても怪しい。
女の人は、ニヤッと笑うと、それを川に向かって蹴りあげた。
その刹那、宙に浮かんだ黒い玉が割れて、中から大量の白い煙が噴き出した。
「うわっ!」
その煙は少し離れていたところにいた恋太少年の所まで迫ってくる。
「やべ、やべぇ!」
恋太少年は芝生から立ち上がろうとするが、すでに煙は、恋太少年の身体を包み込んでいた。
「……ん」
煙に巻かれた後、恋太少年は気絶していた。
「えっ」
恋太少年の視界が晴れる。賢い彼はすぐに異変に気が付いた。
「嘘でしょ、なんで俺がスカート穿いて……それに髪の毛も長く……」
恋太少年は、ハッと思い、川を水面をのぞき込む。
「あっ……俺、女の人になってるーーーー!?」
恋太少年は、女の人になってしまった。
「うん……?」
後ろを振り返ると、さっきまで自分がいたところに、恋太少年の身体が倒れている。
「もしかして、この女の人が俺の中に……?」
恋太少年は、その場に倒れて気絶している恋太少年の身体の方に近づき揺さぶってみる。
「ん……へっ……?!私……!?」
恋太少年の姿をした誰かは、今の恋太少年の体を見てそう叫んだ。
ということは、二人の身体が入れ替わったというので間違いがなさそうだ。
「やっぱり、俺の中にいるのはお姉さん」
「あなた、誰?!……きゃぁっ、私の身体が!!??」
恋太少年の見た目をした女の人は、自分の体をペタペタと触りだした。
「まさか……まさ……、ねぇ、君……この身体ってもしかして君の?」
「うん」
「どうしよう……このままじゃ家に帰れない」
恋太少年の顔を使って困った表情をする女の人。
こういう時、恋太少年はどうしたらいいかわからない。
「こっちが聞きたいよ!なんで俺が女の人になってるんだよ!」
恋太少年も半ばパニックに近い状況だ。
唯一当たることができる女の人を責め始めた。
「……たぶんさっき私が蹴ったあれのせい……」
「早く戻してよ!」
「私もあれが何が何だか……、とりあえず、さっきの玉の破片とか探すね」
女の人は立ち上がり、さっき女の人がいたあたりを探し始めた。
恋太少年も、戻れなくては困るので黒い玉の痕跡を探す。
「やばい、そろそろ門限だ」
恋太少年はあたりが暗くなっていることに気が付いた。
「……今帰るの私じゃん」
「そっか、じゃあ俺はまだいいのか」
「はぁ……わかった、じゃあ家教えて。私が帰るから」
「いいけど、俺はどうするの」
「私の家に行けばいいよ。……メールとかできる?」
「俺、スマホ持ってるよ」
さすが最近の子供。きちんと親がスマホを持たせていた。
「わかったメアド教えて。……はい、これでよし」
今日はお互いの家に帰ることになった。
恋太少年は、今は『大橋 綾香』という女の人になっているらしい。
いろいろお姉さんと話をしたが、特にクソクソ叫んでいた理由などは教えてくれなかった。
案内された家はごく普通の一軒家。恋太少年の家も一軒家なので、ここは変わらない。
お姉さんの家に入ると、母親がいたが、特に何も話さなかった。
「いいや、お風呂入っちゃえ」
恋太少年の家では、帰ったらすぐお風呂が用意されている。
おそらく脱衣所と思われる所で、恋太少年は今着ている制服を慣れない手つきで脱いでいく。ブレザー、ブラウス、制服のボタン式リボン、キャミソール。
そしてスカートを脱いでいく。
「うえ、ボタンとかめんどくせぇ。……なにこれ、どうやって外すんだ、女ってめんどくせぇ……あっ、後ろに回して外せばいいのか。俺頭いい!」
少してこずりながらも自分のブラのホックを外すと、その中に隠されていた、女性の乳が姿を現した。
恋太少年は鏡を見ながらその乳を右手で掴んでみる。
もっちりとした新鮮な感触に、恋太少年はうっとりした。
「すげぇ、女のおっぱいってこうなってるのか」
……と、今の自分の胸をいじっているうちに肌寒くなってきた。
早いこと下も脱いでしまって風呂に入って温まろうと、ショーツのほうにまで手を伸ばす。
「わっ、ち○こねぇじゃん!母ちゃんのと同じじゃん!、それに、毛が生えてるし、どうなってんだ、これ」
恋太少年は、自分の股間部分を触ってみると、割れ目があることを発見した。
「女ってお尻がここまで割れてるんか?」
その割れ目に向けてもう少し攻め込んでみる。
「んぁっ……、やべ、……女のケツの穴に指入れちゃった……きたねぇ……」
恋太少年は知らない。それはケツの穴ではなく、女性器だということを。
「うぉ……なんだか今の……気持ちよかったな……んっ……!あっ……寒いし、とりあえず風呂場に……って、風呂沸いてないし!」
風呂場でゆっくり続きを堪能しようとしたが、肝心の風呂が沸いていなかった。
恋太少年は自分が脱いだことが無駄だったと感じた。
「風呂、沸かしちゃお」
風呂に栓をして、給湯ボタンを押す。するとお風呂にお湯が溜まり始めた。
「お湯溜まるまでシャワーで温まろう……ひっ……冷てぇ、……よし、よし」
シャワーの蛇口をひねると、シャワーから冷たい水が噴き出した。しばらくすると暖められた水が出てくるようになった。
「はぁ~、……なんかおしっこしたくなってきた。……ち○こないけどどこから出るんだろ……あっ」
ジャアアアアアアアアアと、シャワーの音で自身のおしっこの音がかき消される。
このシャワーの音が、おしっこを出す快感を掻き立てるのだ。
風呂場でおしっこをすることは恋太少年の日課だ。
「よく考えたら、いま出してるおしっこ。俺のじゃなくてこの女の人のなんだよな……気持ち悪~~~」
股の間からおしっこの残留粒子が滴り落ちる。
恋太少年はシャワーノズルをつかみ、自分の股間に水流を当て始めた。
「んっ……!これ……なんか痛いけど、気持ちいい……!」
股間についているおしっこを洗い流すだけでは留まらず、自身の女性器への刺激を求め始めたのである。
「んくっ……やべぇ、気持ちいいなこれ、……!指、指……!うお、なんかトロトロして……ひゃんっ……声やば……しゅ、すごい……もっと奥まで……い、いだぁぁっ!!!」
恋太少年はお姉さんの身体を風呂場で堪能しつくした。
……すこし爪で中を傷つけてしまって痛い思いをしてからはヒリヒリするので触らないようにした。
女性器のデリケートさに恋太少年は気づいたのだ。
「……ふぅ」
自分の股間をさすりながら風呂から上がる恋太少年。
そういえば着替えを用意するのを忘れていた。
……仕方ない、お姉さんの部屋にこのまま向かうしかない。
すっぽんぽんのまま、脱衣所を飛び出し、家中のドアを開けては閉めを繰り返していく。
知らない人の家なので、やっぱり迷ってしまった。
恋太少年はよく友達の家に行っても部屋がどこなのか迷うくらいなのだ。
「よいしょ……、ここか。……まぁ俺の体じゃないし裸のままでもいいんだけど」
裸のまま恋太少年はお姉さんのベッドに腰を下ろす。
部屋を見回してみると、恋太少年の部屋とは違い、オモチャの類が一切ない。勉強机の上には手鏡やメモ帳など、あっても面白くないものばかりが並んでいる。
いつもなら部屋でゲームしている頃だが、この家にはそれっぽいものがない。
「リビングに降りてテレビでも見るかぁ……いや、でもおばさんに変なこと聞かれても困るしなぁ」
ここはグッとこらえた恋太少年。そういえばと、スマホの存在を思い出す。
スマホでゲームが出来るはずだ。
「そうだ、女子になった記念で一枚写真撮っておこう」
恋太少年は裸のまま、部屋に合った姿見の前に立ち、スマホのカメラ機能のシャッターを切る。
カシャリ。
画面には素っ裸のお姉さんがスマホを片手に鏡に映っている姿が映し出されている。
「前より背が高くなってるし……ジャンプしたら天井に届くかな」
恋太少年はその場でジャンプしてみる。お姉さんのしなやかな足を使って。
……しかし、残念ながら天井に手が届くことはなかった。
「ダメか……」
いい加減服を着よう。
恋太少年はクローゼットを開けてみる。中からは女物の洋服ばかりが並んでいる。
服なんかこんなに持っていても仕方がないだろうと、半ば呆れながら下着とパジャマを探し当てた。
「……女の人のパンツって、なんでこう、ヒラヒラなんだろう」
恋太少年はあとでスマホで調べてみようと思った。
スッと足を通してショーツを穿き、さっきとは逆の手順でブラを着衣していく。
「よし、あとはシャツみたいなこれと……パジャマっと」
キャミソールを着てから、パジャマへと袖を通す。
これで寝る準備はばっちりだ。
「あっ、そうだスマホスマホ」
スマホだけはお互い、心の方に合わせたものを持っていった。
これだけは自分のものであるため、操作には慣れている。
人の家にいるとやはり落ち着かなかったが、スマホを操作しているときだけはそんなことも忘れられた。
「メールは、……『どうやってトイレするの?』」
お姉さんからのメールだ。着信は30分前だ。
「あ……大丈夫かな。30分前ってことは今頃……」
まぁもう遅いしどうでもいいや、と。メール画面をタスクキルし、ゲームを起動する。
「よっしゃ、今日もドン勝食うぜ!」
この恋太少年、最近流行りのバトルロワイヤル系ゲームにドはまりしているのだ。
「おらおら!!!死ね死ね死ね死ね!!」
「あっ、まっ、お前さ!マジで死ねよ!カスかよ!やめちまえ!!!」
「は?死ね!!!」
ゲームを絶賛プレイ中だというのに、家の中で足音がする。
その足音は次第に大きくなり、こちらに近づいてくる。
ダンッ!!!!
「……ッ!!!」
恋太少年の手から突然スマホが消えてなくなった。
「な、何するんだよ!死んだらどうすんだ!!!!」
「……ッ!!!」
「ウッ……!?」
突然平手打ちが飛んできて、恋太少年の頬がぶたれる。
「痛い!!!」
「いい加減にしなさいよッ!!家にいる暇があるなら身体を売ってでも家にお金を入れなさいッ!!!」
「???」
突然のことに恋太少年は混乱した。平手打ちをかましてきたのは、お姉さんの母親だった。
「アンタ勝手に風呂沸かして入ったでしょッ!!!お父さんが一番風呂でしょうッ!ルールも守れないなんて、アンタもう出ていきなさいッ!!」
「……」
突然、本気でキレられてしまって、恋太少年はどうしたらいいかわからない。
いつも通りに過ごしていたはずなのに、わけもわからずキレられるのは恋太少年にとって理不尽極まりないのである。
「早く出て行ってッッ!!!!!アンタの顔なんて二度と見たくない!!!」
というと、お姉さんの母は突然恋太少年の首を両手で挟み込むように掴んできた。
「ぐっ…………!」
首を絞められ、もがく恋太少年。このままでは殺されてしまうかもしれない。
床に落ちている自分のスマホに手を伸ばそうとするも……
「何これ。これアンタのじゃないよね?どこで盗んできたのッ!!!アンタはッ!!!」
「ちが……これは……」
これは紛うことなき正真正銘の恋太少年のスマホだ。
しかし、今の恋太少年は、大橋綾香なのだ。
「立ちなさい」
お姉さんの母の指示通り、その場に立ちあがった恋太少年は、そのまま玄関へと誘導され、そのまま外に押し出されてしまった。
「二度と帰ってくるな!」
「スマホ……ッ!」
ガシャンッ。
非情にも玄関のドアの鍵が閉められ、恋太少年は家の外に裸足で追い出されてしまった。
「……どうしよう」
今までこんな風に親に言われたこともなかった恋太少年にとってはむごい仕打ちである。
恋太少年はとにかく、元の自分の家まで歩くことにした。
自分の家の前にたどり着いた恋太少年はまず、インターホンの呼び鈴を押す。
いつもならカギを持っているので押す機会はあまりないが、今は何も持っていないのでどうしようもない。
『どちら様ですか?』
恋太少年の母親の声だ!
「俺……じゃなかった、恋太君の友達です」
『ずいぶん大きなお友達ね。……恋太~この人友達?』
『そうだよ、知り合い。入れてあげて』
『玄関前で待っていてくださいね』
ぷつり。
「あら、こんな夜更けに……何かあったんですね?」
「……うぅ……」
「お母さん、とりあえずこの人は預かるから。任せて」
恋太少年の見た目をしたお姉さんが恋太少年のエスコートを申し出る。
「え、え……えぇ」
「お姉さんこっち」
恋太少年は自分の家にあがった。
いつもとは違い、少し高い身長から見る家は、少し新鮮だ。
恋太少年の見た目をしたお姉さんについていくかのように、恋太少年とお姉さんは恋太少年の部屋に入った。
「どうしたの、そんな恰好で……」
「追い出された」
端的にいう恋太少年。
それから起きたことを全てお姉さんに打ち明けた。
お姉さんの母に突然キレられたことから、スマホを盗品だと勘違いされたりしたこと、そして首を絞められて追い出さたことも。
「そう……私のお母さんが……」
呆れたように、ため息をつきながらそれに応えるお姉さん。
「あの、クソババァ……俺のスマホを……」
「……よくあるの。うちの母はあんな感じだから」
「俺のスマホ、まだあの家にある……どうやったら取り返せる?」
恋太少年は自分のスマホが気がかりで仕方がない。
あんな母親と一緒にいたら、どうなることやら……。
「スマホの心配かよ……。はぁ……とにかくこうなった以上、謝って入れてもらうしかないよ」
「謝りたくない……!なんであんな奴に謝らないといけないんだ」
「何か、悪いことをしたんでしょう?……勝手に私の身体で」
「してないよ!ただお風呂入ってゲームしてただけだし!」
「お風呂……なるほどね。……ってお風呂?!ちょっと待って、勝手に入ったの?」
「うん」
「はぁ……まぁ……子供だからまだいいけど」
「女の人って気持ちいいんだね」
恋太少年はただただ、感じたことをそのまま口にした。
「はぁっ!?ちょっと何やったの君⁉」
「お尻の穴に指入れたら、なんか気持ちよくて……」
「はぁ…………最悪」
お姉さんは心底つらい表情をしている。
恋太少年はなぜそんな顔をお姉さんがしているのかわからなかった。
「ねぇ、なんで女の人ってヒラヒラパンツ穿いてるの?」
恋太少年は素朴な疑問を口にする。
「知らないよ!」
「女なのに?」
「知らないものは知らない。それに今は君が女でしょ」
「そうだった、うっふ~ん♡あっは~ん♡。アタシが綾香よ」
「……やめてよ、私そんなこと言わない」
ノリがいい恋太少年はついつい自分の中の女イメージを披露してしまう。
しかしそれは、オカマキャラが混じっているぞ。
「そっかー……。スマホ……俺のスマホ……」
「今日くらいは我慢して……とりあえず明日、一緒に取りに行こ。もしかしたら朝起きたら戻ってるかもしれないし」
「……うん。……あの、お姉さんはなんで川でクソクソって言ってたの?」
「……う~ん、色々……かな。学校とか……色々」
「あのクソババァのことだろ」
「はは、まぁ……それもあるかも」
「俺が明日、がつんと言ってやろうか」
恋太少年……、相手には一度負けているぞ。
「やめたほうがいいよ……うちのお母さん、何するかわからないから」
「……」
恋太少年は自分の無力さに打ち震えた。
今の自分なら、大人に近い力が出せると思ったのに。
権力も力も、何も変わっていない。変わったのは身長と性別と年齢くらいだ。
恋太少年は今回の件で自分の家がどれだけ楽だということに気が付いた。
これからはちょっと怒られたくらいでは母のことをクソババァと思わないようにしようと心に決めた。
本当のクソババァを知ってしまったから。
次の日。
朝起きると恋太少年の身体は元の身体に戻っていた。
胸も、股間も、身長も、すべて元の身体に戻っていたのだ。
「……あれ、お姉さんは……?」
いつのまにか隣で一緒に寝ていたはずのお姉さんがいないことに気が付いた(昨日は恋太少年がお姉さんだったわけだが)……。
恋太少年は、今日も学校へ行く。
そして、いつものように帰りは河川敷を通るのだ。
ここまでは昨日までと一緒だった。
だが、なんだか嫌な予感がするのだ。
案の定、夕日が沈もうとしている河川敷に、石を蹴り込むお姉さんの姿はなかった。
心配になった恋太少年は住宅街を走り抜け、お姉さんの自宅前へとたどり着く。
玄関のインターホンを鳴らそうと、した途端に、玄関のドアが開いた。
「……勝ったよ」
家からは出てきたのは、……返り血を浴びたお姉さんだった。
「私、気づいたんだ。自分の家がいかに異常かを。君のおかげだよ。ありがとう」
そう言って、恋太少年のスマホを返してくれた。
その後、お姉さんの家がどうなったかは、誰も知らない。
……それから数年後。
俺は、探し求めていた例のモノを見つけ、それをお小遣いをはたいて購入した。
「あの時はわからなかったが……今回こそはもっと有効活用してやる」
俺は、河川敷で石を蹴っている社会人の女の人の近くで、黒い煙玉を地面にぶちまけた。
(終)