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蛇の目の傘 ベランダ篇 異変②

前回の続きです

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雨の日は魔が差す。

その魔から身を守る為に傘を差す。

魔の物に対して睨みを利かせる蛇の目の装飾で。


美紀は名前も知らない女に連れられて空き家に入っていた。

空き家に着くまでに交わした言葉は最初の一言だけだった。

二人にはそれで十分だった。

雨が降る中で茶色髪をした女が美紀の手を掴むと、美紀は黙って女の後を付いて行った。言葉を交わさなくても何をするのか分かる共通の理解が二人の中にあったからだろう。


ただただ自分の中の欲望を無くしたい。

家族ですら、血の繋がった子供ですら傷つけようと思ったこの欲望を無くしたい。

いや、欲望を満たしたいという欲求の方が強い。


二人で手を繋いで歩くこと5分くらいして、木がうっそうと生い茂る中にポツンとある平屋に辿り着いた。木々の間を通るにしては人の往来がほどほどにあるのか、地面に映える草が踏みつけられて道が出来ていたのでたどり着くまで美紀はここが森の中にある家だという事には気付かなかった。

茶髪女の家なのかと表札を探すが無く、中に人が住んでいる気配もなかった。


車で買い物をするときにも、街中に人の気配のない家がチラホラと見る事が有ったがこの家も同じようなものなのだろうか。ドアを開けて二人が入ると、生活臭はほとんどしないが妙に小奇麗で玄関からすぐに大きなベットと、ラブホテルで見るようなシャワールームが見える。

美紀と女は蛇の目の傘をガタンと床において服に着いた雨の雫を払いながら、相手の目をジッと見る。美紀の心の中には二つの欲望が入り混じっていた。


一つは暴力的な欲望。

自分の中に渦巻く加虐的で嗜虐的な欲求で名前を知らないからこそ、さらけ出すことが出来る本能に近い暴力願望。

もう一つは性的な欲望。

愛していて、自分の体の隅々まで知っているはずの夫でさえも知らない自分のメスとしての本性。隠していた性的欲求を満たしたいという欲望。


その二つの絡み合った欲望は自分の知っている相手に向けるには強すぎる願望だが、もう二度と会う事が無いかもしれない相手になら欲望の矛先を向けて良いのかもしれない。相手も自分と同じ状態なのであれば、きっとそう思っている。

そんな思考が働くと、自然と体は動いていた。


美紀は平屋の壁にドンと茶髪の背を押し付けて強引に口をふさごうとすると、相手もそれを待っていたのかように舌なめずりをして美紀の後頭部を掴んで自分の唇に重ね合わせる。二人の思考と欲望と欲求が欠けたパズルのようにガッチリとハマる。雨に濡れて冷えた肌が、同性との肌の触れ合いでぬくもりを感じはじめる。


唇同士が重なり合う。

恋人とのお互いを慈しみ、愛を確認し合うような優しいキスではなく。

暴力的で自身の欲望を満たすだけのキスだ。そんな自己中心的な口づけだと、愛し合う二人がするように溶けて混ざりあって一つになる感覚には遠いように思えるが、違う。


二人で溶け合うのではなくて、自分の形に溶かしていくのだ。相手の欲望を押しのけて自分勝手に欲望を押し付ける。唇の動きや舌の動きが自分の「気持ちいい」とは違う方向に向くのであれば自分の好みの方に力づくで向けさせればいい。


舌と舌がまるで刀のつばぜり合いをイメージさせるように押し付け合わさる。それが気に喰わなかったのか、壁を背にしていた茶髪はお返しとばかりに美紀の体を壁に押し付け返す。接吻に夢中になっていた美紀は押し付けられた衝撃で口全体の力が抜ける。


それを好機と茶髪は美紀の口全体を覆うような口づけをして、柔らかい唇を掻き分けるようにして舌をヌルリと差し込むんで、そのままさっきまでつばぜり合いをしていた美紀の舌刀に優しく触れると自分好みに溶かすようにゆっくりと重ね合わせて舌と舌で口内をかき混ぜあっていく。


美紀の舌先を最初はゆっくりと撫でるように上下すると今度は舌の横幅を確認するようにネットリと左右に動く。その動きに美紀も徐々に溶けていき、自分勝手なキスに合わせて舌を動かしていく。

チュッ、じゅるッ!

んちゅっ、チュッ。

レロレロと舌同士を絡ませ合うディープなキス、美紀にとっては夫以外との久々のキスで初めての同性との本気キスに口内も脳内も犯されていき次第に思考が回らなくなっていく。


「あら、なんだ。威勢が良いのかとおもったけれどたいしたことないんだね。名前もないただのモブ女だったのね、アンタ」

茶髪はクスッと鼻でバカにすると、そのまま美紀の股の間にある所に指を入れる。ジーンズの上から指先でグイッと股間を押すとポタポタと雨の雫が股から零れ落ちる。

「なにこれ、水がこぼれるほど興奮してたの。モブのくせに淫乱なの、あーそっか。私の欲望を発散させる為に来てくれたんだね。いいよ、雨の日ならいくらでも犯してあげる」


美紀は顔を真っ赤にして茶髪の女を玄関先の廊下に押し倒す。

「ちょっとキスで主導権握ったからってベラベラ喋りすぎなんだよ!だいたいモブモブって言うけれど、アンタだって私からしてみたら名無しのモブ女なのよ!」

茶髪の女のスカートをまくり上げて下着の上から敏感なところを指先でコシコシと擦り上げていく。触られてパンツの布生地が湿り気を帯びて、白の生地が擦られた指の軌跡を残すかのように黒く染まっていく。

「なに、これ?アンタこそが淫乱のモブ女じゃない。いい、モブ?私には美紀って名前があるの。美しいにロマン紀行の紀。アンタみたいな村人Aが勝てる相手じゃないの」


グリグリと強く痛めつけるように黒い線に指を押し付ける。強く押されたことでビクッと腰が浮いて、指先にまで湿りけを覚える。

「んっあ……。だ、だれが村人Aよ、私にだって咲良って名前があるのよ。このモブ淫乱女がッ!」


押し倒されながらも美紀の体を抱き寄せて体を密着させると、右手でそのままジーンズの中に手を入れてそのまま慣れた手つきで下着の中にあるジャングルのヌメヌメとした愛液が溢れる場所を探り当てて、指先を追って一番熱くなっている箇所を刺激する。指先にはジーンズのザラザラした質感とは違ったザラザラとした感触を執拗に責め立てる。


そのまま相互愛撫の責め合いが続いていくが、徐々にレズセックスの経験の差と秘部に直接責める咲良と下着の上から攻める美紀で明暗が分かれていく。

「んっ、あああ……。ダ、だめ……」

「モブが、ほらぁ!イキなさいよ!」

ザラザラの所をギュッと強く押すと、指先と手のひらに負け潮がかかる。

ハァハァ、ハァハァ。


玄関には二人の女の荒い息とメスによる独特のフェロモンとは違うムンムンとしたエロい匂いが立ち込める。


咲良は雨に濡れた服をズルズルと脱いでベッドルームに歩く。

「どうするのモブAまだやる?」


二人のケダモノのセックスはまだ終わらない。


書いている最中に別の物を読むと影響されることが分かりました。

芯の無い自分らしいなって思いました。


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